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二次創作
みんなの異聞録

#1

壱、懐のおはぎ

あの夜、俺はたくさんの物を失い、それと同時にたくさんの人命を守り切った。俺は先の戦いで右腕を失った。慣れない左腕だけの生活は本当に辛かったが、それでも戦友や蔦子姉さん、錆兎を失った辛さよりも全然平気だった。
そして今日、新しい御館様・産屋敷輝利哉様に、御屋敷に呼ばれた。そこには柱の中でもう一人の生き残りである、風柱・不死川実弥もいた。彼は言う。
「お前も、御館様にお呼ばれして来たのかァ」
ああ、と俺は短く返す。その時襖が開き、輝利哉様とその妹君である、かなた様とくいな様が入ってきた。
「来てくれてありがとう」
やはり自分たちの代の御館様の御子息は父に似て、ふわふわとした声だった。柔らかな言葉に心が軽くなる。
「今日が最後の柱合会議だ」
そう言って御館様は俺たちの名を呼んだ。
「実弥、義勇。柱は二人だけになってしまったね、他の子供たちも大勢いなくなってしまった。けれど私たちは、鬼を滅ぼすことができた」
そして、続ける。清々しく晴れやかな表情で。
[明朝体][大文字][太字]「鬼殺隊は今日で解散する」[/太字][/大文字][/明朝体]
俺たちは言われるがまま、「御意」と一言のみ。それでも俺は晴がましい気持ちだった。きっと不死川もそうだろう。
その後、御館様の後ろに控えていたかなた様とくいな様が口を開いた。
「長きに渡り、身命を賭して」
「世の為人の為に戦って戴き、尽して戴いたこと」
三人は、丁寧に手をつき、深々と頭を下げた。
[明朝体][大文字][太字]「産屋敷家一同、心より感謝申し上げます」[/太字][/大文字][/明朝体]
それを見て、俺たちは声をいっせいにあげた。
「顔を上げてくださいませ!!」
「礼など必要ございません」

その後、俺たちからの感謝の意を思い思いに述べ、そして不死川と俺は笑みをこぼしあい、その場を辞した。

「不死川」
俺は屋敷を出る時に彼を呼び止めた。
彼はいつも通りの調子で、ややイラつきがちな目で俺を睨めつけた。
「なんだァ冨岡ァ」
「遅れてしまったが、受け取って欲しい」
「アァ?」
俺が懐から取り出したのは、紙に包まれた、こぢんまりとしたもの───『おはぎ』。おはぎは不死川の大好物であると、柱稽古の時、炭治郎から聞いた。炭治郎に「おはぎを渡したら仲良くなれるかもしれない」という話をすると、彼は「いいですね!」と肯定してくれたのを良く覚えている。
「馬鹿にしてんのかァ?」
「戦勝祝いだと思って受け取ってくれ」
そう言うと不死川は、一瞬驚いたような感嘆したような表情をして、それから、
「…ありがたく頂くぜェ」
と言って、俺に背を向けた。
その時不死川がどんな表情をしていたかは、俺は知らない。

作者メッセージ

お豆さん×レイのレイです!
最後までお読み頂きありがとうございます。
僕は柱箱推しなので今回はとても楽しかったです。
吾峠先生の原作をそのまま持ってきたような形になってしまいましたが、ご了承ください。

次回は柱達のほのぼの(?)ストーリーです。
良ければコメントお願いしますね。

2025/05/08 17:29

お豆さん×レイ ID:≫ 92PfCVcPXHkYI
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