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グロ?まではいきませんが、残酷というか、流血表現とか、うっとなる描写が入っています。お気をつけください......

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ヒーロー部!!~僕らの冒険物語~

#4

治癒能力

カインとタクの戦いが始まって、どれくらい経っただろうか。
私たちは、一言も喋ることなく、ただじっと二人を見ていた。
タクが使っているナイフはカインに渡されたものだ。
彼曰く、二人のナイフは同じものだということだが、私はどうもそれが信じられない。

タクは必死に自分を庇い続けている。
格闘技が趣味だという部長に日々しごかれていたようだが、だからといっていきなりナイフを持たされて戦えるわけがない。
逆にどうしてここまで動けるのかが不思議なくらいだ。
なぜ彼がこんなにも傷つかないといけないのか。
ふつふつと怒りがわいてきて、でもふと我に帰る。

待って。どうしてここに来ることになったんだっけ?
ユメミさんが来て、助けを求められて、依頼を受けて...
そうだ。私が勝手に引き受けたんだ。
一度引き受けた手前、断ることもできずに、皆も着いてきてくれたんだった...。
え?じゃあ.........







私のせいじゃん.........





その事に気づいて、どうしようもない絶望感を感じた。
だんだん呼吸が荒くなっていくのが分かる。
嫌だ、待って、私のせいで............!

思わずしゃがみこみそうになったとき、背中に暖かい手が触れた。
え、と思って見上げると、モモがいた。

「どうして...」
「ミオ、きっと大丈夫よ」

何が大丈夫なのか全く分からないけれど、不思議と心が落ち着いてくる。
そっか、そうだよね...

「モモ、ありが...」

私の言葉は途中で途切れた。

信じられないものを見てしまったから。


「ぐはッ」



タクが斬られた。
肩から腹にかけて、痛々しい斜めの傷ができている。
傷口からは、どばどばと血が流れ出ている。

耐えきれずに膝をついたタクの顔は青白かった。
泣きたくなるが、それは許されない。
一番泣きたいのはタクなのに、彼は涙を流そうとしないから。

タク、タク。
お願い、生きて......!


カインはゆっくりとタクに近づいた。
しげしげとタクを眺めた後、おもむろに口を開く。

「......驚いた。まだやる気か」

えっ?
私もまじまじとタクを見る。
心なしか、タクの周りでゆらゆらと何かがゆらめいている気がする。


「えっ...!」

さっきは声にならなかった心の声が、今度は声になった。
だって信じられないんだもの。
あんなに大きかった傷が、塞がりはじめている......!


「治癒だったのね...」

ぽつりとユメミさんが言った。
私は思わず尋ねる。

「どういうことですか?」

「彼の属性よ。戦闘スーツを身に付けたときから、能力持ちだとは分かっていたけれど...」

ユメミさんはまっすぐにタクを見ていて、目が合うことはない。

「稀に『能力』を持つ者が現れるの。効果は様々なんだけど、大抵は大きなショックを受けたときに発動するわ」

なるほど。つまりタクは、治癒の能力持ちだったんだ。
だからといって、不安が消えることはない。

「タク......」

ごくりと、誰かが唾を飲み込む音が聞こえた。



第2ラウンドだ。

作者メッセージ

うぐぐ。。。戦闘モノって難しい。

2025/06/20 20:25

まっちゃん ID:≫ 9tLeB9AxJiZq2
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