宮廷台所の隠し味
「あと…後宮医官は呼ばなかったのですか?」
「……」
侍女頭が黙る。なんだろうか。
「…あのね…、医官が血や死体、苦しむ人を見るのが苦手な[漢字]野郎[/漢字][ふりがな]おとこ[/ふりがな]でね。医局で働いてる女官ならいるけれど、どうする?」
「呼んでください、お願いします」
女官が来た、…のはいいが。
(ただの小娘じゃねえか!)
顔に出ていたらしく、
「数え15の完璧なる女性よ」
と侍女頭が言った。
「双子の姉、[漢字]小銀[/漢字][ふりがな]シャオイン[/ふりがな]です」
「妹の[漢字]小星[/漢字][ふりがな]シャオシン[/ふりがな]です」
「しゃお? 自分で言います?」
「売り飛ばされてきたわけで、字が読めず、書けません。なので、家で小付けだったそのまま…」と小銀。
ああ、そういうことか。
「分かりました。一応吐かせましたが」
「意識はありますか?」
「あります。さっきも咳をなさっていました。どのような毒か、分かりますか?」
「私は毒物に詳しいです。小星は薬草の方。…きっと、これは…」
[大文字][太字]「死に至るものじゃないっ!?」[/太字][/大文字]
「嘘でしょ? 妃は!」
「かまをかけるためだとしたら」
「娘に心の叫びを伝える手段ではなくて?」
はあ…
とりあえず、大事に至らなくて良かった!
「……」
侍女頭が黙る。なんだろうか。
「…あのね…、医官が血や死体、苦しむ人を見るのが苦手な[漢字]野郎[/漢字][ふりがな]おとこ[/ふりがな]でね。医局で働いてる女官ならいるけれど、どうする?」
「呼んでください、お願いします」
女官が来た、…のはいいが。
(ただの小娘じゃねえか!)
顔に出ていたらしく、
「数え15の完璧なる女性よ」
と侍女頭が言った。
「双子の姉、[漢字]小銀[/漢字][ふりがな]シャオイン[/ふりがな]です」
「妹の[漢字]小星[/漢字][ふりがな]シャオシン[/ふりがな]です」
「しゃお? 自分で言います?」
「売り飛ばされてきたわけで、字が読めず、書けません。なので、家で小付けだったそのまま…」と小銀。
ああ、そういうことか。
「分かりました。一応吐かせましたが」
「意識はありますか?」
「あります。さっきも咳をなさっていました。どのような毒か、分かりますか?」
「私は毒物に詳しいです。小星は薬草の方。…きっと、これは…」
[大文字][太字]「死に至るものじゃないっ!?」[/太字][/大文字]
「嘘でしょ? 妃は!」
「かまをかけるためだとしたら」
「娘に心の叫びを伝える手段ではなくて?」
はあ…
とりあえず、大事に至らなくて良かった!