人外ダンスホール!
あの後、わたしは家に帰りお布団で安静にして寝た。寝る前に、『姿見風化』って小学生でもフルネームで書けるなぁ、などとしょうもない事を考えてしまうのはわたしだけなのだろうか。
そんな事はどうでもいい。今日は図書館へ行く日だ。柚さんやらなんやらにかかわる文献があるといいのだが。
「あんのかな…これネットで調べた方が早い気が…。」
「あいや、専門家さんとかがそういうの述べてたりするかもだから本で調べた方がいいか。」
わたしは昔から、自問して速攻で自答するのが癖だ。塾やなんやらでも、勝手に質問しては勝手に自己解決している。人の話を聞け。
「…あるかなァ…。」
そう独り言をこぼして、図書館にて文献を探し始めてみる。あるのかは知らないが、こういう場所でこんな作業をするのは好きだ。
「…あ…これ…。」
ダメだ、ついつい面白そうな本に視線が行ってしまう。今は文献を探さなければいけないのに、やっぱり集中なんて出来ないなァ…。
わたしはそれを本棚に返す。そういえば、もっと人外じみた外見の怪異はいないのだろうか。異形頭とかいると勝手に興奮しちゃうんだけど。
いや、それよりも、だ。先程から紙が捲られるパラパラという音が図書館内に響いている。うーん、少し敏感だろうか。図書館なのだからそれぐらい聞こえるはずなのだが。
「…はぁ、嫌になる………。」
それぐらい、気にしなくてもいいものを。だが、時計が時刻を刻むカチカチという音が耳にこびりつくものと同じだ。一度気にしてしまうと負け。
紙の音は次第に大きくなっていく。誰か歩きながら読書しているのだろうか、危ない危ない…。
ぺら、ぺら、ぺら、ぺら。
紙と紙が擦れる音が延々と響いている。ああ、もう。気になってしょうがない。どうすればいいというのだ。
わたしは気が散りながらも、文献を探し回る。そして、ふと動いているものに目が留まる。わたしは昔からちょこっとだけ敏感で、こんな動くものが人間の他ない場所では特にだ。そして目を上げると、黒色が視界で蠢いていた。
「……あれ、何かな…。」
髪を一つ、後ろに結んでいた人がいた。外見的には女性じみているが、骨格は男性のものだと思われる。だいぶ、中性的な外見をしているようだ。どうやら、先程から聞こえていた紙が擦れるような音は彼が発生源だったらしい。
「うん、この気配………。」
明らかに、柚さんと出会った時に似ている。きっとあれも人外だ。そう考えるとなぜかテンションが上がる。次はどんなのになるのだろうか。次こそ死ぬかもしれないが、それはそれで一興。うん、行こう。
「すみません! そこの人…!」
「ン? なんだいなんだい? このワタシに何か用かい?」
そんな事はどうでもいい。今日は図書館へ行く日だ。柚さんやらなんやらにかかわる文献があるといいのだが。
「あんのかな…これネットで調べた方が早い気が…。」
「あいや、専門家さんとかがそういうの述べてたりするかもだから本で調べた方がいいか。」
わたしは昔から、自問して速攻で自答するのが癖だ。塾やなんやらでも、勝手に質問しては勝手に自己解決している。人の話を聞け。
「…あるかなァ…。」
そう独り言をこぼして、図書館にて文献を探し始めてみる。あるのかは知らないが、こういう場所でこんな作業をするのは好きだ。
「…あ…これ…。」
ダメだ、ついつい面白そうな本に視線が行ってしまう。今は文献を探さなければいけないのに、やっぱり集中なんて出来ないなァ…。
わたしはそれを本棚に返す。そういえば、もっと人外じみた外見の怪異はいないのだろうか。異形頭とかいると勝手に興奮しちゃうんだけど。
いや、それよりも、だ。先程から紙が捲られるパラパラという音が図書館内に響いている。うーん、少し敏感だろうか。図書館なのだからそれぐらい聞こえるはずなのだが。
「…はぁ、嫌になる………。」
それぐらい、気にしなくてもいいものを。だが、時計が時刻を刻むカチカチという音が耳にこびりつくものと同じだ。一度気にしてしまうと負け。
紙の音は次第に大きくなっていく。誰か歩きながら読書しているのだろうか、危ない危ない…。
ぺら、ぺら、ぺら、ぺら。
紙と紙が擦れる音が延々と響いている。ああ、もう。気になってしょうがない。どうすればいいというのだ。
わたしは気が散りながらも、文献を探し回る。そして、ふと動いているものに目が留まる。わたしは昔からちょこっとだけ敏感で、こんな動くものが人間の他ない場所では特にだ。そして目を上げると、黒色が視界で蠢いていた。
「……あれ、何かな…。」
髪を一つ、後ろに結んでいた人がいた。外見的には女性じみているが、骨格は男性のものだと思われる。だいぶ、中性的な外見をしているようだ。どうやら、先程から聞こえていた紙が擦れるような音は彼が発生源だったらしい。
「うん、この気配………。」
明らかに、柚さんと出会った時に似ている。きっとあれも人外だ。そう考えるとなぜかテンションが上がる。次はどんなのになるのだろうか。次こそ死ぬかもしれないが、それはそれで一興。うん、行こう。
「すみません! そこの人…!」
「ン? なんだいなんだい? このワタシに何か用かい?」