もう1つの世界で君と
ヘンドリック「ハッ、着いちまった」
ドーラ「11時間。長かったわね」
2080 アメリカ ロサンゼルス 午後5時35分
さすが大国と言うべきか、空港は人で溢れており、出口を探すのも一苦労だった。
ドーラ「それじゃ、私は社長に会ってくるけど」
アンタはどうするの?という目でこっちを見てくる。
ヘンドリック「俺はもう北カリフォルニアに行くよ。ここまでありがとな」
ドーラ「…アナザーシティに入るんでしょ?招待されないと行けないって噂だけど」
ヘンドリック「まあ、なんとかするさ」
ドーラ「そう」
ドーラ「なんかあったら頼ってよね。私、人脈も情報網も広いから」
ヘンドリック「そりゃありがたい」
彼女は、初めて学校に行く我が子を見るような目で、俺を見送った。
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
ヘンドリック「………あー…」
ヘンドリック「どこなんだ、ここは?」
言い訳をしよう。
出身地ドイツでは、ここまでテクノロジーが発達していなかった。
超高速で移動できるモノレールや、ほぼ瞬間移動みたいなスピードを出す車、そこら中にいるサイボーグやアンドロイド(巷ではブラックホールの引力を利用している、なんて言う[漢字]ブラック[/漢字][ふりがな]・・・・[/ふりがな]でトンチンカンな噂も流れていたりする)。
ヘンドリック「(こっからどうやって北までいけばいいんだよ…)」
目まぐるしい光景に頭を抱えていた矢先。
?「君」
?「そんなとこでウジウジしてたら轢かれちゃうよ」
ヘンドリック「…ハッ、お断りだな」
話しかけてきたのは、巻き毛の男だった。
厚手のパーカーにジーンズ、耳にはバチバチのピアス。加えて手ぶら。
なんというか、あまり関わりたくない人種だが…。
ヘンドリック「北カリフォルニアへの行き方を教えてくれ。あとできれば、"アナザーシティ"のことも」
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
会話を続けていく中でわかったのは、
彼の名前は"エイダン"ということと、彼もアナザーシティに行こうとしているということだ。
エイダン「君は?」
ヘンドリック「ヘンドリックだ。ヘンドリック・ベルツ」
エイダン「オーケー、ベッツね」
ヘンドリック「あ、いや、ベルツ…」
エイダン「ベッツ、降りるよ」
まあいいか…どうせアナザーシティまでの縁だろう。
ヘンドリック「アンタ、ここの交通網には詳しいのか?」
エイダン「それなりに。まあ、1度来たことあるしね」
1度で覚えられるもんなのか?という疑問は飲み込み、へえ、と相槌を打つ。
エイダン「というか、君もアナザーシティに招待されたの?」
ヘンドリック「そんなところだ」
止められたら潔く帰ればいい話だ。
そもそも、ラフェンがまだアナザーシティにいるとは限らない。3年もありゃ人は変わる。
エイダン「そう」
ヘンドリック「…にしても、大都市が突然出現なんてすると思うか?」
エイダン「それは流石に、噂に尾ひれがついたんじゃない?非現実的すぎる」
ヘンドリック「そうだよなぁ」
エイダン「お、見えたよ」
ヘンドリック「ッあれが…」
1kmほどだろうか。
視線の先には、サイバーパンク、言い換えれば未来的な塔が、天高くそびえ立っていた。
エイダン「ははっ、ワクワクしてきたね」
ヘンドリック「あんなところに、ホントに大都市があんのか?」
エイダン「招待状には塔の下まで来いって書いてあったし、とりあえずあの塔まで行こう」
ヘンドリック「…そうだな」
招待状の内容わかんねぇ〜〜〜〜〜〜〜…。
ドーラ「11時間。長かったわね」
2080 アメリカ ロサンゼルス 午後5時35分
さすが大国と言うべきか、空港は人で溢れており、出口を探すのも一苦労だった。
ドーラ「それじゃ、私は社長に会ってくるけど」
アンタはどうするの?という目でこっちを見てくる。
ヘンドリック「俺はもう北カリフォルニアに行くよ。ここまでありがとな」
ドーラ「…アナザーシティに入るんでしょ?招待されないと行けないって噂だけど」
ヘンドリック「まあ、なんとかするさ」
ドーラ「そう」
ドーラ「なんかあったら頼ってよね。私、人脈も情報網も広いから」
ヘンドリック「そりゃありがたい」
彼女は、初めて学校に行く我が子を見るような目で、俺を見送った。
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
ヘンドリック「………あー…」
ヘンドリック「どこなんだ、ここは?」
言い訳をしよう。
出身地ドイツでは、ここまでテクノロジーが発達していなかった。
超高速で移動できるモノレールや、ほぼ瞬間移動みたいなスピードを出す車、そこら中にいるサイボーグやアンドロイド(巷ではブラックホールの引力を利用している、なんて言う[漢字]ブラック[/漢字][ふりがな]・・・・[/ふりがな]でトンチンカンな噂も流れていたりする)。
ヘンドリック「(こっからどうやって北までいけばいいんだよ…)」
目まぐるしい光景に頭を抱えていた矢先。
?「君」
?「そんなとこでウジウジしてたら轢かれちゃうよ」
ヘンドリック「…ハッ、お断りだな」
話しかけてきたのは、巻き毛の男だった。
厚手のパーカーにジーンズ、耳にはバチバチのピアス。加えて手ぶら。
なんというか、あまり関わりたくない人種だが…。
ヘンドリック「北カリフォルニアへの行き方を教えてくれ。あとできれば、"アナザーシティ"のことも」
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
会話を続けていく中でわかったのは、
彼の名前は"エイダン"ということと、彼もアナザーシティに行こうとしているということだ。
エイダン「君は?」
ヘンドリック「ヘンドリックだ。ヘンドリック・ベルツ」
エイダン「オーケー、ベッツね」
ヘンドリック「あ、いや、ベルツ…」
エイダン「ベッツ、降りるよ」
まあいいか…どうせアナザーシティまでの縁だろう。
ヘンドリック「アンタ、ここの交通網には詳しいのか?」
エイダン「それなりに。まあ、1度来たことあるしね」
1度で覚えられるもんなのか?という疑問は飲み込み、へえ、と相槌を打つ。
エイダン「というか、君もアナザーシティに招待されたの?」
ヘンドリック「そんなところだ」
止められたら潔く帰ればいい話だ。
そもそも、ラフェンがまだアナザーシティにいるとは限らない。3年もありゃ人は変わる。
エイダン「そう」
ヘンドリック「…にしても、大都市が突然出現なんてすると思うか?」
エイダン「それは流石に、噂に尾ひれがついたんじゃない?非現実的すぎる」
ヘンドリック「そうだよなぁ」
エイダン「お、見えたよ」
ヘンドリック「ッあれが…」
1kmほどだろうか。
視線の先には、サイバーパンク、言い換えれば未来的な塔が、天高くそびえ立っていた。
エイダン「ははっ、ワクワクしてきたね」
ヘンドリック「あんなところに、ホントに大都市があんのか?」
エイダン「招待状には塔の下まで来いって書いてあったし、とりあえずあの塔まで行こう」
ヘンドリック「…そうだな」
招待状の内容わかんねぇ〜〜〜〜〜〜〜…。