ぬいぐるみ事変
結論から言うと、リラルの逃亡は大失敗し(結局、館林に即捕まった)、糸由は先生たちにボッコボコに怒られた(校長先生と副校長先生に)。だが、良いことがあったとすれば先生たちが「これ以上騒ぎを起こすのは面倒なので」とリケラを返してくれたことだ。
「糸由、大丈夫だった?」
怒られた部屋をあとにした彼女にそう声をかけてくれたのは、[漢字]木本[/漢字][ふりがな]きもと[/ふりがな]さん。彼女は学級委員で学年一賢い。糸由は彼女と児童館からの幼なじみなのだ。
「まあね。ただ…先生たちがリケラを返してくれてね、ほら。どう扱えば良いんだろう?」
糸由はリケラを指差しながら皮肉を込めて言う。リケラはゆっくり尻尾を振りながら、真っ黒な瞳で彼女を見つめている。
「わあ、本当だ。大変だね。でも、本当に動いてる!噂には聞いていたけど…!」
木本さんはとても心配そうに言ったあとに、目をキラキラさせてリケラを眺めた。確かに、普段絶対に動くはずのないものが動いていると、興奮する。
「ねえ、もう部屋に戻らなきゃ」
糸由がそう言うと、木本さんはすごく残念そうにしたあとバイバイ、と言って自分の部屋に帰っていった。糸由はそれを見届けたあと、自分の部屋へ歩き始める。そのすぐ後ろをリケラがくっつく。ポ◯モンとかもこんな感じなのかなあ。糸由は考える。だとしたら、だとしたらこれからいろいろと、凄いことになりそうだ。
部屋に戻ると、布団がもう敷いてあった。同じ部屋の人が敷いてくれたみたいだ。歯を磨いて、布団に潜ろうとすると先客が居た。
(いっつも一緒にこうやって寝ていたからなあ)
彼女は薄く笑うと、布団に潜って深い眠りに落ちた。
「糸由、大丈夫だった?」
怒られた部屋をあとにした彼女にそう声をかけてくれたのは、[漢字]木本[/漢字][ふりがな]きもと[/ふりがな]さん。彼女は学級委員で学年一賢い。糸由は彼女と児童館からの幼なじみなのだ。
「まあね。ただ…先生たちがリケラを返してくれてね、ほら。どう扱えば良いんだろう?」
糸由はリケラを指差しながら皮肉を込めて言う。リケラはゆっくり尻尾を振りながら、真っ黒な瞳で彼女を見つめている。
「わあ、本当だ。大変だね。でも、本当に動いてる!噂には聞いていたけど…!」
木本さんはとても心配そうに言ったあとに、目をキラキラさせてリケラを眺めた。確かに、普段絶対に動くはずのないものが動いていると、興奮する。
「ねえ、もう部屋に戻らなきゃ」
糸由がそう言うと、木本さんはすごく残念そうにしたあとバイバイ、と言って自分の部屋に帰っていった。糸由はそれを見届けたあと、自分の部屋へ歩き始める。そのすぐ後ろをリケラがくっつく。ポ◯モンとかもこんな感じなのかなあ。糸由は考える。だとしたら、だとしたらこれからいろいろと、凄いことになりそうだ。
部屋に戻ると、布団がもう敷いてあった。同じ部屋の人が敷いてくれたみたいだ。歯を磨いて、布団に潜ろうとすると先客が居た。
(いっつも一緒にこうやって寝ていたからなあ)
彼女は薄く笑うと、布団に潜って深い眠りに落ちた。