ヒーロー部!!~僕らの冒険物語~
しばらく部室の片付けをしていると、ふいに部屋の角が光った。
私とタクはやれやれという顔で光を見つめる。
ぽん、という音がして光が消え、変わりに女の子が出てくる。
女の子はふわりと笑った。
「こんにちは、ミオさん、タク」
「もう、モモったら!転移はしちゃだめって言ってるじゃん!」
「そうだったかしら?」
モモはこてんと首をかしげた。
はあ、これでいつも許しちゃうんだよなぁ。
私はため息をついて、電話に手を伸ばした。
少しして、電話が繋がる。
『もしもし?』
「もしもし、イッキ兄ちゃん?」
『そうだけど。何かあったのか?』
「そう。明後日、部室来てね」
『は?いや、説明...』
「じゃあね、よろしくー」
無理矢理に電話を切る。
「どうでした?」
「ばっちり」
タクにグッドサインをする。
モモは不安そうだ。
「でも、本当に来てくれるのかしら?」
いつの間にか追いかけっこを終えたユイナが言った。
「たぶん来るよ」
「どうして?」
「モモがいるから」
「?...私?」
呆れたような声で、部長が首をふった。哀れみも含まれているように感じる。
「あーあ、全然気付いてもらえてねえじゃん。頑張れ、イッキ」
......ということで、異世界。
何もツッこまないでください。
ユメミさんの不思議な力(笑)でノーヴァランドへとやって来ました。
少し離れたところでイッキ兄ちゃんが部長を投げ飛ばしているのが見える。
また何かやったんだな、部長...。
私は腰をさすりながら立ち上がった。
空は雲に覆われていて、光はない。
ぼろぼろになった街の向こうに構えてある城は、異様なオーラを放っている。
隣に来たユメミさんが呟いた。
「...酷い有り様でしょう?もう私だけではどうにもできない。情けない姉ね」
「......そんなことは、ありません。ユメミさんは私たちを頼ってくれました。人は1人では生きられないんですよ」
「ミオさん......」
ユメミさんの顔がくしゃっと歪んだ。
だが目をこするとすぐに顔を引き締める。
「泣くのはまだ早いわよね」
城下町を、ユメミさんを先頭に歩く。
人々は瞳の光が消えてうなだれている。
でも、今やるべきことはユメカさんを助けることだ。
私は心に誓った。
待っていて、必ずこの世界を助けてみせるから。
しばらく歩いていると、部長が走り出した。
それから勢いよくタクにぶつかる。
状況を理解する前に、部長のうめき声が聞こえた。
はっとして、私は部長に駆け寄った。
倒れている部長の腹には、ナイフが刺さっている!
そばに座り込んでいるタクの顔は真っ青だ。
「し...師匠...」
どうすることが正解なのか分からず呆然としていると、ふと人の気配を感じた。
私は顔を上げる。
そこには冷たい顔をした男が立っていた。
私とタクはやれやれという顔で光を見つめる。
ぽん、という音がして光が消え、変わりに女の子が出てくる。
女の子はふわりと笑った。
「こんにちは、ミオさん、タク」
「もう、モモったら!転移はしちゃだめって言ってるじゃん!」
「そうだったかしら?」
モモはこてんと首をかしげた。
はあ、これでいつも許しちゃうんだよなぁ。
私はため息をついて、電話に手を伸ばした。
少しして、電話が繋がる。
『もしもし?』
「もしもし、イッキ兄ちゃん?」
『そうだけど。何かあったのか?』
「そう。明後日、部室来てね」
『は?いや、説明...』
「じゃあね、よろしくー」
無理矢理に電話を切る。
「どうでした?」
「ばっちり」
タクにグッドサインをする。
モモは不安そうだ。
「でも、本当に来てくれるのかしら?」
いつの間にか追いかけっこを終えたユイナが言った。
「たぶん来るよ」
「どうして?」
「モモがいるから」
「?...私?」
呆れたような声で、部長が首をふった。哀れみも含まれているように感じる。
「あーあ、全然気付いてもらえてねえじゃん。頑張れ、イッキ」
......ということで、異世界。
何もツッこまないでください。
ユメミさんの不思議な力(笑)でノーヴァランドへとやって来ました。
少し離れたところでイッキ兄ちゃんが部長を投げ飛ばしているのが見える。
また何かやったんだな、部長...。
私は腰をさすりながら立ち上がった。
空は雲に覆われていて、光はない。
ぼろぼろになった街の向こうに構えてある城は、異様なオーラを放っている。
隣に来たユメミさんが呟いた。
「...酷い有り様でしょう?もう私だけではどうにもできない。情けない姉ね」
「......そんなことは、ありません。ユメミさんは私たちを頼ってくれました。人は1人では生きられないんですよ」
「ミオさん......」
ユメミさんの顔がくしゃっと歪んだ。
だが目をこするとすぐに顔を引き締める。
「泣くのはまだ早いわよね」
城下町を、ユメミさんを先頭に歩く。
人々は瞳の光が消えてうなだれている。
でも、今やるべきことはユメカさんを助けることだ。
私は心に誓った。
待っていて、必ずこの世界を助けてみせるから。
しばらく歩いていると、部長が走り出した。
それから勢いよくタクにぶつかる。
状況を理解する前に、部長のうめき声が聞こえた。
はっとして、私は部長に駆け寄った。
倒れている部長の腹には、ナイフが刺さっている!
そばに座り込んでいるタクの顔は真っ青だ。
「し...師匠...」
どうすることが正解なのか分からず呆然としていると、ふと人の気配を感じた。
私は顔を上げる。
そこには冷たい顔をした男が立っていた。