- 閲覧前にご確認ください -

二次制作です。
ご了承くださいませ。

文字サイズ変更

二次創作
みんなの異聞録

#13

拾参、彼岸の君へ

私は一人、鬼殺隊の墓地を歩いていた。
二人分の供花を持って。

今日は姉さん達の墓参りだ──────。

墓は薄汚れていて、花はもう枯れていた。
柄杓に水を溜めて、ゆっくりと優しくかける。
私は、仲良く横に並ぶ、二つの墓に語りかけた。
「カナエ姉さん、しのぶ姉さん、ただいま」
当たり前だが、返事はない。
「今日はね、嬉しい報告を持ってきたのよ」
墓に花を供えながら、見つめた。墓石には『胡蝶カナエ之墓』、『胡蝶しのぶ之墓』とある。
「実は…」
そう言おうとした時、私の脳裏にカナエ姉さんの言葉がよぎる。

『いつか、好きな男の子でもできたら、カナヲだって変わるわよ』


綺麗な笑顔を顔いっぱいに刻んだカナエ姉さん。本当に優しい人だった。
(私の旦那さんになる人も、そんな優しい人なんだよ)

「私、今度炭治郎と結婚するの」
笑顔になれたから。
涙を流せるようになったから。
自分の心に素直になることができたから。
それは全部、炭治郎と姉さんのおかげなんだよ。
「姉さん達は、許してくれるよね? 結婚式、絶対見に来てよ」
そよ風が吹いて、満開に咲いた桜が花びらを散らす。
「これも全部、姉さん達の祝福なのかな」
私は、その桜の幹に寄りかかって、根元に座る。
線香の香りがふわりと鼻をつく。
その心地良さに、私は眠りに落ちた。

『カナヲ』
姉さんの声がした。
『姉さん?』
しかし、そこにいたのは…姉さんだけでなく、死んでしまった他の継子や玄弥、柱だった。
『え…』
私は大いに動揺した。

『俺たちは、無惨を倒したのだな!』
炎柱様が朗らかに叫ぶ。
『うむ、ようやく皆の仇を討てた』
岩柱様は手の数珠をジャリジャリいわせた。
『これで、みんな笑顔になれる時が来たのね』
恋柱様が頬を赤らめて空を仰ぐ。
『ああ、そうだ甘露寺。本当に良かった』
蛇柱様は恋柱様の肩に手を置いた。
『そのために命をかけたことは後悔してないよ』
霞柱様が晴れやかな目を伏せる。

[明朝体][大文字][太字]『私たちのこと、忘れないでね』[/太字][/大文字][/明朝体]
カナエ姉さんが言う。
それにしのぶ姉さんも続く。
[明朝体][大文字][太字]『私たちは、本当に存在した。鬼に理不尽に命を奪われ、仇を討つため。まだ奪われていない命を守るため。私たちは戦った』[/太字][/大文字][/明朝体]
姉さんたちの目には涙が浮かんでいた。
声も肩も震え、頬に一筋の涙を零している。
でも笑顔だった。

うん、わかってるよ。
必ずあとに繋げる。私たちのこと、姉さんのこと、鬼殺隊のこと、全部、あとに繋げるよ。
呼吸も。私たちの『物語』も。
私たちは伝説なんかじゃない。言い伝えでもなんでもない。本当にいた。
うん
うん…
わかってるよ だから…安心してね。

アゲハ蝶が私の髪飾りにとまった。
(私も蝶みたいになれるかな…)
私は夢を見ていたんだ。
姉さんたちに会える夢、なんて都合のいい夢だろうか。
私は髪飾りに触れた。
「姉さん、柱の皆さん、鬼殺隊の皆さん」
そして私は、青く澄み渡る空を見上げた。
「命を繋げてくれて、ありがとう」
その時、祝福するように、二匹のアゲハ蝶が空を舞った。

作者メッセージ

こんばんは~!
お豆さん×レイのレイです!
実は、お豆の知り合いからのリクエストを受けたので、胡蝶三姉妹のお話、書きました!
どうでしょうか

2025/10/19 20:52

お豆さん×レイ ID:≫ 1rO9Bbo/Mf5vI
続きを執筆
小説を編集

パスワードをおぼえている場合はご自分で小説を削除してください。(削除方法
自分で削除するのは面倒くさい、忍びない、自分の責任にしたくない、などの理由で削除を依頼するのは絶対におやめください。

→本当に小説のパスワードを忘れてしまった
▼小説の削除を依頼する

小説削除依頼フォーム

お名前 ※必須
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
削除の理由 ※必須

なぜこの小説の削除を依頼したいですか

ご自分で投稿した小説ですか? ※必須

この小説は、あなたが投稿した小説で間違いありませんか?

削除後に復旧はできません※必須

削除したあとに復旧はできません。クレームも受け付けません。

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
小説のタイトル
小説のURL
/ 15

コメント
[0]

小説通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

※できるだけ具体的に記入してください。
特に盗作投稿については、どういった部分が元作品と類似しているかを具体的にお伝え下さい。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
小説のタイトル
小説のURL