ヒーロー部!!~僕らの冒険物語~
激しい戦いは続いていた。
だがやはり、タクは押され続けている。
「ぐっ......!」
ナイフを突き刺されて、タクが一際大きなうめき声を上げた。
カインは、肩で息をするタクにナイフを突きつけた。
「ここで大人しく降参し、もとの世界へ帰れ。そうすれば見逃してやる」
え......。
私の心は揺れた。
こんなものもう見ていられない。でも、それじゃあユメミさんたちはどうなるの?
タクは動く気配がない。
焦れたカインが、さらにナイフを近づける。
すると、タクはナイフを思い切り握った。
プシッ、と音がして、血が飛び散る。
タクはきっぱりと言った。
「その提案は受け入れられない」
カインが動揺する。
だが次の瞬間、顔を真っ赤にして、ナイフをタクに突き立てた。
「馬鹿め!!お前に勝ち目はない!!」
ナイフを思い切り抜いて、カインは勝ち誇ったように笑う。
「はは、もう声も出ないか。いいだろう、楽にしてやる!」
一度後ろに飛び退いたあと、タクに向かってまっすぐ走り出すカイン。
タクは受けて立つように、ナイフを構えた。
ドスッ
二人は睨みあったまま、動かない。
先に体勢を崩したのは、カインだった。
がくりと膝をついて、うつむいている。
じわりと、カインのまわりに血が広がった。
静かにタクが言った。
「カイン」
返事は返ってこない。
タクは続けた。
「僕の名はタクだ」
私はただ、息をのんでそれを見守っていた。
「タク...」
掠れた声がした。カインだ。
「タク、いい名前だ」
相変わらず、カインの顔は見えない。
タクは、カインを見つめて言った。
「ありがとう」
カインは立ち上がって、ナイフをタクに差し出した。
「タク、俺を殺してほしい」
「.........」
少し目を見開いたタクは、ナイフを見た。
カインを見て、もう一度ナイフに目を落とす。
「わかった」
それを聞いて、カインは目を閉じた。
ドッ
血の海に横たわるカインはどことなく誇らしげに見えた。
タクがこちらに歩いてくる。
だがここにたどり着く前に、体がぐらりと傾く。
「タクっ......」
部長がタクを受け止めて、大丈夫だとうなずく。
タク、ごめんね。こんなことをさせて。
ゆっくり休んで.........。
だがやはり、タクは押され続けている。
「ぐっ......!」
ナイフを突き刺されて、タクが一際大きなうめき声を上げた。
カインは、肩で息をするタクにナイフを突きつけた。
「ここで大人しく降参し、もとの世界へ帰れ。そうすれば見逃してやる」
え......。
私の心は揺れた。
こんなものもう見ていられない。でも、それじゃあユメミさんたちはどうなるの?
タクは動く気配がない。
焦れたカインが、さらにナイフを近づける。
すると、タクはナイフを思い切り握った。
プシッ、と音がして、血が飛び散る。
タクはきっぱりと言った。
「その提案は受け入れられない」
カインが動揺する。
だが次の瞬間、顔を真っ赤にして、ナイフをタクに突き立てた。
「馬鹿め!!お前に勝ち目はない!!」
ナイフを思い切り抜いて、カインは勝ち誇ったように笑う。
「はは、もう声も出ないか。いいだろう、楽にしてやる!」
一度後ろに飛び退いたあと、タクに向かってまっすぐ走り出すカイン。
タクは受けて立つように、ナイフを構えた。
ドスッ
二人は睨みあったまま、動かない。
先に体勢を崩したのは、カインだった。
がくりと膝をついて、うつむいている。
じわりと、カインのまわりに血が広がった。
静かにタクが言った。
「カイン」
返事は返ってこない。
タクは続けた。
「僕の名はタクだ」
私はただ、息をのんでそれを見守っていた。
「タク...」
掠れた声がした。カインだ。
「タク、いい名前だ」
相変わらず、カインの顔は見えない。
タクは、カインを見つめて言った。
「ありがとう」
カインは立ち上がって、ナイフをタクに差し出した。
「タク、俺を殺してほしい」
「.........」
少し目を見開いたタクは、ナイフを見た。
カインを見て、もう一度ナイフに目を落とす。
「わかった」
それを聞いて、カインは目を閉じた。
ドッ
血の海に横たわるカインはどことなく誇らしげに見えた。
タクがこちらに歩いてくる。
だがここにたどり着く前に、体がぐらりと傾く。
「タクっ......」
部長がタクを受け止めて、大丈夫だとうなずく。
タク、ごめんね。こんなことをさせて。
ゆっくり休んで.........。