好きなゲームで遊んでただけなのになんか閉じ込められました!?1
翔子は、恐る恐るシャッターをくぐると、中の様子にも圧倒された。
「ふわぁ……、すご……」
純白の壁、よくわからないたくさんのスイッチ、用途不明のキーボード、謎の培養ポッド、まさに、研究所というのが身にしみて分かる。このゲームに、こんな要素はなかったはずだ。ということは、コマンド使いがプログラムをくんで作り上げたのだろう。
しばらく歩いたところで、颯真と呼ばれていた彼が、キーボードを操作し、培養ポッドの位置を、蓋に手が届くところまで下げ、中にミカの体を入れた。そのままキーボードで何かを打ち込み、元の高さに戻すと中にオレンジ色の液体を注ぎ込む。
「えっと、その液体は?」
「……治療液」
彼はそっけなく答える。まぁ、見れば分かるだろ、とでも言いたいのだろう。
液体に満たされたミカの腕は、みるみる元の色に戻っていく。
「……、これって、どれぐらいかかるの?」
「10分ぐらいだ。適当にソファーにでも座ってろ」
相変わらずそっけない態度で、傍にあったソファーに誘導された。仕方なく座った翔子だが、あまりのフカフカ具合に、つい顔がにやけてしまったのは内緒の話。
「10分か……、なにかクラフトでもしようかな……? 初めて魔物倒したときの崖素材残ってるし、これで剣とか斧とか作れないかな?」
翔子は、何もしないのが退屈で、初めて『クラフト』パネルを開いた。ブロック崩しで、楽しくパズルだけをやっていた翔子にとって、クラフトは必要のないものだったのだ。翔子は、理想の建築がしたいのではなく、パズルがしたいだけだったのだ。
しかし、此処に来て、クラフトの大切さが身にしみて分かった。武器がなければ、魔物から身を守れない。知識だけはあっても、不器用な翔子は、5分経っても7分経っても完成できず、9分経って、やっと斧ができた。
「や、やっとできたぁ〜……って、あぁ!? あと1分で翔子治る! ……私ってば物一つ作るのに9分もかかるなんて……取り敢えずミカのところにいかなくちゃ!」
「ふわぁ……、すご……」
純白の壁、よくわからないたくさんのスイッチ、用途不明のキーボード、謎の培養ポッド、まさに、研究所というのが身にしみて分かる。このゲームに、こんな要素はなかったはずだ。ということは、コマンド使いがプログラムをくんで作り上げたのだろう。
しばらく歩いたところで、颯真と呼ばれていた彼が、キーボードを操作し、培養ポッドの位置を、蓋に手が届くところまで下げ、中にミカの体を入れた。そのままキーボードで何かを打ち込み、元の高さに戻すと中にオレンジ色の液体を注ぎ込む。
「えっと、その液体は?」
「……治療液」
彼はそっけなく答える。まぁ、見れば分かるだろ、とでも言いたいのだろう。
液体に満たされたミカの腕は、みるみる元の色に戻っていく。
「……、これって、どれぐらいかかるの?」
「10分ぐらいだ。適当にソファーにでも座ってろ」
相変わらずそっけない態度で、傍にあったソファーに誘導された。仕方なく座った翔子だが、あまりのフカフカ具合に、つい顔がにやけてしまったのは内緒の話。
「10分か……、なにかクラフトでもしようかな……? 初めて魔物倒したときの崖素材残ってるし、これで剣とか斧とか作れないかな?」
翔子は、何もしないのが退屈で、初めて『クラフト』パネルを開いた。ブロック崩しで、楽しくパズルだけをやっていた翔子にとって、クラフトは必要のないものだったのだ。翔子は、理想の建築がしたいのではなく、パズルがしたいだけだったのだ。
しかし、此処に来て、クラフトの大切さが身にしみて分かった。武器がなければ、魔物から身を守れない。知識だけはあっても、不器用な翔子は、5分経っても7分経っても完成できず、9分経って、やっと斧ができた。
「や、やっとできたぁ〜……って、あぁ!? あと1分で翔子治る! ……私ってば物一つ作るのに9分もかかるなんて……取り敢えずミカのところにいかなくちゃ!」