あの星を目指して
「お父さん!速く速く!」
十歳程の男の子が走り出す。
ここは宇宙博物館。
この子どもが憧れる、宇宙船を間近で見られる場所だ。
「「うわ~かっこいい~」」
男の子は、ん?、と隣を見る。
同じような表情で、隣の女の子がこちらを見ている。
「なんだおまえ、女がこんな所くんなよ」
「はぁ!?なによあんた!これだから、表面しか見てない男子は…」
「なんだと!じゃあ、この宇宙船の名前、打ち上げた年、誰がキャプテンだったか、全部言えるのか?俺は言えるぜ!名前はレジリエーション、打ち上げは19XX 年…」
「そんなこと、私だって言えるわよ!私が言いたいのは、なんでこの宇宙船が作られたのか、この宇宙船の成果とか…そういうことを言ってるの!分かる?」
「う…」
「いいわ、そんなに言うぐらいなら勝負よ!」
「な、なにでだよ…?」
「さすがに、宇宙飛行士採用試験のことは知ってるわよね?」
「も、もちろんだ!俺は宇宙飛行士になるために、英語、中国語、他にもたくさん勉強しているんだ!」
「そう、合格率が0.5%を切る、選ばれし人しか受かれない試験。先に宇宙飛行士になったほうが勝ち」
「いいぜ、その勝負受けてやるよ」
「あ、名前だけ教えて。あなたが宇宙飛行士になってもわからないから」
「俺は空知川 佑人、10歳だ」
「私は春岡 夕華、11歳よ。それじゃ、私行くから」
「おう」
男の子が呟くように、脳に刻み込んだ。
「はるおか…ゆうか…」
女の子も同じように、繰り返す。
「そらちがわ…ゆうと…ね」
十歳程の男の子が走り出す。
ここは宇宙博物館。
この子どもが憧れる、宇宙船を間近で見られる場所だ。
「「うわ~かっこいい~」」
男の子は、ん?、と隣を見る。
同じような表情で、隣の女の子がこちらを見ている。
「なんだおまえ、女がこんな所くんなよ」
「はぁ!?なによあんた!これだから、表面しか見てない男子は…」
「なんだと!じゃあ、この宇宙船の名前、打ち上げた年、誰がキャプテンだったか、全部言えるのか?俺は言えるぜ!名前はレジリエーション、打ち上げは19XX 年…」
「そんなこと、私だって言えるわよ!私が言いたいのは、なんでこの宇宙船が作られたのか、この宇宙船の成果とか…そういうことを言ってるの!分かる?」
「う…」
「いいわ、そんなに言うぐらいなら勝負よ!」
「な、なにでだよ…?」
「さすがに、宇宙飛行士採用試験のことは知ってるわよね?」
「も、もちろんだ!俺は宇宙飛行士になるために、英語、中国語、他にもたくさん勉強しているんだ!」
「そう、合格率が0.5%を切る、選ばれし人しか受かれない試験。先に宇宙飛行士になったほうが勝ち」
「いいぜ、その勝負受けてやるよ」
「あ、名前だけ教えて。あなたが宇宙飛行士になってもわからないから」
「俺は空知川 佑人、10歳だ」
「私は春岡 夕華、11歳よ。それじゃ、私行くから」
「おう」
男の子が呟くように、脳に刻み込んだ。
「はるおか…ゆうか…」
女の子も同じように、繰り返す。
「そらちがわ…ゆうと…ね」