好きなゲームで遊んでただけなのになんか閉じ込められました!?1
「ハァ、なんでだよ! なんで、こっちから干渉できないんだ!? ゲームに入ろうとしてもなんか跳ね返されるし!」
翔子の兄、夏木優太は家に帰ったあとでも、助け出す方法がないか探っていた。
「待ってろよ翔子、兄ちゃんがぜってぇ助け出してやっからな……!」
一方ーゲーム内で。
「──ってわけで、あれがこうなって、今度はこっちが連鎖して崩れるの。そしたら今度は──」
証拠は、現実で苦戦する優太のことなど気にもとめずに、先程、どうしてあそこまで連鎖したのか説明していた。
「へぇ……、翔子って、知識だけはすごいのよねぇ……」
「『だけは』って何よ! 私だって、たまにはやれるんだからね!」
ミカは、知識だけはある翔子のことを、心の底から感心しながら話を聞いていた。ミカは腕は良いのだが、知識はそこまで無いのだ。翔子は見ての通り目立ちたがり。一緒にいるだけで、勝手にゲームの知識を学べる。
「褒めてるんだけどな、でも翔子って、よくミスってるじゃない」
「ウグ、それを言っちゃだめよぉ……」
二人は、そんな茶番をしながらも、今後のことを考えていた。
『現実世界の人と連絡を取れ』
……外の声、音、それら一切が聞こえない。無理に決まってる。そんなとき。
[大文字][中央寄せ][明朝体]ザザザ ザーザーザー ザザザ[/明朝体][/中央寄せ][/大文字]
世界の色彩が反転した。
「……! まさか、また魔物が出るの!?」
「警戒しよう、どこから出るかわからない」
それは、フラグとも言えた。決定的な、ピンチフラグ。
「[明朝体]グギィィィィ!! ギァァァァァ!![/明朝体]」
「[明朝体]ジィ! ジィ! ギギ!? ギキキキキ![/明朝体]」
「[明朝体]ガショ! ガショション! ガション![/明朝体]」
「[明朝体]ジィィィィィ、グギィィィィィィィ[/明朝体]」
「何体いるのよ!? こんなのどうすれば!」
たくさんの魔物が押し寄せてきた。数は十体を超える。こんなのどうしようもない。
「ねぇ! 翔子!! こいつ等、まとめてやっつけられない?!」
「無理だよ、こんな数! それに、このあたりはあらかた整地されちゃってるからブロック崩しもできない!」
「そんな!? ……キャァァァァ!? 痛い!! やめて!!」
魔物の一体がミカに襲いかかった。その体の表面は赤い線が数本滲んでいた。そして、その傷跡は急激に紫色に変色した。
「ミカ!? そんな! なんで! ミカ! ミカ! ねぇ聞こえる?? 返事してよ! ねぇっ!!」
ミカは何のアクションも起こさない。
「そんな、そんな、どうしたらいいの!? ねぇ、助けて! 誰かミカを助けてよ!!!!」
翔子の兄、夏木優太は家に帰ったあとでも、助け出す方法がないか探っていた。
「待ってろよ翔子、兄ちゃんがぜってぇ助け出してやっからな……!」
一方ーゲーム内で。
「──ってわけで、あれがこうなって、今度はこっちが連鎖して崩れるの。そしたら今度は──」
証拠は、現実で苦戦する優太のことなど気にもとめずに、先程、どうしてあそこまで連鎖したのか説明していた。
「へぇ……、翔子って、知識だけはすごいのよねぇ……」
「『だけは』って何よ! 私だって、たまにはやれるんだからね!」
ミカは、知識だけはある翔子のことを、心の底から感心しながら話を聞いていた。ミカは腕は良いのだが、知識はそこまで無いのだ。翔子は見ての通り目立ちたがり。一緒にいるだけで、勝手にゲームの知識を学べる。
「褒めてるんだけどな、でも翔子って、よくミスってるじゃない」
「ウグ、それを言っちゃだめよぉ……」
二人は、そんな茶番をしながらも、今後のことを考えていた。
『現実世界の人と連絡を取れ』
……外の声、音、それら一切が聞こえない。無理に決まってる。そんなとき。
[大文字][中央寄せ][明朝体]ザザザ ザーザーザー ザザザ[/明朝体][/中央寄せ][/大文字]
世界の色彩が反転した。
「……! まさか、また魔物が出るの!?」
「警戒しよう、どこから出るかわからない」
それは、フラグとも言えた。決定的な、ピンチフラグ。
「[明朝体]グギィィィィ!! ギァァァァァ!![/明朝体]」
「[明朝体]ジィ! ジィ! ギギ!? ギキキキキ![/明朝体]」
「[明朝体]ガショ! ガショション! ガション![/明朝体]」
「[明朝体]ジィィィィィ、グギィィィィィィィ[/明朝体]」
「何体いるのよ!? こんなのどうすれば!」
たくさんの魔物が押し寄せてきた。数は十体を超える。こんなのどうしようもない。
「ねぇ! 翔子!! こいつ等、まとめてやっつけられない?!」
「無理だよ、こんな数! それに、このあたりはあらかた整地されちゃってるからブロック崩しもできない!」
「そんな!? ……キャァァァァ!? 痛い!! やめて!!」
魔物の一体がミカに襲いかかった。その体の表面は赤い線が数本滲んでいた。そして、その傷跡は急激に紫色に変色した。
「ミカ!? そんな! なんで! ミカ! ミカ! ねぇ聞こえる?? 返事してよ! ねぇっ!!」
ミカは何のアクションも起こさない。
「そんな、そんな、どうしたらいいの!? ねぇ、助けて! 誰かミカを助けてよ!!!!」