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なんと!!
 夢 小 説 で す 。 
みなさんが人外になった我が家の奴らになぜか気に入られてわちゃわちゃする話です。
暴力・暴言・その他諸々の表現を含みます。
ちなみに主人公は一応僕の代理(女)です。何気に初出。
一応のデフォ設定は名前が「星海 宙流(ほしうみ そらる)」、一人称が「ボク」となっています。
…が、特に気にせず好きな名前でお進み下さい。
でも苗字はシステムの都合上固定です。ごめんなさいね。
あ、夢小説ではありますが恋愛要素は少なめです。

この小説は夢小説です。
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クセの強い人外達は今日も学生寮に入り浸るようです。

#8

TAKE.6.女子大生は起死回生のチャンスを窺うようです。

「雇う、ねぇ……そりゃまた、急に何でです?というか、そもそも何を支払う気で?」

 さっきまでと同一人物とは思えない、あるいは綿菓子か何かのような、そんな軽やかな声が薄暗い部屋に響く。
 この声を上げているのは誰かって?

 そう、彼こと、楼 視信さんです。
 ……まぁ、そんな呑気なコト言ってるヒマなんて無いんですけどね!!

「…血、です。理由はよく分かりませんが、気に入ったんでしょう?」

 『代わりに、対怪異専門のボディーガードを引き受けて貰えないかな、と。』
 そう言いながらもスマホを足でがっしり引き寄せて、何かあればすぐにでも連絡が取れる体制を取っているので、カッコ悪いことこの上ないが。

 それでも、世界一締まらない決め台詞でも……
 ○○だけで、何とかするしかない。

「何となく、ですが。 ……あなたはリスクを許容しないヒトなのかな、と、思ったので。」

 遊び相手ばっかりで本命はいない。
 誘ったカフェだって、ほぼ無人だった。

 極め付けは、本当に一ノ瀬さんが来てくれるか分からなくても警戒するあの姿勢。

 最小のリスクで最大の利益を獲りに行く……このヒトはきっと、そういう生き方のヒトだ。

「……なるほどねぇ。いやぁお見事っすわぁ、この短時間でそこまで言い当てますか。」

 ニンマリと笑った彼は、○○の手首にそっと手を掛ける。そしてそのまま、長い爪でスパッと縄を裂いた。

 あー痛かった。うっわ、くっきりミミズが這ったみたいな跡残ってるし。……ホント、今からでも蹴り飛ばしてやろうか。

 そう思ってジッと睨むと、「怖い怖い」と言って肩を竦める楼さん。もうすっかり今朝と同じ調子だ。

「それじゃ詳しい内容はまた今度、第三者がいる時にしますかねぇ。」
「そうして貰えると○○も助かります。もう言いくるめるのはしばらく勘弁してほしい……」
「おやおやぁ、言いくるめる気マンマンで?コレは僕も気合い入れなきゃいけませんねぇ。」

 うーん、やっぱ目が怖いなこのヒト。けど少なくとも「完全な未知」じゃないし、最初みたいな底知れなさはあまり感じないかもしれん。
 命を賭けたやり取りでうまれる友情ってのはこーゆーモンなんだろうか。
 ……いや、うん。多分なんか違う気がするけど、まぁいっか。
 あー疲れた!!!ホントもう金輪際やりたくねー!!!

「んじゃ、大学まで送りますよ。ホラホラぁ、立って立って。」

 そう言って楼さんが手を差し出す。窓がない部屋独特の薄暗さでよく表情は分からないけど、やっぱり笑っているように見えた。
 ……ん?待てよ?

「……そう言えば、今何時なんです?」

 窓も時計も気にする余裕も無かった今までは気づかなかったけど、どれぐらい時間経ってるんだろうか……分からん。

「んー……まぁ多分五限目くらいですかねぇ。」
「な…なんってコトしてくれたんですかこのやろー!!!」

 あーもうぐっだぐだ、おまけにめっちゃくちゃだよ!!!何だってんだよ、○○がナニしたって言うんだよ!!!
 なんで開始一週間で授業休まなきゃ行けないんだよ!!!あーしかも好きな授業じゃん!!!あの銀髪の教授と関西弁の準教授のやりとり結構好きなのに!!!

「なんか怪異パワー的なので大学までパッと送って下さい!!!お願いします!!!」
「……ソコまで必死になります? まぁそもそも、僕じゃそんなコト出来ませんけど。」

 なんでちょっと引いてるんだよ、と思いつつ、寝たままの○○を抱えて街を歩くワケにもいかないだろうし何かはあるんですよね?と、一縷の望みをかけて聞いてみる。

「え、ソレですか?認識阻害掛けてバッグだと思わせて、フツーに歩いてココまで来ましたぜ。」

 ……何で変なトコ庶民的なんですか!!!ソコはその羽で飛ぶとかして下さいよ!!!あなたヴァンパイアでしょう!!!

「いやいやぁ、まぁ飛べますけどね?人一人抱えて飛ぶのもケッコー難易度高いんですわぁ。」
「……認識阻害の方が難しそうな気がするのは気のせいなんです?」
「ソレは僕の特技なんでねぇ。と言うか、なんでそんなに大学なんて気にしてるんです?出席は取れてますぜ?」

 ……は?いやいやいや、○○がココにいるのに出席が取れてるワケないだろ。
 何言ってんだこのヒト、もしや怪異ってこーゆー話が通じないの標準装備?いやいやいや、まさか……ね。

「手が空いてるドッペルゲンガーの知り合いがいたんでねぇ。ソイツに頼みましたわぁ。」
「何やってんですか!!!」

 思いっきり乗っ取る気じゃねーか。あーそうかアリバイか!!!

「けどソイツ頭もイイですし、今日一日ぐらいサボってもよくありません?それに、一年の内容ぐらいなら僕が教えられますし?」
「全く良くないです今すぐ連絡してなんとかして下さい!!!」

 バッグを引っ掴んでドアに向かう。うぐ、やっぱ縄の跡が痛い……

「へいへい。っと、その前に。」

 楼さんがパチリと指を鳴らす。ガチャリ、と音がする。これでようやく一息がつける、あとはドアを開くだけ……



 ……ひら…………



 あれ?開かない。



 頭が真っ白になる。
















 交渉は__失敗していた?

 じゃあ原因はなんだ?ここからどうすればいい?読み違えたのか?いや違う、そもそも逃がす気が無かった?だとするならどうすれば良い?もうどうしようもないのか?違う、つまり、だから__。

 ____分からない。

 その結論が出るまで、そう長くは掛からなかった。
 張り詰めていた緊張の糸は、鍵の音がした途端に切れてしまったらしい。先ほどまでと違って、思考がうまく回らない。



 あ、だめだ。

 怖い。

 つい、そう思ってしまった。

 怖い怖い怖い怖い怖いこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわい__ただそれだけで、あっという間に思考が塗り潰される。

 刹那の逡巡とパニックが、致命的な行動の遅れをもたらした。

「いやいやぁ、まさかココまでパニック起こすとは思ってもみませんでしたわぁ。」
「っ……離、して、下さ、ぃ……」

 目の前に立っているのは、あいもかわらずぴかぴかとひかるアメジストの目のヒト。

 吊り上がるような笑顔でドアの前の空間を塞ぎ、ガッシリと○○の腕を掴んでいる。

 もはや抵抗する気力すらも起きない。「もうだめだ」と、心の奥底から声が聞こえる。

「んー、僕ってばさっき言いましたっけ?恐怖で震えた、ちょっと苦い血の方が好みだって。」

 馴れ合って安心し切った血だと甘すぎて嫌いなんですよねぇ、と、今までと変わらない……むしろ人を落ち着かせるような優しい声音で囁く。
 だが言ってるコトはちっとも優しくないし、爪はギリギリと縄の跡に食い込んで痛いし、裂けたような笑顔は相変わらずだ。

 呼吸が浅くなる。丸めこめた、なんて思っちゃいけなかった。
 やっぱりこのヒトは、理の外を生きるモノ……

「と、言うワケで。夜道には気をつけた方が良いですぜ?」

 そう言うが早いかパッと○○から手を離し、さっきまでの雰囲気なんてなかったかのように朗らかに微笑う。

「…は?」
「ちょっとした脅し…みたいなモンですかねぇ?ホラホラぁ、逃した直後に月ノ瀬さんのトコ駆け込まれちゃメンドーなんで。」
「よく喋りますね。」

 一瞬の静寂。

「だって__アンタには、こっちの方が怖いと思って貰えるでしょう?」

 ……あぁクソ、当たりだよ。
 そう内心で毒付きながら、目だけで開ける様に催促する。視線の先の楼さんは○○の心を知ってか知らずか、相変わらず飄々と肩を竦めていた。

「そんじゃ、今度こそ外にドーゾ? 鍵は今開けますから。」

 楼さんが手を掛けた途端、ギギィと重たい音がしてドアが開く。まるで、鍵なんて最初から掛かっていなかったみたいに。
 階段を登って外に出たソコは、○○のアパートのすぐ近くの歓楽街だった。

「……ちっか。」
「ハハ、確かにしまらねぇモンですねぇ。」
「もしかして、最近のこの辺の誘拐事件って……」
「あー、ソレ僕ですわぁ。」

 やっぱ人外だコイツ!!!ちょっと判断ミスったかもしれない!!!
 なんて内心で頭を抱えても、時すでに遅し。「そんじゃまぁ、コレからヨロシクってコトで。」と言ってニンマリと嗤う楼さんを目の前に、○○は大きくため息を吐いた。


[中央寄せ][大文字]⚠︎  ⚠︎  ⚠︎[/大文字][/中央寄せ]


[明朝体][斜体]「此の度はこの物語を御覧頂き、誠に有難う御座います。
 【歓楽街のヴァンパイア】編は、是にて完結と相成りました。
 ___次回もまた、貴女の人生に幸多からん事を。」[/斜体][/明朝体]



[中央寄せ][大文字]⚠︎  ⚠︎  ⚠︎[/大文字][/中央寄せ]


 あの事件から一か月が経った、五月某日。

「会長さーん!依頼人さんだって!」
「あぁ、火威かい。通して良いよ。それで、今日はどんな要件だい?」
「いやいやぁ、こりゃまたキレーなヒトが来たモンですねぇ。お嬢さん、お名前は?」
「楼。ええ加減にせえへんとどないなるか……いっそ、今すぐ分からせたろか?」
「柚も怖いってば!もう、依頼人さんもビックリしちゃってるじゃん!あ、とりあえず●●ちゃんはお菓子出してきてお菓子!」
「あ、皆さん、お茶を淹れて来まし……って、え、いつの間に……えっと……とりあえず、僕は下がっていますね……」

 またしても○○の平穏な大学生活に試練が訪れる……かも、しれない。

作者メッセージ

と言う訳で第一章、完!です!!
締めを考えるのに時間が掛かってしまいました……
実は第二章はもうざっくりと内容を考えてあるので、早めにお届けできればと思います。

第一章イメージソングはJanne Da Arcより「ヴァンパイア」でした。

2025/07/02 17:26

Ruka(るか) ID:≫ 6plUcmQRaF.2Y
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