二次創作
みんなの異聞録
「お兄ちゃん、買ってきたよ。はい善逸さん。元気出してね」
「うん…」
禰豆子が善逸に真っ白のわたあめを渡す。
その時、柔らかなとした女性の声が、マイク越しに響いた。皆、そちらを向く。その女性は、学校長で産屋敷耀哉理事長の妻・産屋敷あまねだった。
「今夏祭りにお越しくださり誠にありがとうございます」
その声と同時に、ほとんどの人があまねに向けてお辞儀をする。そしてあまねは続ける。
「今から初『ファッションショー』が開催されます。では早速」
キ────────────……ン
マイクの機械音。
そして響いた。
「エントリーナンバー一番! 虹丸様!」
その声と共にレッドカーペット上を堂々たる姿で歩いてきたのはなんと、『鴉』だった。
「かっ…鴉?」
「鴉も出場できるんだ…?」
「可愛いわね」
「飾りもオシャレだわ」
観衆がザワつく。あまねは虹丸の説明をする。
「虹丸様は本校で育てている鴉です。彼は本校で育てている鴉の中で一番のファッションモデルで…」
「鴉にファッションモデルも何もあるかよ」
あまねの説明に善逸がすかさずツッコむ。
「こら善逸」
炭治郎が善逸に注意する。
その会話が聞こえていたのか、あまねは口をもごもごと動かしていた。
「こほん、えー…大変失礼しました。続きまして、エントリーナンバー二番 宇髄天元先生!」
「エントリーナンバー三番 謝花梅様!」
「エントリーナンバー四番 胡蝶三姉妹様!」
その声で炭治郎達三人が目を丸くする。
「おそろの浴衣はそのためだったんだ」
「派手な衣装より清楚な方がいいよ。優勝で決まりだね」
「やっぱ美女だよなあ」
そうしてあっという間に『ファッションショー』は終わり───。
「順位を発表します。三位、宇髄天元先生!」
皆が拍手をする。当の宇髄は悔しそうに唇を噛んでいた。その姿を見て善逸は性格の悪そうに「ウィッヒッヒ」と笑った。炭治郎と禰豆子はドン引きだ。
「二位、胡蝶三姉妹様!」
「てことは私が一位!? ふふん、生徒の前で見栄張ってた美術教師も大したことなかったわね」
梅が勝ち誇ったような顔で宇髄を見る。宇髄は彼女を睨み返した。
「第一位は!」
ドドドドドド…ドン!
[明朝体][太字][大文字]「虹丸様です!」[/大文字][/太字][/明朝体]
「ええええええええええええ!?!?!?」
「そんな〜〜〜〜〜〜〜!!!」
「鴉ってありなの?」
皆の反応が面白いのか、あまねと虹丸がニヤニヤしている。梅は泣きそうな表情をしていた。
「はい、最後は花火です。どうぞお楽しみくださいませ」
漆黒の空に色鮮やかな華が咲く。
夜空を眩しくまたたく星々をかき消すように。
皆が瞳をキラキラと輝かせて、空一面の華を見上げる。それは今日見たファッションの何よりも美しかった。
「うん…」
禰豆子が善逸に真っ白のわたあめを渡す。
その時、柔らかなとした女性の声が、マイク越しに響いた。皆、そちらを向く。その女性は、学校長で産屋敷耀哉理事長の妻・産屋敷あまねだった。
「今夏祭りにお越しくださり誠にありがとうございます」
その声と同時に、ほとんどの人があまねに向けてお辞儀をする。そしてあまねは続ける。
「今から初『ファッションショー』が開催されます。では早速」
キ────────────……ン
マイクの機械音。
そして響いた。
「エントリーナンバー一番! 虹丸様!」
その声と共にレッドカーペット上を堂々たる姿で歩いてきたのはなんと、『鴉』だった。
「かっ…鴉?」
「鴉も出場できるんだ…?」
「可愛いわね」
「飾りもオシャレだわ」
観衆がザワつく。あまねは虹丸の説明をする。
「虹丸様は本校で育てている鴉です。彼は本校で育てている鴉の中で一番のファッションモデルで…」
「鴉にファッションモデルも何もあるかよ」
あまねの説明に善逸がすかさずツッコむ。
「こら善逸」
炭治郎が善逸に注意する。
その会話が聞こえていたのか、あまねは口をもごもごと動かしていた。
「こほん、えー…大変失礼しました。続きまして、エントリーナンバー二番 宇髄天元先生!」
「エントリーナンバー三番 謝花梅様!」
「エントリーナンバー四番 胡蝶三姉妹様!」
その声で炭治郎達三人が目を丸くする。
「おそろの浴衣はそのためだったんだ」
「派手な衣装より清楚な方がいいよ。優勝で決まりだね」
「やっぱ美女だよなあ」
そうしてあっという間に『ファッションショー』は終わり───。
「順位を発表します。三位、宇髄天元先生!」
皆が拍手をする。当の宇髄は悔しそうに唇を噛んでいた。その姿を見て善逸は性格の悪そうに「ウィッヒッヒ」と笑った。炭治郎と禰豆子はドン引きだ。
「二位、胡蝶三姉妹様!」
「てことは私が一位!? ふふん、生徒の前で見栄張ってた美術教師も大したことなかったわね」
梅が勝ち誇ったような顔で宇髄を見る。宇髄は彼女を睨み返した。
「第一位は!」
ドドドドドド…ドン!
[明朝体][太字][大文字]「虹丸様です!」[/大文字][/太字][/明朝体]
「ええええええええええええ!?!?!?」
「そんな〜〜〜〜〜〜〜!!!」
「鴉ってありなの?」
皆の反応が面白いのか、あまねと虹丸がニヤニヤしている。梅は泣きそうな表情をしていた。
「はい、最後は花火です。どうぞお楽しみくださいませ」
漆黒の空に色鮮やかな華が咲く。
夜空を眩しくまたたく星々をかき消すように。
皆が瞳をキラキラと輝かせて、空一面の華を見上げる。それは今日見たファッションの何よりも美しかった。