逃げる。ひたすら逃げる。疲れても逃げる。
なぜって？
あんなのに勝てるわきゃないでしょうが！あの結構太かった木を、ギコギコじゃなくて、一度刃が入ったらスゥゥゥゥでもなくてあれは、「ザッ！スパッ！」だよ！怖いよ！無理だよ！逃げるよ！
よぉぉぉし、頑張ってくれ！たかちゃん。俺の安全安心の為に、
このまま下山するぞぉぉぉ！逃げるぞぉぉぉ！ダッシュで！シャトルラン125なめんなよぉぉぉ！
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[太字]たかちゃん視点（戦闘画面）[/太字]

「まずいなって、危なっ！」
咄嗟に避ける。後ろにあった岩が真っ二つに切れる。あんなの直撃したら死だよ死。
「ヤルジャナイカ　セッシャニハカナワンガ。」
「そりゃどうも、将軍様」
掠った、横腹。血が流れる。
正直このままじゃいつか死ぬ。やばい、この状況。
「ソロソロホンキヲダソウカ。　オワリニシヨウ。」
「オレノナマエハ　パルサー・フォース　ッテンダ。ジブンガヤラレルアイテノナマエクライシッテオキタイダロウ？」
パルサー・フォースに白いサソリの化け物が憑く。
「じゃあこっちも本気を出すわ、僕の名前　以奴加比　鷹人　覚えといて、」
青白く光る宝石のついた腕輪を腕につける。

「力になってくれ、アルタイル。」

その身が光に包まれ、にアルタイル（飛躍する鷹）を宿す。
髪が白くなり、背中に翼を生やす。爪が鋭くなる
斬撃がくる。
「また、か」
くる前に、止める。
相手が反応できないような速度で後ろにまわり、思い蹴りをくらわせる。
相手がぶっ飛び、木々をなぎ倒していく。そして、起き上がる。
血は出ているが特に骨が折れたとかはない。
「化け物かよ」
「イイケリダッタヨ、アレハイタカッタ。」
「はぁ、あれ一応アルタイルの質量とかを足に込めてたんだけどね」
「コッチノバン」
相手が刀を片手に持ち、刀を振り回しながら攻めてくる。相手が間合いを一瞬で詰めてくると、刀を支柱にして、バカみたいに重い回し蹴りを入れてきた。
「グッ！？」
あばら骨が折れる。痛い痛い痛い。やっぱバケモンだ
でも勝てるかもしれないチャンスがある。
相手の隙を突く。
相手は今後ろの警戒をしていない。つまりもういっかいさっきのをおみまいする事ができるってこと。
一応ダメージ自体は少なくとも入ってる。
相手の後ろにさっきのようにまわる。
蹴りを入れようとした。だがやめた。
ありえない。
読んだのか？僕の動きを。あの速度なのに？
こっちに向かって刀が振り下ろされている。後ろにまわったはずなのに。
慌てて避ける。
だが翼に刺さる。体全体が麻痺してくる。
「やっぱサソリだわ」
毒を食らった。どんどん体が動かしずらくなってくる。
これはまずい。もう勝てない。飛べない鷹はただの敗北者。
最後の力を振り絞って逃げる。方角なんてわからない。死にたくない。だから逃げる。

随分逃げた気がする。もう動けない。ここがどこだかわからない。あいつはまだいない。　前に走る人影。助けを呼ぶ。
「おーい、助けてくれぇ。お願い、動けないの」
こっちを見てくるその人影をよーくみてみる。
それは　美羅　星輝だった。