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想い、気づかないで

#3


ーーーーーーー

「昔、元カレがいて」
「うん」
「その元カレにDVされてたんです」

お酒を飲むと、缶は空になっていた。
「缶、同じのもう一本ください」
「ん」

先輩が冷蔵庫から取ってきてくれたお酒を片手にまた話し出す。
こんな女のしょうもない話を聞いてくれるのは先輩しかいない。
女友達はいるけど、みんな見栄張ることしか意識してないから話せないのだ。

「向こうから告白してきたのに、『可愛げがない』『冷めた』って言われて」
「暴力振るわれて」
「挙句の果てには浮気されて」

お酒を胃に流し込む。

「ちょっと飲むペース早くない?」
たしかに、先輩の家に来てから30分しか経ってないのに、もう5本も飲んでしまっていた。

「酔っ払いたい気分なんですよ」
「明日大学あるんじゃないの」

うっ、正論。

「なんか文句ありますか!?」

やってしまった、と思った時にはもう遅い。
逆ギレして、雰囲気を壊してしまった。
先輩に引かれただろうなぁ。

「こんなんだから、可愛げがないって言われるのに」

思わず、ははは、と乾いた笑いがこぼれる。
笑っているのに、自分の心が冷え切っていく感覚がする。

やばい、自分で言っておいて結構ダメージが大きい。
情緒がおかしくなって、泣きそうだ。

「泣かないで」
「そんなことないと思うよ」
「!」
「あり、がとう、ございます」

溢れた涙がポロポロと落ちていく。
先輩はいつも私の欲しい言葉をくれる。
だから、話したくなる。

「話、つづ、けていい、ですか?」
「泣き止んだらね」
「がんば、って、泣きやみ、ます!」

先輩は私が泣き止むまで、ずっと頭を撫で続けてくれた。
それが、すごく心地よくて、嬉しかった。
ーーーーーーー

作者メッセージ

最後まで見ていただきありがとうございます!
今後もよろしくお願いします(*'▽'*)

2024/02/04 12:27

七瀬ゆら ID:≫1pxV5HuCMHiIE
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