人外ダンスホール!
疲れた。目も心も全部。図書館で人外に出会って殺されそうになって、挙句また人外と会いに行くとか思いついたわたしとかいう馬鹿に殴り掛かりたいね。
……まあ、正直なところ後悔はしていない。柚さんとカノさんの人外ドリームマッチ、めちゃくちゃに見てみたい。カノさんはセクハラまがいの事をしそうだが…柚さんは容赦ないタイプのヒト…じゃない人外だから大丈夫だろう。
「こんにちは、柚さん。ちょっとお話に来ました。」
「あ、風化ちゃん! 元気してたっ?」と明るく少女らしい声色で笑う。人外だという事を除けば、可愛らしいどこにでもいるような少女なのに。
「…というか、なんですかそれ。元人間ですか?」
「うん、そう! 後で捨てるんだ!」
さらっと殺戮現場を見てしまった。ヤバい。人間がただの肉塊になるとこんなにも不快感がものすごいんだなと思う。わぁでも凄い……スプラッター映画もびっくりのリアリティ。いや本物なんだから当たり前か。
「それで、お話ってなに?」
あー肉塊に意識をすっかり奪われてしまっていた。風化ちゃんやらかしちゃった、てへぺろ。
「えっと…とある方が貴方に会いたい、と言っていてですね……それの許可を貰いに来ました。」
「へぇ、それって誰?」
「同じ…怪異なんですが。」
わたしは柚さんに彼がどんな人間、いやどんな怪異なのかの説明を始めた。怪異同士気が合わず、殴り合い殺し合いの大惨事……なんて事になりかねないからである。
そもそもカノさん自体、大分人を選ぶ性格だ。彼の事を苦手だと思う人間も怪異もいるだろう。柚さんはとても人間らしい。人外という言葉が相応しいアイツには合わない可能性がある。
「…で。こんな人なんですが……柚さん的には、どうですか。」
「面白そうじゃん! 会いたいな!」
流石人外、カノさんぐらい危ない奴はどこにでもいるという事だろうか。
「じゃあ、カノさん。どうぞ。」
「こんにちは。柚くん…だったね? ワタシはカノ。お見知りおきを。」
そう、なぜかカノさんは着いてきていた。恐らく、小説のネタになるだかなんだかでやってきてしまったのだろう。それにしても遭遇が早い。もう少し余韻が欲しい。
なんでいきなりポ〇モンみたいになるんだ、草むらに入った瞬間エンカウント以上だぞ。どっちも手持ちではないけど。というかどっちも相棒になったところで手に余るわ!!
「へー! 君がカノくんかぁ……凄いねコレ! 羊皮紙…かな?」
羊皮紙の顔をいじくりまわす柚さん。カノさんは流されるままである。スタイルのいい美人の十六歳(外見)が可愛らしい少年十四歳(外見)を弄んでいる、なんだこれは。
これが漫画だったのならば恋か何かに発展していたのだろうが、生憎どっちも人外な挙句、乙女らしい柚さんはともかくカノさんは恋愛感情というものがあるかすら怪しい。あの性格で恋とかいう可愛い感情持ってたら逆にもっと怖い。人間味ある方がなんかヤダ。
「ああそうさ、一応文字も書かれているんだよ?」
なんかいい感じになってる。相性がいい、というよりかは、柚さんのコミュニケーション能力が高いおかげだろう。
「そうなんだー! へー!」
柚さんもカノさんに負けず劣らず好奇心旺盛である。少々好奇心の性質が異なっているが。
「……えーーと、カノさん、どうですか。気に入りましたか?」
「そうだね……充分に探究心は満たすことが出来たよ。完璧だ!」
…柚さんもまんざらではなさそうである。なんだか恐ろしいもの×恐ろしいものを合致させてしまった気がするが、きっと気のせいであろう。
「じゃあさようなら。」
とっととこの場から去りたい、え?なんでかって?そりゃあ知人だと知られたくないし、なんか警察呼ばれそうだし。
わたしは足早に帰路についた。明日もどうしようもなく暇である。何をして遊ぼうか……
……まあ、正直なところ後悔はしていない。柚さんとカノさんの人外ドリームマッチ、めちゃくちゃに見てみたい。カノさんはセクハラまがいの事をしそうだが…柚さんは容赦ないタイプのヒト…じゃない人外だから大丈夫だろう。
「こんにちは、柚さん。ちょっとお話に来ました。」
「あ、風化ちゃん! 元気してたっ?」と明るく少女らしい声色で笑う。人外だという事を除けば、可愛らしいどこにでもいるような少女なのに。
「…というか、なんですかそれ。元人間ですか?」
「うん、そう! 後で捨てるんだ!」
さらっと殺戮現場を見てしまった。ヤバい。人間がただの肉塊になるとこんなにも不快感がものすごいんだなと思う。わぁでも凄い……スプラッター映画もびっくりのリアリティ。いや本物なんだから当たり前か。
「それで、お話ってなに?」
あー肉塊に意識をすっかり奪われてしまっていた。風化ちゃんやらかしちゃった、てへぺろ。
「えっと…とある方が貴方に会いたい、と言っていてですね……それの許可を貰いに来ました。」
「へぇ、それって誰?」
「同じ…怪異なんですが。」
わたしは柚さんに彼がどんな人間、いやどんな怪異なのかの説明を始めた。怪異同士気が合わず、殴り合い殺し合いの大惨事……なんて事になりかねないからである。
そもそもカノさん自体、大分人を選ぶ性格だ。彼の事を苦手だと思う人間も怪異もいるだろう。柚さんはとても人間らしい。人外という言葉が相応しいアイツには合わない可能性がある。
「…で。こんな人なんですが……柚さん的には、どうですか。」
「面白そうじゃん! 会いたいな!」
流石人外、カノさんぐらい危ない奴はどこにでもいるという事だろうか。
「じゃあ、カノさん。どうぞ。」
「こんにちは。柚くん…だったね? ワタシはカノ。お見知りおきを。」
そう、なぜかカノさんは着いてきていた。恐らく、小説のネタになるだかなんだかでやってきてしまったのだろう。それにしても遭遇が早い。もう少し余韻が欲しい。
なんでいきなりポ〇モンみたいになるんだ、草むらに入った瞬間エンカウント以上だぞ。どっちも手持ちではないけど。というかどっちも相棒になったところで手に余るわ!!
「へー! 君がカノくんかぁ……凄いねコレ! 羊皮紙…かな?」
羊皮紙の顔をいじくりまわす柚さん。カノさんは流されるままである。スタイルのいい美人の十六歳(外見)が可愛らしい少年十四歳(外見)を弄んでいる、なんだこれは。
これが漫画だったのならば恋か何かに発展していたのだろうが、生憎どっちも人外な挙句、乙女らしい柚さんはともかくカノさんは恋愛感情というものがあるかすら怪しい。あの性格で恋とかいう可愛い感情持ってたら逆にもっと怖い。人間味ある方がなんかヤダ。
「ああそうさ、一応文字も書かれているんだよ?」
なんかいい感じになってる。相性がいい、というよりかは、柚さんのコミュニケーション能力が高いおかげだろう。
「そうなんだー! へー!」
柚さんもカノさんに負けず劣らず好奇心旺盛である。少々好奇心の性質が異なっているが。
「……えーーと、カノさん、どうですか。気に入りましたか?」
「そうだね……充分に探究心は満たすことが出来たよ。完璧だ!」
…柚さんもまんざらではなさそうである。なんだか恐ろしいもの×恐ろしいものを合致させてしまった気がするが、きっと気のせいであろう。
「じゃあさようなら。」
とっととこの場から去りたい、え?なんでかって?そりゃあ知人だと知られたくないし、なんか警察呼ばれそうだし。
わたしは足早に帰路についた。明日もどうしようもなく暇である。何をして遊ぼうか……