二次創作
みんなの異聞録
「着いた~!」
「賑わってるねえ。ほら善逸さん、見て」
「なになに?」
禰豆子が指さす方向を見ると、女性の人だかりができていた。
「…? なんだろう」
「あ…匂い的には…」
「きゃーっ宇髄先生~!」
「こっち向いてくださーい♡」
「ハハハ、どいたどいた。そりゃ俺ァ派手で華やかな色男だが、一応これでも教師だからな」
その声の主は、金色に輝く浴衣を着た、美術教師・宇髄だった。
「あ、…あ、アイツゥゥゥ…ッ!!!!!」
三人の恋人を持つ宇髄に嫌悪感を抱く善逸が金切り声で叫ぶ。その声に宇髄が気づいた。
「ようよう、お前ら、元気そうじゃねえか! もしかしてお前らも、アレに出るのか?」
「アレ?」
宇髄の意味深な発言に、三人は首を傾げる。
頭の上に「?」を浮かばせる三人を見て、宇髄は「オイオイ」と言った。
「知らねえのかあ? 今年はなぁ長いキメツ学園夏祭りの歴史上初めての『ファッションショー』が開催されんの!」
そして、宇髄は気分が盛り上がったのか声を張り上げる。
「絶対一位は取らせねーよ! こっからはド派手に行くぜ!」
「ちょっと待ちなさいよ!」
宇髄が決めゼリフを決めた時、かん高い女の声がした。声の方を向くとそこには、キメツ学園の不良兄妹・謝花兄妹の妹の方の謝花梅がいた。梅は、上の方で白い髪を結い上げ、とても華やかかつ妖艶な浴衣を着ている。そして叫ぶ。
「アタシが勝つんだからね! アンタ達みたいな不細工には無理よ。失せろ!」
「いーや? 勝つのはこの宇髄天元様だぁ。お子ちゃまは失せとけ」
「うう、うわあああん! アタシ子供じゃないもん。もう高校生だし! うわあああん、お兄ちゃあああん」
煽りあいの末、泣き出した梅に人影が近づいてきた。それはもちろん、梅の兄・謝花妓夫太郎だった。彼は極度のシスコンで、妹の呼ぶ声を聞けば必ずやってくるし、物だって盗む。妹のために。
「おいいいいい。俺の可愛い妹にいい何してんだあああ?」
「お、兄貴のご登場か」
「た、た…炭治郎おおお。謝花兄妹はダメだ…俺無理だよ」
腰を抜かした善逸が、声を震わせて炭治郎にすがる。
炭治郎は、眉を八の字にしてにっこり笑う。
「どうしてそう思うんだ?」
「は?」
「相手は必ずしも人間だろう。死んでしまうこともない。なぜ無理なんだ? お前には『霹靂一閃』があるじゃないか」
淡々と語る炭治郎に、肩を震わせ、そして───髪をむんずと掴んだ、涙を流して。
「炭治郎…俺は目つけられてんだぞ!? 風紀委員の仕事しててそん時『制服のボタンをつけろ』って注意したわけ! そしたらさあ…どうなったと思ってやがる!! その日にじいちゃんがくれた金、ぜーんぶ盗られたんだぞ!?」
いつの間にか目の下にクマを浮かばせている善逸の気迫に押され、炭治郎は善逸の肩に手をぽんと置いた。そして振り向きざま、
「禰豆子、わたあめ一個買ってきてくれ。自分の分も欲しかったら、この財布の中から買いな」
善逸のカバンから財布を取り出して、禰豆子に渡した。
「う、うん~」
禰豆子は困ったような汗をかいて、わたあめの屋台に買いに行った。
「賑わってるねえ。ほら善逸さん、見て」
「なになに?」
禰豆子が指さす方向を見ると、女性の人だかりができていた。
「…? なんだろう」
「あ…匂い的には…」
「きゃーっ宇髄先生~!」
「こっち向いてくださーい♡」
「ハハハ、どいたどいた。そりゃ俺ァ派手で華やかな色男だが、一応これでも教師だからな」
その声の主は、金色に輝く浴衣を着た、美術教師・宇髄だった。
「あ、…あ、アイツゥゥゥ…ッ!!!!!」
三人の恋人を持つ宇髄に嫌悪感を抱く善逸が金切り声で叫ぶ。その声に宇髄が気づいた。
「ようよう、お前ら、元気そうじゃねえか! もしかしてお前らも、アレに出るのか?」
「アレ?」
宇髄の意味深な発言に、三人は首を傾げる。
頭の上に「?」を浮かばせる三人を見て、宇髄は「オイオイ」と言った。
「知らねえのかあ? 今年はなぁ長いキメツ学園夏祭りの歴史上初めての『ファッションショー』が開催されんの!」
そして、宇髄は気分が盛り上がったのか声を張り上げる。
「絶対一位は取らせねーよ! こっからはド派手に行くぜ!」
「ちょっと待ちなさいよ!」
宇髄が決めゼリフを決めた時、かん高い女の声がした。声の方を向くとそこには、キメツ学園の不良兄妹・謝花兄妹の妹の方の謝花梅がいた。梅は、上の方で白い髪を結い上げ、とても華やかかつ妖艶な浴衣を着ている。そして叫ぶ。
「アタシが勝つんだからね! アンタ達みたいな不細工には無理よ。失せろ!」
「いーや? 勝つのはこの宇髄天元様だぁ。お子ちゃまは失せとけ」
「うう、うわあああん! アタシ子供じゃないもん。もう高校生だし! うわあああん、お兄ちゃあああん」
煽りあいの末、泣き出した梅に人影が近づいてきた。それはもちろん、梅の兄・謝花妓夫太郎だった。彼は極度のシスコンで、妹の呼ぶ声を聞けば必ずやってくるし、物だって盗む。妹のために。
「おいいいいい。俺の可愛い妹にいい何してんだあああ?」
「お、兄貴のご登場か」
「た、た…炭治郎おおお。謝花兄妹はダメだ…俺無理だよ」
腰を抜かした善逸が、声を震わせて炭治郎にすがる。
炭治郎は、眉を八の字にしてにっこり笑う。
「どうしてそう思うんだ?」
「は?」
「相手は必ずしも人間だろう。死んでしまうこともない。なぜ無理なんだ? お前には『霹靂一閃』があるじゃないか」
淡々と語る炭治郎に、肩を震わせ、そして───髪をむんずと掴んだ、涙を流して。
「炭治郎…俺は目つけられてんだぞ!? 風紀委員の仕事しててそん時『制服のボタンをつけろ』って注意したわけ! そしたらさあ…どうなったと思ってやがる!! その日にじいちゃんがくれた金、ぜーんぶ盗られたんだぞ!?」
いつの間にか目の下にクマを浮かばせている善逸の気迫に押され、炭治郎は善逸の肩に手をぽんと置いた。そして振り向きざま、
「禰豆子、わたあめ一個買ってきてくれ。自分の分も欲しかったら、この財布の中から買いな」
善逸のカバンから財布を取り出して、禰豆子に渡した。
「う、うん~」
禰豆子は困ったような汗をかいて、わたあめの屋台に買いに行った。