あの星を目指して
「貴方、もう一度名前を教えてもらえるかしら?」
「いいぜ。俺は空知川 佑人。君は確か…」
「春岡 夕華。五年間よろしくね」
夕華は名前だけ聞くと、自分の席へ戻り分厚い本を読み出した。
タイトルは『Precious1の軌跡』。
佑人は数少ないクラスメイトの一人、大山 悠成に話しかけた。
「大山…悠成…だったよな?確か、部屋が隣の」
「よろしく!空知川君!君の噂は、よく耳にしてるよ」
「俺の噂?」
「いや、こっちの話。それより聞いた?明日の授業のこと」
「全然。一体何があるんだ?」
「あの伝説の有人飛行船、ユウイツ三号を近くで見れるらしいよ!」
悠成が言った瞬間、他三人がこちらを向いてきた。
何なら、佑人本人も悠成を二度見したレベルだ。
伝説の有人飛行船ユウイツ三号は、当時人類の限界とも言われていた、火星付近の小惑星に着陸することに成功した、史上初の有人飛行船だ。
そのため、宇宙好きなら一度は見たい物だが…
「でも、ユウイツ三号は今だに研究材料としてJAXAに保管されてるんじゃないのか?」
「これも噂なんだけど…この学校の地下に、そのJAXAの研究施設があるらしいんだ。何でも、他国の偵察とか侵入を防ぐためらしい…」
「でも…なんで、その上に学校なんだろうな」
「さあ?でも確かなのは、明日ユウイツ三号を見れるってことだよ。一応学級代表だから、明日の予定を聞いておいたんだ」
「有能じゃん、さすがだな。…そのカバンに付いているキーホルダーって…」
「そうそう、僕のお父さんが合格祝いにくれたんだ。君も、何かもらったりしなかったのかい?」
「いや…俺は数年前に父親が死んで、母親に買ってもらった物しかないんだよなあ」
「…それは申し訳ないことを言ったね。ごめんよ」
「いやいや、そんな気にするなって。もう五年も前のことだから、ふんぎりついてるから」
_________________________________
食事スペースでは、テレビが映っていた。
『ユウイツ三号の小惑星着陸から五年、遂に今日、[太字]空知川船員の悲願[/太字]である宇宙開発技術者養成機関が開校!』
「いいぜ。俺は空知川 佑人。君は確か…」
「春岡 夕華。五年間よろしくね」
夕華は名前だけ聞くと、自分の席へ戻り分厚い本を読み出した。
タイトルは『Precious1の軌跡』。
佑人は数少ないクラスメイトの一人、大山 悠成に話しかけた。
「大山…悠成…だったよな?確か、部屋が隣の」
「よろしく!空知川君!君の噂は、よく耳にしてるよ」
「俺の噂?」
「いや、こっちの話。それより聞いた?明日の授業のこと」
「全然。一体何があるんだ?」
「あの伝説の有人飛行船、ユウイツ三号を近くで見れるらしいよ!」
悠成が言った瞬間、他三人がこちらを向いてきた。
何なら、佑人本人も悠成を二度見したレベルだ。
伝説の有人飛行船ユウイツ三号は、当時人類の限界とも言われていた、火星付近の小惑星に着陸することに成功した、史上初の有人飛行船だ。
そのため、宇宙好きなら一度は見たい物だが…
「でも、ユウイツ三号は今だに研究材料としてJAXAに保管されてるんじゃないのか?」
「これも噂なんだけど…この学校の地下に、そのJAXAの研究施設があるらしいんだ。何でも、他国の偵察とか侵入を防ぐためらしい…」
「でも…なんで、その上に学校なんだろうな」
「さあ?でも確かなのは、明日ユウイツ三号を見れるってことだよ。一応学級代表だから、明日の予定を聞いておいたんだ」
「有能じゃん、さすがだな。…そのカバンに付いているキーホルダーって…」
「そうそう、僕のお父さんが合格祝いにくれたんだ。君も、何かもらったりしなかったのかい?」
「いや…俺は数年前に父親が死んで、母親に買ってもらった物しかないんだよなあ」
「…それは申し訳ないことを言ったね。ごめんよ」
「いやいや、そんな気にするなって。もう五年も前のことだから、ふんぎりついてるから」
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食事スペースでは、テレビが映っていた。
『ユウイツ三号の小惑星着陸から五年、遂に今日、[太字]空知川船員の悲願[/太字]である宇宙開発技術者養成機関が開校!』