宮廷台所の隠し味
とりあえず私は、厨房らしき場所を覗き見することにした。
ひょこっ
娘が三人いる。
料理が好きなのだろうか。だと嬉しいな。
「あの〜こんにちは」
「わあっ、びっくりした。御客は久しぶりなものだから」
「私は春陽です。料理が好きな、[太字]ただの[/太字]娘です」
ちゃんと「ただの」を強調しておく。
実際私は公主ではなく、賤民だ。
すると、三人娘は元気よく会話してくれた。
「御料理娘は良いことよ? 花嫁修業にもなるしね♡」
「そうだよ。コレは愛來。私は凛珊です」
「もうっ、コレって何よ! コレって〜」
愛來は、凛珊の自分への示し方に怒った。
しかし、怒り方が可愛いので凛珊も逃げない。
むしろ、受け入れている。反発しない。
(寛大だな)
すると、もう1人の娘が、おどおどしながら手を挙げた。
「…私は[漢字]桜珊[/漢字][ふりがな]インシャン[/ふりがな]です。えっと…毒見役をしています」
(毒見! …じゃあ料理愛好家じゃないの!?)
桜珊が気まずそうにしているわけだ。
…ひとまずっ!
「私が今宵の蓮華宮の夕餉をお作り致します。ので、お二方はしっかり休んでくださいね」
ひょこっ
娘が三人いる。
料理が好きなのだろうか。だと嬉しいな。
「あの〜こんにちは」
「わあっ、びっくりした。御客は久しぶりなものだから」
「私は春陽です。料理が好きな、[太字]ただの[/太字]娘です」
ちゃんと「ただの」を強調しておく。
実際私は公主ではなく、賤民だ。
すると、三人娘は元気よく会話してくれた。
「御料理娘は良いことよ? 花嫁修業にもなるしね♡」
「そうだよ。コレは愛來。私は凛珊です」
「もうっ、コレって何よ! コレって〜」
愛來は、凛珊の自分への示し方に怒った。
しかし、怒り方が可愛いので凛珊も逃げない。
むしろ、受け入れている。反発しない。
(寛大だな)
すると、もう1人の娘が、おどおどしながら手を挙げた。
「…私は[漢字]桜珊[/漢字][ふりがな]インシャン[/ふりがな]です。えっと…毒見役をしています」
(毒見! …じゃあ料理愛好家じゃないの!?)
桜珊が気まずそうにしているわけだ。
…ひとまずっ!
「私が今宵の蓮華宮の夕餉をお作り致します。ので、お二方はしっかり休んでくださいね」