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なんと!!
 夢 小 説 で す 。 
みなさんが人外になった我が家の奴らになぜか気に入られてわちゃわちゃする話です。
暴力・暴言・その他諸々の表現を含みます。
ちなみに主人公は一応僕の代理(女)です。何気に初出。
一応のデフォ設定は名前が「星海 宙流(ほしうみ そらる)」、一人称が「ボク」となっています。
…が、特に気にせず好きな名前でお進み下さい。
でも苗字はシステムの都合上固定です。ごめんなさいね。
あ、夢小説ではありますが恋愛要素は少なめです。

この小説は夢小説です。
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クセの強い人外達は今日も学生寮に入り浸るようです。

#7

TAKE.5. 女子大生は銀髪イケメンの正体を知ってしまったようです。

「ん゛ー……やっべ、寝てた……てか、ここドコ!?!?」

 平日真昼間の発言とは思えない、あるいは課題のための徹夜明けか何かのような、そんなクソヤバい声が薄暗い部屋に響く。
 この声を上げているのは誰かって?

 そう、○○こと、星海 ●●です。

 なんて呑気に言ってる場合か○○のバカ!!なんか手ぇ思いっきり縛られてるんだが!?てか動けないし…って、手の縄が柱の先に繋がってんだなハイハイハイ。オーケーオーケー分かりましたよっと。

 …いや、大分ピンチだなコレ!?!?

 てか……マジでなんで○○なんだ?
 ○○ってば、単なる一般人だぞ??
 大して身代金なんて取れんぞ???

 とりま縄痛いし引っ張っても解けんし、コレは暴れてもムダっぽいな、うん。

 ……って、だからなんで呑気なコト言ってんだ○○は!!
 いくら非現実的すぎるからって思考を放棄すんなよバカ!!!

 しゃーなし、もうちょい引っ張ってみるか。
 でもやっぱ縄が結構食い込んで痛いな。犯人見つけたら絶対に蹴り飛ばしてやる。
 まぁ、それもきちんと生きて帰れたらの話だが。うーん、なんとも頼りない。

 なんて相変わらずどこか呑気に考えつつ、後手に縛られたままポケットを探る。

 だが生憎と、ポケットの中にはオカ研の先輩達の電話番号しか入っていなかった。もうスマホには登録してあるから、あっても無くても意味ないな。
 そうだ、スマホが入ったバックは……あ、目の前か。あっちにもめぼしいモノは入れてなかったハズだし、使えるモノは何もなし、と。
 まぁ、よく考えてみりゃハサミとかカッターがこの状況で入ってる方が怖いんだが。

 それでも諦めきれず足を伸ばして肩紐を爪先に引っ掛け、バッグを回収してゴソゴソと探っていると、誰か(この状況じゃ多分誘拐犯)が階段をパタパタと降りてくる音がする。
 しまった、ちょっと騒ぎすぎたか。

「おやおやぁ?案外とお早いお目覚めで。」

 案の定ドアを開けた誘拐犯(仮)は、開口一番そう言った。
 それも今日一日で散々に聞き慣れた、妙なぐらいに色気たっぷりのあの声で。
 いや正直、今がここに来て一番の困惑タイムだわ。

「どうしました、お嬢さん?どういう状況かなんて見れば分か……ってあぁ、アンタは人間でしたっけ。こうも暗くちゃ、良く分からないか。」
「…いいえ、問題ないです。状況も、何となく分かってますし。」

 ひゅ、と息を呑む音が聞こえる。それがどっちの肺から出た音なのかは、○○には分からなかった。

 でも一つ確かに言えるのは、確実にこの場の空気が重くなってるって事。
 なんだか山の上にいるみたいで……空気が薄い、息がしづらい。そんな錯覚すら覚えるほどに。
 それでも○○は直感的に、「ここは引いてはいけないタイミングだ」と、そう思った。

 だから、言った。
 痛いぐらいにピリつく空気を押し除けて、少しばかり無理矢理に、彼の名前を言った。

「だってあなた……楼さん、でしょう?」

 暗闇に慣れてきた目が、アメジストのようなぴかぴかとした光を捉えた。
 朝と同じで鋭いタテの瞳孔が、真っ直ぐに○○を射抜いている。だが朝とは違って、楼さんの体からは人間では到底あり得ない部位…黒色の羽と尻尾が、直接生えている。
 信じられないぐらいに、キレイなヒトだった。
 だが、その美しい瞳をよく見てしまうと、また朝のあの魅入られたような状態になるだろう……そう感じて、咄嗟に目を閉じた。

 それに付随して、更に感覚が鋭敏になっていく。音と雰囲気だけで、楼さんがこちらに向かって歩いてくるのが分かる。ちょうど今、目の前にしゃがみ込まれた。

「……ご名答。で、アンタこれからどうする気です?思いっきり縛られてますけど。」

 するり、と頬を撫でられると、ざわり、と肌が粟立つ。身を震わせるのは、きっと根源的な恐怖だろう。
 あぁ間違いない、この人は○○の一番嫌いな、怪異とか妖とか、そういう類の……人の理の外に生きるモノだ。

 怖い、嫌だ、気持ち悪い。正直言って、今すぐ泣いて暴れて何もかもぐちゃぐちゃにしてしまいたい。

 だが、○○が今ココで泣き喚いても、事態はどうにもならない。いやそれ以前に、きっと泣き喚くコトすらできないだろう。
 多分それは、目の前の美しいヒトに許されていないのだ。
 そんな感覚のまま、苦し紛れに口を開く。せめてもの抵抗として弱みだけは見せまいと、強気に呵うコトにした。

「こっちが聞きたいですね、ソレは。楼さんはなんでわざわざ、○○なんかを誘拐したんですか?」

 ソレを口に出した途端、楼さんはピタリと止まった。多分すごい顔してそうだな、目ぇ瞑ってるから分からないが。

「おっと、ソレ聞いちゃいます?アンタはてっきり、僕みたいなのはお嫌いだとばかり。」
「あー…やっぱ人外なんですね。分かりましたもう良いです。」

 早々に理解を諦めてそう言うと、楼さんはケタケタと笑い出した。今までのようなニンマリしたチェシャ猫のような笑みじゃなく、もっと自然体の、心からの笑顔……そんな気がする。
 まぁ、目は閉じてるんで見えないんですがね!!

「まぁまぁ、アンタもそう言わずに。理由だって答えますよ。」

 そうヘラヘラと言う楼さんが、またしても○○の頬を、首元を、ゆるゆると撫で回す。やっぱり、収まったハズの鳥肌が立つ。

「僕ぁね、アンタを喰おうと思って。」

 珍しいんですよねぇ、魅了掛からない人間って…だとか、朝からなんか美味そうな匂いしてましたし…だとか、とにかく…うん、どちらかと言えば物理的にペロッと頂かれそうな内容を歌うように言う楼さん。怖い。

 次の瞬間、肩の辺りにチクリとした痛みを感じた。多分、爪だ。しかも尖ってる。ソレこそ、人間じゃあり得ないぐらいに。

「ホラホラぁ。声、あげても構いませんけど。」
「…っ、ぐぁ……」

 楼さんの爪は尚も、無慈悲にグリグリと肩を抉ってくる。
 痛みで呼吸が浅くなる。

 痛い、痛い、痛い。

 ソレでも根性で目を閉じて、痛みに耐える。
 たらり、と何かが落ちる生ぬるい感覚と、むせかえるような鉄錆臭い匂い。
 血が出た…そう認識したのも束の間、べろり、とソレを舐められる。

「はぁ!?!?」
「そんな大声出さなくても良いじゃないですか。今のが攫った理由ですよ? なんせ僕は……」

 飄々と、淡々と、○○の血が目的だと言い切る楼さん。時が止まったようにも感じられる、一瞬の静寂。

「ヴァンパイア、ですから。」

 やはり、と言うか何と言うか、想像通りではあった。

 だが現実に、目の前に、当然のようにいられるとどう反応していいかも分からず、脳が処理落ちで停止する。
 カチンコチンに固まった○○をよそに、もう一度楼さんは首筋に食い付いた。

「やっぱ思ってた通り…いや、想像以上っすわぁ。苦くて甘くて、本当堪んねぇ。」
「…そりゃドーモ。離して貰えると、もっと嬉しいんですが。」
「いやいやぁ、ソイツは出来ねぇ相談ってモンでしょ。そもそもアンタの都合なんて聞いてませんし。」

 うわ、最悪だコイツ。
 しかもくっっっっっそ痛いな。マジで信じらんないぐらい痛い。
 しかもさっきから当たってる犬歯っつーか……いや、牙だなコレ……が、とにかく痛い。あぁクソ、傷口を舌で広げるな。シンプルクソが。イケメンなら何しても良いと思うなよ。
 反撃できるモノ……いや、今の状況なら師匠直伝の蹴りを喰らわせて……ダメだ、この縄が解けない。何か、何かないのか。

 あぁそうだ、まだアレを試してなかったじゃないか。賭けにはなるが…多分、やらないよりは多少マシ。

 閉じていた目をようやく開いて、真横のバッグを足で蹴倒す。カラン、とスマホが転がり出した。
 そしてスマホは○○のFace IDを当たり前のように読み込んで、ホーム画面へ。

「おやおやぁ、何する気です?十字架の画像か何かでも出すおつもりで?」

 でも手、縛られてますけど?なんて嘯く、余裕の表情の楼さん。
 あぁやっぱムカつくな、けど……

「ヘイSiri、“月ノ瀬 柚”に電……」
「っっとストップぅ!?ちょ、アンタ、何してくれてんですか!?!?」

 大声でスマホに指示を出した途端、余裕の表情はどこへやらぎょっと目をひん剥いて叫ばれた。そのまま口を手で塞がれるが、仕方ないので噛みついてやった。突然の反撃で不意を突かれたのか、なんだかマヌケな声を出して楼さんがよろめく。
 まぁこのヒト、ずっと○○の前にしゃがみ込んでたワケだしな。ホント何やってんだ。
 だがまぁ、こっちも(内心で)叫んでおこう。ビンゴぉ!!イェーイ!!!
 正直言って踊り出したい、手さえ縛られてなければだが。

 あぁ、一応説明すると。ラッキーなコトに、「楼さんは月ノ瀬さんに逆らえない」って○○の予想が、ちゃんと当たってたらしいってコト。いやぁ、コレ外してたら大惨事だった。

「いつの間に登録……てか、何でこのお嬢さんは的確にクリティカルを……」

 なんか足元で楼さんが頭抱えて蹲ってるがまぁよし。
 どういうワケだか理由も分からないし、このヒトがこんなに怯えてるってコトは多分月ノ瀬さんも人外ってコトになるが……
 まぁ、そんなのは今はいい。いや、「そんなの」として流しちゃいけない気もするがひとまず置いておく。
 コレは多分、深く考えたらいけないヤツだ。

 とりあえず危機脱出!!ヒャッハー!!……っと、それはさておき。

 一つだけ深呼吸をして、キッと正面を見る。目の前にあるのは、やっぱりキレイなアメジスト。
 圧倒的な、暴力的なまでの「美」に魅入られる。思考回路が奪われる。
 ここまでは今朝と同じ……だが、今はそんなコトに気を取られている場合じゃない。

 脳裏に思い浮かべるのは、唯一絶対の○○の推し。……よし、あの人以上に○○の好みの顔は無い。つまりこの勝負、勝ったも同然。
 ……まぁ、とは言えやっぱキレイなモンはキレイなんで、手に食い込む縄の痛みで意識を保つしか無いワケだが。

「話をしませんか、楼さん。今はもう、あなたが絶対的な優位ってワケじゃないでしょう。」

 平常心、平常心。できる限り、いつもの顔で。さっきの揺さぶりが効いてるこの隙に、どうにか交渉を成功させないとな。

 結局の所あっちは人外で、こっちは無力な一般人。弁舌でどうにかして負かさないと、[漢字]○○[/漢字][ふりがな]ニンゲン[/ふりがな]に勝ち目なんてない。

「……まぁ、仕方ありませんか。」

 掛かった。が、危ない橋ばっかでとてもとても心臓が痛い。

「で? アンタを解放しろ、と?」
「いいや、違います。」

 間違えてはいけない選択。間違えられない選択。焦りがジワジワと体を蝕んで、あぁクソ、思考が纏まらない。
 だが…だが。

 ここで、終わってたまるかよ!

 深呼吸を一つして、再び真っ直ぐに楼さんの目を見る。いいや、いっそ睨んでやる。闇の中で少し、楼さんが怯んだように見えた。
 例え余裕なんてなくっても、フリとハッタリで乗り切れる!!

「あなた、○○に雇われる気はありませんか?」

 その途端、重圧が一気に消え失せた。

作者メッセージ

ハイ、続きます。主人公の師匠って何なんでしょうね。きっと背の高い女性です。

ちなみに、実は僕も読んでいる「悪運女子大生が怪異という最悪の不運に見舞われる話」に倣うと選択肢をミスった場合のバッドエンドが存在するワケですが……
今回あり得たのは眷属化エンド、失血死エンド(バッド)、失血死エンド(メリバ)の三つです。

気に入られすぎると眷属化、全く気に入られないと失血死(バッド)、主人公が堕ちれば失血死(メリバ)となっておりました。怖い怖い。

2025/05/31 10:28

Ruka(るか) ID:≫ 6plUcmQRaF.2Y
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