ぬいぐるみ事変
「それで?」
気を取り直した大谷先生が仁王立ちで目の前にいる。
「いや、気がついたら居たんですよ。なんかカバンが動いているな、と思い開けたらこれです。だいたい、私が聞きたいですよ」
彼女は自分の膝の上に逃げていたリケラの首根っこを掴んで持ち上げた。リケラがジタバタする。先生がズレた眼鏡を直して、じっと見た。
「ロボット…ではなさそうだね。」
「大谷先生、どうしたのですか?」
じっと観察していた先生に声をかけたのは、校長先生だ。ああ終わった、と思う反面、1組だったことを呪う。
「校長先生、見てください。伊野さんが持ってきていたのです」
糸由は仕方がなく、ジタバタしているリケラを校長先生に見せる。
「ぬいぐるみが…動いている…!」
そりゃ驚くでしょうよ、と糸由は心の中で思う。
「これは、どうしましょう」
「物なら没収する決まりですが、これは物でしょうか」
「うーん」
先生たちは相当頭を悩ませているようだ。
「一旦、預かりますね」
考え抜いた案がそれかよ、と思ったが、有無を言わさない口調だったのでおとなしく渡す。大谷先生が預かることになったようだ。先生たちは自席へ戻っていった。
気を取り直した大谷先生が仁王立ちで目の前にいる。
「いや、気がついたら居たんですよ。なんかカバンが動いているな、と思い開けたらこれです。だいたい、私が聞きたいですよ」
彼女は自分の膝の上に逃げていたリケラの首根っこを掴んで持ち上げた。リケラがジタバタする。先生がズレた眼鏡を直して、じっと見た。
「ロボット…ではなさそうだね。」
「大谷先生、どうしたのですか?」
じっと観察していた先生に声をかけたのは、校長先生だ。ああ終わった、と思う反面、1組だったことを呪う。
「校長先生、見てください。伊野さんが持ってきていたのです」
糸由は仕方がなく、ジタバタしているリケラを校長先生に見せる。
「ぬいぐるみが…動いている…!」
そりゃ驚くでしょうよ、と糸由は心の中で思う。
「これは、どうしましょう」
「物なら没収する決まりですが、これは物でしょうか」
「うーん」
先生たちは相当頭を悩ませているようだ。
「一旦、預かりますね」
考え抜いた案がそれかよ、と思ったが、有無を言わさない口調だったのでおとなしく渡す。大谷先生が預かることになったようだ。先生たちは自席へ戻っていった。