伊達様の草の者 〜姫の巻〜
伊達政宗18才。
伊達輝宗は、政宗に当主を渡そうと思うことを、忍びの者等『[漢字]黒脛巾組[/漢字][ふりがな]くろはばきぐみ[/ふりがな]』に伝えた。
「輝宗様!? 輝宗様はまだお若い!」
「そうです! それに、政宗様はまだ十代ですよ?」
「なにゆえ、そのようなご決断を?」
『黒脛巾組』は、輝宗に恩があるだけに、当主交代にうるさかった。
輝宗はうっすらと口を開き、キッパリと言った。
「政宗に継がせるのは、小次郎との後継争いをさせたくないからである。そして、私が死ぬというわけではないのだから、そんなに騒ぎ立てないでくれ」
「私どもめは、どうなるのでしょうか…?」
鶴が手を挙げて、問う。
それに対し、輝宗は答えた。
「政宗は、もっとたくさんの忍びが必要だと言っていた。きっと、お前たちを解雇するような真似はしないだろうから、新たに入って来た者等に、優しく接してやってくれ」
「はい、[漢字]仰[/漢字][ふりがな]おお[/ふりがな]せ[漢字]仕[/漢字][ふりがな]つかまつ[/ふりがな]りました」
「うむ。そう言ってもらえると嬉しい」
輝宗は政宗に家督を譲った。
義姫は、それこそ「小次郎を当主に」とせがみ、政宗を当主にすることを拒んだが、小次郎は、母の思いとは裏腹に「兄には頑張って欲しい」と思っていた。
「今日から、政宗が伊達の当主だ。皆、助けてやってくれ」
『ははっ!』
「片倉小十郎、伊達成実は、若い。これから政宗と長い付き合いとなるだろう。よろしく頼む」
「輝宗様、私たちは家臣。政宗様を裏切るような真似は致しませぬ」
「そう言ってもらえると助かる」
そう言って、伊達家の新たなる時代が始まった。
伊達輝宗は、政宗に当主を渡そうと思うことを、忍びの者等『[漢字]黒脛巾組[/漢字][ふりがな]くろはばきぐみ[/ふりがな]』に伝えた。
「輝宗様!? 輝宗様はまだお若い!」
「そうです! それに、政宗様はまだ十代ですよ?」
「なにゆえ、そのようなご決断を?」
『黒脛巾組』は、輝宗に恩があるだけに、当主交代にうるさかった。
輝宗はうっすらと口を開き、キッパリと言った。
「政宗に継がせるのは、小次郎との後継争いをさせたくないからである。そして、私が死ぬというわけではないのだから、そんなに騒ぎ立てないでくれ」
「私どもめは、どうなるのでしょうか…?」
鶴が手を挙げて、問う。
それに対し、輝宗は答えた。
「政宗は、もっとたくさんの忍びが必要だと言っていた。きっと、お前たちを解雇するような真似はしないだろうから、新たに入って来た者等に、優しく接してやってくれ」
「はい、[漢字]仰[/漢字][ふりがな]おお[/ふりがな]せ[漢字]仕[/漢字][ふりがな]つかまつ[/ふりがな]りました」
「うむ。そう言ってもらえると嬉しい」
輝宗は政宗に家督を譲った。
義姫は、それこそ「小次郎を当主に」とせがみ、政宗を当主にすることを拒んだが、小次郎は、母の思いとは裏腹に「兄には頑張って欲しい」と思っていた。
「今日から、政宗が伊達の当主だ。皆、助けてやってくれ」
『ははっ!』
「片倉小十郎、伊達成実は、若い。これから政宗と長い付き合いとなるだろう。よろしく頼む」
「輝宗様、私たちは家臣。政宗様を裏切るような真似は致しませぬ」
「そう言ってもらえると助かる」
そう言って、伊達家の新たなる時代が始まった。