短編集。
探し始めてどれくらい経ったのだろうか…。
私はいつの間にか、絶対いないであろう病院の前に来ていた。
そしてそこのベンチに座り、いろんな考え事をしていた。
すると病院から出てくる佑の姿があった。
私はなんの考えもせずに声をかけた。
「佑…!!」
「…愛?!どうしてここに…?」
「ちょっ…その格好…!」
「え?」
私は家を飛び出してきてしまったせいか、パジャマのまま、つまり、佑の前でしか見せないゆるすぎる格好できてしまっていた。
それを見た佑は、自分が着ていたカーディガンを私に着せてくれた。
「ごめん…、私あの手紙見てパニックで何もせずに出てきちゃってた…。」
「…ごめんな。」
「なんで謝るの…?ねぇ、私なんか悪いことした…?」
そう聞くと、佑はすぐに首を横に振った。
「違うんだ、愛は全く悪くない…。」
「じゃあ、なに…?というかどうして病院なんかに…?」
「落ち着いて聞いて欲しいんだけどさ…。」
「うん…、」
「俺死ぬんだって。」
「え…?」
私は落ち着いて聞くことなんかできなくなった。
佑の話によると、1ヵ月ほど前から余命宣告を受けてて、昨日も言おうとしたがやはり言えなかった、とのこと。
そして家を出てきた理由も、治療をするとなると、私に迷惑がかかるし、みるにも迷惑がかかるから先に手放してしまった、とのこと。
「ごめん…。俺勝手に愛とみるのこと手放して先に離れようとしてた…、ごめんなさい。」
「謝らないで…、それよりどういうこと…。」
「治療をすれば治るかもしれないって…、でもその確率が40%いくかいかないかくらいで…、お金もかかるしやめようと思ってるんだ。」
「どうして言ってくれなかったの…。」
「俺は、愛とみるに迷惑をかけたくなかった。」
「だから…、」
「言ってくれた方が嬉しかった…、隠さないで欲しかった…。」
私はいつの間にか泣いていた。
まだ周りに人はいない、なんせ6:30なのだから。
そんな様子を見て佑は抱きしめてくれた。
でも私は嫌だった。今はそんな気分ではなかった。
だから、私は佑の手を振り解いた。
「離して!」
「愛、」
「お願いだから…、ちょっと一人にさせて…。」
「みる、桜の家だから…。」
「……わかった。」
私には時間が必要だった。
今思えば、私は自己中だったなと思う。佑には時間がなかったのに。
**
私はいつの間にか、絶対いないであろう病院の前に来ていた。
そしてそこのベンチに座り、いろんな考え事をしていた。
すると病院から出てくる佑の姿があった。
私はなんの考えもせずに声をかけた。
「佑…!!」
「…愛?!どうしてここに…?」
「ちょっ…その格好…!」
「え?」
私は家を飛び出してきてしまったせいか、パジャマのまま、つまり、佑の前でしか見せないゆるすぎる格好できてしまっていた。
それを見た佑は、自分が着ていたカーディガンを私に着せてくれた。
「ごめん…、私あの手紙見てパニックで何もせずに出てきちゃってた…。」
「…ごめんな。」
「なんで謝るの…?ねぇ、私なんか悪いことした…?」
そう聞くと、佑はすぐに首を横に振った。
「違うんだ、愛は全く悪くない…。」
「じゃあ、なに…?というかどうして病院なんかに…?」
「落ち着いて聞いて欲しいんだけどさ…。」
「うん…、」
「俺死ぬんだって。」
「え…?」
私は落ち着いて聞くことなんかできなくなった。
佑の話によると、1ヵ月ほど前から余命宣告を受けてて、昨日も言おうとしたがやはり言えなかった、とのこと。
そして家を出てきた理由も、治療をするとなると、私に迷惑がかかるし、みるにも迷惑がかかるから先に手放してしまった、とのこと。
「ごめん…。俺勝手に愛とみるのこと手放して先に離れようとしてた…、ごめんなさい。」
「謝らないで…、それよりどういうこと…。」
「治療をすれば治るかもしれないって…、でもその確率が40%いくかいかないかくらいで…、お金もかかるしやめようと思ってるんだ。」
「どうして言ってくれなかったの…。」
「俺は、愛とみるに迷惑をかけたくなかった。」
「だから…、」
「言ってくれた方が嬉しかった…、隠さないで欲しかった…。」
私はいつの間にか泣いていた。
まだ周りに人はいない、なんせ6:30なのだから。
そんな様子を見て佑は抱きしめてくれた。
でも私は嫌だった。今はそんな気分ではなかった。
だから、私は佑の手を振り解いた。
「離して!」
「愛、」
「お願いだから…、ちょっと一人にさせて…。」
「みる、桜の家だから…。」
「……わかった。」
私には時間が必要だった。
今思えば、私は自己中だったなと思う。佑には時間がなかったのに。
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