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この話はフィクションで、実際起こった話ではありません。

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宮廷台所の隠し味

#12

賢妃、雪雲妃

麗花妃の件が落ち着いた頃、私は、賢妃、[漢字]雪雲妃[/漢字][ふりがな]シュンユンヒ[/ふりがな]の元へ顔を出しに行くことにした。

「あら、もう行ってしまうの? せっかく娘に面倒見てもらえたと思ったのに」
頬に手を当てて、わざと困ったような演技をする。
「はあ。麗花さまの[漢字]御顔[/漢字][ふりがな]かんばせ[/ふりがな]の色が、よくなられましたので」
「そうねえ。もうちょっと強い毒飲めば良かったわね」
おいおい。それは困るぞ。
今回のがやっとだったのに。
「…、麗花さまはね、毒草のも…いえ、薬草の森を家の御庭にお作りになられました。毒虫や毒蛇にも慣れておられます」
侍女頭が、苦労丸出しの表情をする。
妃の[漢字]御父君[/漢字][ふりがな]おんちちぎみ[/ふりがな]は一体何をさせていたんだ。
「元々薬屋の家系で、のし上がっていったようです。…金に物を言わせて」
あはは…
私にはもはや関係ない話だった。
「では」
「ああっ、待って〜」
「また何時でも会えます」
そういうと、妃は、泣く泣く手を引っ込めていった。

雪雲妃の宮は、豪華絢爛だった。
見た事のない、壊せば斬首になりそうな調度品がずらり。
天国にいるようだ。
(盗み放題だ)
そんなことを思いながら、回廊を進む。
そして、侍女頭と思しき女官が、扉を開けた。
そこには、綺麗に着飾った雪の姫がいた。
(髪と肌が白い。目は緋色だ)
[漢字]白子[/漢字][ふりがな]アルビノ[/ふりがな]だった。
雪の姫と言われるわけだ。
「かしこまらなくてよろしいのよ? さぁさぁそこに座って、ごゆるりとどうぞ」
「はい、では御言葉に甘えて」
雪雲妃の言葉一つ一つが歌声のように聞こえ、動作一つ一つが舞のように見えた。

[明朝体]くすくす…[/明朝体]
侍女達が笑んでいる。
それは嘲笑と言えるべき笑いだった。
「[漢字]紫翠[/漢字][ふりがな]シスイ[/ふりがな]、[漢字]楠氏[/漢字][ふりがな]ナンシ[/ふりがな]、おやめなさい。公主さまですよ」
「こ、公主さま!? こんな小娘が!?」
「嘘でしょう、雪雲さま」
雪雲妃に言われてもなお、にやにやと笑っている。
笑いをやめる気配も無く、妃は呆れ顔だった。
仕方がない。話題を変えるしかない。
「この毛氈、羊の毛が入ってますね」
適当に、足元の話をした。
すると、意外にも明るい返事が返ってきた。
「分かるかしら! 私は豪の国から来たから」
豪の国。
それは、この国、[漢字]旺[/漢字][ふりがな]ワン[/ふりがな]の北にある国だ。「旺」の字の成り立ちは、「日」すなわち「光」が、「王」として君臨する、という漢字である。
豪では、遊牧が行われ、遊牧民がのびのびと暮らす。
移動式の住居とやらが面白そうで、一度行ってみたいの!
「豪の国は、属国の中でも栄えてますからね」

2025/05/28 19:48

晴友真弥花 ID:≫ 1rO9Bbo/Mf5vI
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