あの星を目指して
「これがユウイツ三号の機体です。巷では、伝説の機体なんても言われてますね」
担当教官が細かいパーツの名前や、製造の裏話を話す。そして、それを生徒がタブレットを用いてメモする。
「先生、質問よろしいですか?」
「ええ、構いませんよ」
このクラスのリーダー的ポジションである、大山 悠成が手を挙げる。
「話を聞く限り、国家機密…までは行きませんが、外部に漏らしてはならない情報ばかりだとおもうのですが…」
「ええ。今話したことは、ユウイツ三号という極めて優れた機体を形作る、重要な情報です」
「ではなぜ…」
「君たちには、話しても問題ない、という指示が出ていますからね。これからの日本…いや、世界の最先端を担う未来の技術者には、これぐらい教えないと」
その言葉に他意は無い。
しかし、空知川 佑人は違和感を覚えた。
その違和感が何か、本人もまだ分かっていない。
この話をしたとき、終始無表情だった担任の顔が曇った。
_____________
[小文字]「…せい!…んせい![/小文字]先生!」
50代にしてはやつれた表情の男は、医療室で目を覚ました。
「良かった…貴方、頑張りすぎなんですよ!」
若い男性が声をかける。
「ああ…悪いね。社会復帰は難しそうだ…」
「そんな悲観しないでください![太字]あの伝説の機体[/太字]からの唯一の生存者なんですから」
「あれは…運が良かっただけだよ…それより、ゆう…っッ」
「先生!?また放射線の影響が…」
「…問題ないよ…やっと僕の夢が叶ったんだ。こんな所でくたばってられない…」
「先生…」
「世界に対抗できる…やつらより先にあの星へ行く、技術者を育てるんだ…」
担当教官が細かいパーツの名前や、製造の裏話を話す。そして、それを生徒がタブレットを用いてメモする。
「先生、質問よろしいですか?」
「ええ、構いませんよ」
このクラスのリーダー的ポジションである、大山 悠成が手を挙げる。
「話を聞く限り、国家機密…までは行きませんが、外部に漏らしてはならない情報ばかりだとおもうのですが…」
「ええ。今話したことは、ユウイツ三号という極めて優れた機体を形作る、重要な情報です」
「ではなぜ…」
「君たちには、話しても問題ない、という指示が出ていますからね。これからの日本…いや、世界の最先端を担う未来の技術者には、これぐらい教えないと」
その言葉に他意は無い。
しかし、空知川 佑人は違和感を覚えた。
その違和感が何か、本人もまだ分かっていない。
この話をしたとき、終始無表情だった担任の顔が曇った。
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[小文字]「…せい!…んせい![/小文字]先生!」
50代にしてはやつれた表情の男は、医療室で目を覚ました。
「良かった…貴方、頑張りすぎなんですよ!」
若い男性が声をかける。
「ああ…悪いね。社会復帰は難しそうだ…」
「そんな悲観しないでください![太字]あの伝説の機体[/太字]からの唯一の生存者なんですから」
「あれは…運が良かっただけだよ…それより、ゆう…っッ」
「先生!?また放射線の影響が…」
「…問題ないよ…やっと僕の夢が叶ったんだ。こんな所でくたばってられない…」
「先生…」
「世界に対抗できる…やつらより先にあの星へ行く、技術者を育てるんだ…」