宮廷台所の隠し味
私は、不思議なことに貴妃、麗花妃の食事を任された。
「麻婆豆腐でも作るか。結構元気になってきたし」
「刺激があるといけないのではないのか?」
男の声がした。
(ひょいひょいと男入ってくんなよ。許されてんのか知らねえけどさあ)
不貞疑われんぞと思いながら、
「辣の味は足しませぬ。紅の油を入れるか入れないかで大きく変わりますから」
「豆腐は苦手だぞ、妃は」
「温かい[漢字]寒天[/漢字][ふりがな]ゼリー[/ふりがな]をお作り致します」
「温かい寒天…?」
めんどくせえ…。
「では、片栗粉、とっていただけます?」
命令したいくらいだが、一応敬語だ。
不敬な言動すれば首をはねられかねないからだ。
「あいよ」
「[漢字]謝謝[/漢字][ふりがな]ありがとうございます[/ふりがな]」
「お椀に片栗粉を入れ、お湯を適度に注げば、完成です」
「おお! 固まっているぞ、しかもぷるぷるだ」
「よく作っていたものですから」
「ふむ」
「どうぞ、麻婆豆腐(もどき)です」
「なにか心の中でセリフ付け足したでしょう」
バレとる! まあいいや
「麗花さま、これには辣の油を足しておりません。あと、豆腐ではなく寒天(もどき)を加えました」
「あっまた!」
あはは…
[太字][明朝体](それにしても、元気になってよかった)[/明朝体][/太字]
「麻婆豆腐でも作るか。結構元気になってきたし」
「刺激があるといけないのではないのか?」
男の声がした。
(ひょいひょいと男入ってくんなよ。許されてんのか知らねえけどさあ)
不貞疑われんぞと思いながら、
「辣の味は足しませぬ。紅の油を入れるか入れないかで大きく変わりますから」
「豆腐は苦手だぞ、妃は」
「温かい[漢字]寒天[/漢字][ふりがな]ゼリー[/ふりがな]をお作り致します」
「温かい寒天…?」
めんどくせえ…。
「では、片栗粉、とっていただけます?」
命令したいくらいだが、一応敬語だ。
不敬な言動すれば首をはねられかねないからだ。
「あいよ」
「[漢字]謝謝[/漢字][ふりがな]ありがとうございます[/ふりがな]」
「お椀に片栗粉を入れ、お湯を適度に注げば、完成です」
「おお! 固まっているぞ、しかもぷるぷるだ」
「よく作っていたものですから」
「ふむ」
「どうぞ、麻婆豆腐(もどき)です」
「なにか心の中でセリフ付け足したでしょう」
バレとる! まあいいや
「麗花さま、これには辣の油を足しておりません。あと、豆腐ではなく寒天(もどき)を加えました」
「あっまた!」
あはは…
[太字][明朝体](それにしても、元気になってよかった)[/明朝体][/太字]