宮廷台所の隠し味
次の日。
昼頃まで、一睡もせず、料理の研究をしていた。
こんなに幸せな時間はないと強く思った。
(一生こうして生きたい)
そう思っていると、部屋の扉が、勢いよく開かれた。
扉の所に立つのは、輝狼。
東宮と言われる方だった。
「寧夏! 来てくれ。白雷妃が、身罷られた」
私は、勢いよく立ち上がり、椅子を倒した。
『身罷られた』。つまり、死亡したということだ。
私は、目を大きく開き、自身の耳を疑った。
「何故ですか? 昨日まで健康でしたではありませんか」
「とりあえず、毒を盛られたのではないそうだ。毒見役が飲んで、平気だった」
急死。毒。毒見。
全く分からない。何も浮かんでこない。
健康そうだった妃が死ぬなんて…何故に?
「蓮華宮に参る。ついてこい」
「わかりました、輝狼様」
「輝狼…様…」
様をつけられて、苦い顔をしている。
妹と思っている者に、他人行儀にされ、悲しいのだろうが、20年ほど離れて育ったんだ。他人行儀じゃないわけない。
蓮華宮に着いた。
いつも以上に重々しい雰囲気をかもし出している。
「ここだ」
白雷妃の遺体が長椅子に横たわっていた。
豪奢に装っている妃の顔は青ざめ、それでいて美しく華奢なまつ毛を伏せていた。
「毒見役の方を呼んでください」
「わかった。桜珊だな」
昼頃まで、一睡もせず、料理の研究をしていた。
こんなに幸せな時間はないと強く思った。
(一生こうして生きたい)
そう思っていると、部屋の扉が、勢いよく開かれた。
扉の所に立つのは、輝狼。
東宮と言われる方だった。
「寧夏! 来てくれ。白雷妃が、身罷られた」
私は、勢いよく立ち上がり、椅子を倒した。
『身罷られた』。つまり、死亡したということだ。
私は、目を大きく開き、自身の耳を疑った。
「何故ですか? 昨日まで健康でしたではありませんか」
「とりあえず、毒を盛られたのではないそうだ。毒見役が飲んで、平気だった」
急死。毒。毒見。
全く分からない。何も浮かんでこない。
健康そうだった妃が死ぬなんて…何故に?
「蓮華宮に参る。ついてこい」
「わかりました、輝狼様」
「輝狼…様…」
様をつけられて、苦い顔をしている。
妹と思っている者に、他人行儀にされ、悲しいのだろうが、20年ほど離れて育ったんだ。他人行儀じゃないわけない。
蓮華宮に着いた。
いつも以上に重々しい雰囲気をかもし出している。
「ここだ」
白雷妃の遺体が長椅子に横たわっていた。
豪奢に装っている妃の顔は青ざめ、それでいて美しく華奢なまつ毛を伏せていた。
「毒見役の方を呼んでください」
「わかった。桜珊だな」