光る短冊は戦国!?
「えーと…、あなたは誰ですカ?」
「この訛りは、異国人? 服装も…。これは失礼した。私は立花宗茂。そなたは?」
「え」
(この人が、立花…宗茂!?)
つまり、ここは。
「戦国時代───っ!!!???」
「どういたしたのだ?」
「あ、いえ、すみませんっ! 私の名は───」
(本名を名乗るべき? …いいえ、私の名はこの時代らしくない)
「私は、[漢字]織[/漢字][ふりがな]おり[/ふりがな]。そう、高岩 織です!」
「織か。そなた、どこから来たのだ? 名は、我が国の名のようだが」
「…それは、立花山城にてお話しさせていただきます」
「うむ、わかった」
「む、宗茂様! [漢字]誾千代[/漢字][ふりがな]ぎんちよ[/ふりがな]さまが…!」
伝令兵が駆けてきました。
「ぎ、誾千代がどういたしたのだっ!?」
(取り乱しとーなー、これ(取り乱してるなー、これ))
ただ問題は。
(誾千代って誰だっけ)
これは、自称『歴女』にとって、大惨事だ。
すると、宗茂が振り返り、こう言いました。
「とりあえず城へ向かう。織もついてきてくれ」
「はい」
立花山城───
「誾千代! 誾千代!」
(息子か娘? …いや)
これだけ心配するということはお世継ぎかな、と思っていますと、とある部屋に辿り着きました。
[太字][大文字][大文字]「誾千代!」[/大文字][/大文字][/太字]
[太字][大文字][大文字] パアン[/大文字][/大文字][/太字]
宗茂が誾千代を呼ぶ声と閉まった襖を勢いよく開ける音が重なり合って、鼓膜が破れそうです。
ふさいだ耳を開き、つむった目を開けますと、そこには、見目麗しい女性がいました。
[太字][明朝体][大文字]「うるさい」[/大文字][/明朝体][/太字]
それが、見目麗しい女性が私に最初に言った言葉でした。
「裏切り者が。養子入りしておいて、婿入りしておいて! 父上の遺言を蔑ろにするのか!」
「誾…」
(あ、この人が誾千代さんね)
養子入り、婿入りしているということは、ある人の息子になるということ。
(きっと、宗茂は誾千代の旦那になったんだな。じゃー、誾千代って妻じゃん)
この時代、夫に尽くすのが妻だとされてきました。
しかし、この場面を切り取って見ると、宗茂より、妻である誾千代の方が立場がずっと上に見えます。
「誾、俺は言ったはずだ。吉見岳の麓は敵地。敵地に[漢字]養父上[/漢字][ふりがな]ちちうえ[/ふりがな]の亡骸を、いくら遺言でも埋めることはできぬ」
「では、何処に埋める気だ?」
誾千代はまるで狼のようで、返答によれば、すぐさま食いつかんばかりの形相です。
宗茂はうつむき考え、そして、キッと顔を上げて言った。
「…立花山城に引き取る気だ」
「父上を? この城に?」
「そうだ」
「…それなら、仕方ないな。引き受けよう」
「誾千代はな、父親愛が強いのだ」
(あ───、それ私に言われてもねえ。誾千代さま、怖いよ?)
顔の横に星をキランと出して話す宗茂の後ろには、顔を鬼にした誾千代さまがいつもいらっしゃったのでございます。
「この訛りは、異国人? 服装も…。これは失礼した。私は立花宗茂。そなたは?」
「え」
(この人が、立花…宗茂!?)
つまり、ここは。
「戦国時代───っ!!!???」
「どういたしたのだ?」
「あ、いえ、すみませんっ! 私の名は───」
(本名を名乗るべき? …いいえ、私の名はこの時代らしくない)
「私は、[漢字]織[/漢字][ふりがな]おり[/ふりがな]。そう、高岩 織です!」
「織か。そなた、どこから来たのだ? 名は、我が国の名のようだが」
「…それは、立花山城にてお話しさせていただきます」
「うむ、わかった」
「む、宗茂様! [漢字]誾千代[/漢字][ふりがな]ぎんちよ[/ふりがな]さまが…!」
伝令兵が駆けてきました。
「ぎ、誾千代がどういたしたのだっ!?」
(取り乱しとーなー、これ(取り乱してるなー、これ))
ただ問題は。
(誾千代って誰だっけ)
これは、自称『歴女』にとって、大惨事だ。
すると、宗茂が振り返り、こう言いました。
「とりあえず城へ向かう。織もついてきてくれ」
「はい」
立花山城───
「誾千代! 誾千代!」
(息子か娘? …いや)
これだけ心配するということはお世継ぎかな、と思っていますと、とある部屋に辿り着きました。
[太字][大文字][大文字]「誾千代!」[/大文字][/大文字][/太字]
[太字][大文字][大文字] パアン[/大文字][/大文字][/太字]
宗茂が誾千代を呼ぶ声と閉まった襖を勢いよく開ける音が重なり合って、鼓膜が破れそうです。
ふさいだ耳を開き、つむった目を開けますと、そこには、見目麗しい女性がいました。
[太字][明朝体][大文字]「うるさい」[/大文字][/明朝体][/太字]
それが、見目麗しい女性が私に最初に言った言葉でした。
「裏切り者が。養子入りしておいて、婿入りしておいて! 父上の遺言を蔑ろにするのか!」
「誾…」
(あ、この人が誾千代さんね)
養子入り、婿入りしているということは、ある人の息子になるということ。
(きっと、宗茂は誾千代の旦那になったんだな。じゃー、誾千代って妻じゃん)
この時代、夫に尽くすのが妻だとされてきました。
しかし、この場面を切り取って見ると、宗茂より、妻である誾千代の方が立場がずっと上に見えます。
「誾、俺は言ったはずだ。吉見岳の麓は敵地。敵地に[漢字]養父上[/漢字][ふりがな]ちちうえ[/ふりがな]の亡骸を、いくら遺言でも埋めることはできぬ」
「では、何処に埋める気だ?」
誾千代はまるで狼のようで、返答によれば、すぐさま食いつかんばかりの形相です。
宗茂はうつむき考え、そして、キッと顔を上げて言った。
「…立花山城に引き取る気だ」
「父上を? この城に?」
「そうだ」
「…それなら、仕方ないな。引き受けよう」
「誾千代はな、父親愛が強いのだ」
(あ───、それ私に言われてもねえ。誾千代さま、怖いよ?)
顔の横に星をキランと出して話す宗茂の後ろには、顔を鬼にした誾千代さまがいつもいらっしゃったのでございます。