もう1つの世界で君と
少し歩き、塔の下まで来た。
目の前には無駄に大きな自動ドアがある。
エイダン「…ここに入ればいいのかな?」
ヘンドリック「さあな。でも他に行くとこもねえだろ」
スタスタとドアの前まで歩く。センサーが俺を感知し、昔に比べ随分と小さくなった機械音を立ててドアが開いた。
ヘンドリック「行こう、エイダン」
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
コツン、コツンと階段を上る2人の足音が随分大きく響く。
エイダン「どこまで続くんだろうね、この階段…」
ヘンドリック「はぁ…ちょっと休もうぜー、エイダン」
反響してエコーがかかったみたいな声で呼びかける。
塔の中には、薄い板をただ螺旋状に並べたような階段が設置されていた。ちなみに、足を乗せたり手で触れたりするような衝撃を加えると、ぼんやりと静かに発光する。
体力落ちたな…と思いながら足下の板の1段上の板に腰掛ける。エイダンは俺より10数段程上にいた。
エイダン「置いてくよ、ベッツ」
エイダン「それにしても、これだけ長いとワクワクするね。…何が待ってると思う?」
…とことんポジティブだな、コイツ。
ラフェ[中央寄せ][中央寄せ][/中央寄せ][/中央寄せ]ンの顔が一瞬チラつく。
ヘンドリック「…少なくとも立ち入り禁止の看板は見たくねえな」
エイダン「ははっ、それもそうだ」
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
ヘンドリック「はぁぁぁ……」
エイダン「どはぁ…」
階段を上がった先にはまた自動ドアがあり、それを通ると、直径10mほどの円形のスペースになっていた。
俺たちはほぼ同時に床に崩れ落ちる。
久しぶりにこんなに足を動かしたからか、もうぐったりだ。
少ししてエイダンが、ハッとしたような顔で俺に言う。
エイダン「ねえベッツ。そのドア、戻れる?」
自動ドアに近づく。
ヘンドリック「っ…!?」
ヘンドリック「……開かねえ…!!」
エイダン「クソ、しくったな…もっと早く気づけば…」
階段に通じるドアは中から開かなかった。これによって、今ここは完全な密室となった。
ヘンドリック「ざっけんなよ、閉じ込められた…!」
ガンッとドアに拳をぶつける。
閉じ込められた恐怖と、極度の疲労でイライラする。
エイダン「なんというか、まんまと嵌められたね」
ヘンドリック「ハッ、どうだかな。センサーの故障なんかだったらシャレになんねえぜ」
エイダン「今の時代にそれは無いだろ」
ヘンドリック「人為的に仕組まれたってのか?」
エイダン「俺たちを招待した人の目録かもな」
ちなみに言うと、手荷物は全てここに来る途中に置いてきた。階段を上るには重すぎたし、正直要らないものばかりだったからだ。
手元にあるのはポケットに入っていた紙タバコ1つと端末のみ。ライターは無い。
エイダン「…俺の端末は圏外だ」
ヘンドリック「俺もだよ、なんで電波飛んでねえんだ?」
エイダン「意図的に遮断してるんだろ」
ヘンドリック「何のために?」
エイダン「それはわからない」
ヘンドリック「招待状にはホントに何も書いてないんだな?」
エイダン「え?ああ、そうだけど」
エイダン「君も持ってるんじゃないの?」
不審そうな目つきで俺を見る。
落ち着け。上手く躱すんだ。
ヘンドリック「いや、見落としがあるかもしんねえからな」
エイダン「ふーん… 」
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
ヘンドリック「おい」
エイダン「………」
ヘンドリック「おい!!」
エイダン「…なんだよ」
エイダンが、心底面倒くさいという顔でこちらを向く。
ヘンドリック「もう数時間は経ってる。どうすんだ」
エイダン「俺に聞かれても知らないって」
ヘンドリック「…相っ変わらずドアは開かねえし」
エイダン「はぁ…」
エイダン「俺は、出会って数時間の君とここで心中なんてお断りだね」
ヘンドリック「誰がテメェとみすみすくたばるかよ。野良猫との方がまだマシだ」
エイダン「なに、喧嘩売ってる?」
ヘンドリック「俺が買ってやったんだろうが」
エイダン「はあ?何様((
?「そこまでです」
人間とAIが混ざったみたいなアンドロイド特有の声が、エイダンの言葉を遮った。
?「あなたたちはここで何をしているんですか?」
へ,エ「「…………は???」」
目の前には無駄に大きな自動ドアがある。
エイダン「…ここに入ればいいのかな?」
ヘンドリック「さあな。でも他に行くとこもねえだろ」
スタスタとドアの前まで歩く。センサーが俺を感知し、昔に比べ随分と小さくなった機械音を立ててドアが開いた。
ヘンドリック「行こう、エイダン」
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
コツン、コツンと階段を上る2人の足音が随分大きく響く。
エイダン「どこまで続くんだろうね、この階段…」
ヘンドリック「はぁ…ちょっと休もうぜー、エイダン」
反響してエコーがかかったみたいな声で呼びかける。
塔の中には、薄い板をただ螺旋状に並べたような階段が設置されていた。ちなみに、足を乗せたり手で触れたりするような衝撃を加えると、ぼんやりと静かに発光する。
体力落ちたな…と思いながら足下の板の1段上の板に腰掛ける。エイダンは俺より10数段程上にいた。
エイダン「置いてくよ、ベッツ」
エイダン「それにしても、これだけ長いとワクワクするね。…何が待ってると思う?」
…とことんポジティブだな、コイツ。
ラフェ[中央寄せ][中央寄せ][/中央寄せ][/中央寄せ]ンの顔が一瞬チラつく。
ヘンドリック「…少なくとも立ち入り禁止の看板は見たくねえな」
エイダン「ははっ、それもそうだ」
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
ヘンドリック「はぁぁぁ……」
エイダン「どはぁ…」
階段を上がった先にはまた自動ドアがあり、それを通ると、直径10mほどの円形のスペースになっていた。
俺たちはほぼ同時に床に崩れ落ちる。
久しぶりにこんなに足を動かしたからか、もうぐったりだ。
少ししてエイダンが、ハッとしたような顔で俺に言う。
エイダン「ねえベッツ。そのドア、戻れる?」
自動ドアに近づく。
ヘンドリック「っ…!?」
ヘンドリック「……開かねえ…!!」
エイダン「クソ、しくったな…もっと早く気づけば…」
階段に通じるドアは中から開かなかった。これによって、今ここは完全な密室となった。
ヘンドリック「ざっけんなよ、閉じ込められた…!」
ガンッとドアに拳をぶつける。
閉じ込められた恐怖と、極度の疲労でイライラする。
エイダン「なんというか、まんまと嵌められたね」
ヘンドリック「ハッ、どうだかな。センサーの故障なんかだったらシャレになんねえぜ」
エイダン「今の時代にそれは無いだろ」
ヘンドリック「人為的に仕組まれたってのか?」
エイダン「俺たちを招待した人の目録かもな」
ちなみに言うと、手荷物は全てここに来る途中に置いてきた。階段を上るには重すぎたし、正直要らないものばかりだったからだ。
手元にあるのはポケットに入っていた紙タバコ1つと端末のみ。ライターは無い。
エイダン「…俺の端末は圏外だ」
ヘンドリック「俺もだよ、なんで電波飛んでねえんだ?」
エイダン「意図的に遮断してるんだろ」
ヘンドリック「何のために?」
エイダン「それはわからない」
ヘンドリック「招待状にはホントに何も書いてないんだな?」
エイダン「え?ああ、そうだけど」
エイダン「君も持ってるんじゃないの?」
不審そうな目つきで俺を見る。
落ち着け。上手く躱すんだ。
ヘンドリック「いや、見落としがあるかもしんねえからな」
エイダン「ふーん… 」
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
ヘンドリック「おい」
エイダン「………」
ヘンドリック「おい!!」
エイダン「…なんだよ」
エイダンが、心底面倒くさいという顔でこちらを向く。
ヘンドリック「もう数時間は経ってる。どうすんだ」
エイダン「俺に聞かれても知らないって」
ヘンドリック「…相っ変わらずドアは開かねえし」
エイダン「はぁ…」
エイダン「俺は、出会って数時間の君とここで心中なんてお断りだね」
ヘンドリック「誰がテメェとみすみすくたばるかよ。野良猫との方がまだマシだ」
エイダン「なに、喧嘩売ってる?」
ヘンドリック「俺が買ってやったんだろうが」
エイダン「はあ?何様((
?「そこまでです」
人間とAIが混ざったみたいなアンドロイド特有の声が、エイダンの言葉を遮った。
?「あなたたちはここで何をしているんですか?」
へ,エ「「…………は???」」