[大文字]昼[/大文字]
うぅ、話題についていけない……
今私は、陽キャ女子のグループに混ざってお母さんの作ってくれたお弁当を食べている。
話題があの先生がイケメンだ〜とか、最近の流行りは〜だとかだから、全っ然わからない。
私、休日は基本的に赤い[漢字]袴[/漢字][ふりがな][/ふりがな]に白の着物の[漢字]巫女装束[/漢字][ふりがな]みこしょうぞく[/ふりがな]なんだよな〜
つまり言うと、服装を気にしたことがない。
ちなみに千歳は普〜通に話していた。
そういえばよく「いっしょにギオンモール行こ〜！」と誘ってくれているし、たまにうちに遊びにくる時の私服はとても今どきだ。
ぶつぶつ考え事をしていると「椛ちゃんはどう思う〜？」と話題を振られた。
「え？あぁ〜いいと思うよ〜（汗）」
…ぐっ、適度に話は聞いておかないとだめだな。
「椛さん、話、聞いていはります?」
あがり調子の京都弁でその女の子は聞いてきた。
確か名前は[太字][漢字]瑠璃川瑞穂[/漢字][ふりがな]るりかわみずほ[/ふりがな][/太字]。
すごい家と名前だから覚えている。
家が代々医師やら弁護士やら国会議員やらで、ここら辺では有名だ。
さあーて、この鋭い指摘にどう返したものか。

[水平線]
「それでな、五条！」
今俺はこの男ｰｰｰｰｰ[太字][漢字]遊馬颯真[/漢字][ふりがな]あすまそうま[/ふりがな][/太字]に連れられて男子の輪に入っている。
…と言っても俺、ほぼ話していないけどな。
「あぁ、それで？」適当に返す。
「それでな、ｰｰｰでｰｰｰがｰｰｰ」
男子とは、どの時代も単純なもので人情に厚い。
ここの奴らがそうなだけかもしれないが、俺がすんなり受け入れられているのが証拠だ。
俺はあまり人付き合いが上手くない。
いままでほとんど同年代の奴らとつるんだ経験がない。
いつも周りにいたのはもっと歳をとった老人どもだった。
[漢字]同級生[/漢字][ふりがな]クラスメイト[/ふりがな]ってこんななんだな。
しみじみとそう思いながら俺はばぁやが作ってくれた弁当を食べた。