ただいまヤクザ、修行中!!
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始まりは、いつもと同じだった。
目覚ましのセットをしわすれて、おじさんの怒鳴り声で目を覚ます。
急いで着替えて、朝ごはんを作る。
ふとスマホを見たら雨が降と書いてあり、急いで洗濯物を取り入れる。
すると、まだ沸かないだろうと思っていたお湯が沸いてしまって、大惨事になった。
それでもなんとかご飯を作り終わってぼーとしていたら、美咲ちゃんの入れていたオレンジジュースが制服の袖にかかって着替えなくてはなくなった。
そして、なんと、腕でいつも巻いている包帯を巻き忘れて学校に行ってしまったのだ。
まだ肌寒く長袖だったからよかったが、長袖のせいで着替える羽目になった。
半袖だったら、包帯がオレンジジュースまみれになることだったが。
朝からバタバタして、
山道を自転車を爆走させて学校に行った時は、もうへとへとだった。
でもお金を払ってもらっているから、授業を寝ることなんてできない。
お昼になって、お弁当を忘れたことに気がついた。
お弁当といっても、朝ごはんの残りのおにぎりだが。
学食はあるがお金がない。
お昼ご飯の時間が空いたから落ち着くためにトイレに行って戻ったら、
自分のスリッパがない。
わざとらしく、廊下の隅に置かれていた。
泥付きで。
帰りは下だがなんだか帰る気がせず、自転車でぶらぶらしていた。
ある、小さな公園を見つけた。
本当に小さくて、雑草が伸び放題の公園。
遠くで、ガタンゴトンと電車の音がする。
音の方に行くと、柵があった。
柵の下に、線路があって、電車が走っていた。
夕陽に照らされた、疲れた人が乗っている電車。
公園には小さな象の滑り台とベンチが、
砂まみれになって置かれていた。
「はぁ」
ベンチに座って、線路のある方を見た。
夕日が、沈み始めている。
もうすぐ暗くなってしまう。
ふと、自分の腕を見た。
何も考えず、ただ、さりげなく。
その瞬間蘇る、あの記憶。
燃え盛る炎。
人々の悲鳴。
両親の、最後に聞いた声。
「うぅ…」
涙がポロポロ出てきて、止まらない。
「会いたい…会いたいよ、お母さん!!」
「どうしたの?」
バッと振り返った。
聞かれていた。
誰もいないと思ったのに。
そこには、黒いパーカーを着た、若い男の人が立っていた。
「君、高校生?どうしたの?」
「…っつ!」
声が、出ない。
男の人は近づいてきて、
「ーえ」
腕の、火傷を見た。
「なっ何するんですか!?」
急いでそれをおろして隠したが、腕を掴まれた。
かなりの力で、さいぶ痛い。
「これさ」
男の人が何か言っているが、聞き取れなかった。
怖い。
痛い。
嫌だ。
とたん、腕を離した。
「あっごめんね!急に掴んで!!」
「いえ…」
一体、何?
「で、その火傷の痕なんだけど」
なに?
何を言うの?
醜いって?
気持ち悪いって?
スカートの裾をギュッと握った。
「ウチの、代紋に似てる」
「ーへ?」
始まりは、いつもと同じだった。
目覚ましのセットをしわすれて、おじさんの怒鳴り声で目を覚ます。
急いで着替えて、朝ごはんを作る。
ふとスマホを見たら雨が降と書いてあり、急いで洗濯物を取り入れる。
すると、まだ沸かないだろうと思っていたお湯が沸いてしまって、大惨事になった。
それでもなんとかご飯を作り終わってぼーとしていたら、美咲ちゃんの入れていたオレンジジュースが制服の袖にかかって着替えなくてはなくなった。
そして、なんと、腕でいつも巻いている包帯を巻き忘れて学校に行ってしまったのだ。
まだ肌寒く長袖だったからよかったが、長袖のせいで着替える羽目になった。
半袖だったら、包帯がオレンジジュースまみれになることだったが。
朝からバタバタして、
山道を自転車を爆走させて学校に行った時は、もうへとへとだった。
でもお金を払ってもらっているから、授業を寝ることなんてできない。
お昼になって、お弁当を忘れたことに気がついた。
お弁当といっても、朝ごはんの残りのおにぎりだが。
学食はあるがお金がない。
お昼ご飯の時間が空いたから落ち着くためにトイレに行って戻ったら、
自分のスリッパがない。
わざとらしく、廊下の隅に置かれていた。
泥付きで。
帰りは下だがなんだか帰る気がせず、自転車でぶらぶらしていた。
ある、小さな公園を見つけた。
本当に小さくて、雑草が伸び放題の公園。
遠くで、ガタンゴトンと電車の音がする。
音の方に行くと、柵があった。
柵の下に、線路があって、電車が走っていた。
夕陽に照らされた、疲れた人が乗っている電車。
公園には小さな象の滑り台とベンチが、
砂まみれになって置かれていた。
「はぁ」
ベンチに座って、線路のある方を見た。
夕日が、沈み始めている。
もうすぐ暗くなってしまう。
ふと、自分の腕を見た。
何も考えず、ただ、さりげなく。
その瞬間蘇る、あの記憶。
燃え盛る炎。
人々の悲鳴。
両親の、最後に聞いた声。
「うぅ…」
涙がポロポロ出てきて、止まらない。
「会いたい…会いたいよ、お母さん!!」
「どうしたの?」
バッと振り返った。
聞かれていた。
誰もいないと思ったのに。
そこには、黒いパーカーを着た、若い男の人が立っていた。
「君、高校生?どうしたの?」
「…っつ!」
声が、出ない。
男の人は近づいてきて、
「ーえ」
腕の、火傷を見た。
「なっ何するんですか!?」
急いでそれをおろして隠したが、腕を掴まれた。
かなりの力で、さいぶ痛い。
「これさ」
男の人が何か言っているが、聞き取れなかった。
怖い。
痛い。
嫌だ。
とたん、腕を離した。
「あっごめんね!急に掴んで!!」
「いえ…」
一体、何?
「で、その火傷の痕なんだけど」
なに?
何を言うの?
醜いって?
気持ち悪いって?
スカートの裾をギュッと握った。
「ウチの、代紋に似てる」
「ーへ?」