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短編集。

#8

余命宣告。(7)

私は急いで病院に向かった。

佑がいる部屋に入ると、佑はすでに目を覚ましていた。


「佑!!」

「愛…、ごめんな…迷惑ばっかかけて…。」


私は首を横に振った。


「俺言ったよ……、[太字]治療しません[/太字]って…。」

「え…?どういうこと…?」

「言われたんだ…、もう選ばなきゃいけないって…、治療するか、このまませずに死を待つか。」


私は佑が治療をしない決断をしたことに腹が立った。


「相談してよ…、私嫌だよ。このまま死を待つしかないのは。」

「ごめんな…、でももういいんだよ…。」
「俺は幸せだった…。」

「佑!」


私は泣きながら訴えた。


「嫌だ……、死なないで…。お願い…、治療してよ…、お願い…お願い…。」


すると佑は震えた手で、だけど確かにその頼もしい手で私の頭を撫でてくれた。


「大丈夫……。愛だったらやっていけるよ……。だって愛すごいもん…。」


そういう問題じゃない。

私は佑と一緒に生きていきたいだけなのに…。

でも、どうしてもそれを佑に伝えることができなかった。


「佑……。」

「愛…、俺の目を見て…。」


そう言われてすぐ目を見た。

佑は泣いていた。


「俺も生きたいよ…。愛が頼もしいお母さんでいて、ずっと可愛くて素敵な奥さんだって…沢山自慢したい…。みるが……小学校に入学して…卒業して…成人式だって見たい…。みるの結婚式は…、俺は泣いちゃうかな……wその全てを愛に託す…。愛ならこれ、全部できるだろ…?俺は、愛の中では生きてたから……。みるは忘れちゃうかもしれないけど…、いいんだ…。愛が伝えてくれれば…。」

「生きたいなら…、どうして…?」

「迷惑をかけるのもそうだけど……、愛とみるのことを…愛してるから……。」

「え……?」

「愛してるからこそ…、迷惑をかけたくない…。愛…、大丈夫…。愛なら大丈夫。夫の俺が言ってるんだから確かだよ…。……最後まで一緒にいてあげられなくてごめんね…。他の旦那さんみたいに、強くて、頼もしい旦那じゃなくて…、ごめんね…。」


私は佑のその言葉に、声を出して泣いた。

私は、佑の選択を尊重することにした。

2025/04/25 23:24

ayumi. ID:≫ 72.8xvjYRJ7as
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