伊達様の草の者 〜姫の巻〜
「某は大内定綱、当主交代を機に、是非とも伊達家に仕えたく思います───」
ひとりの男が頭を下げて話す。
彼の名は、大内定綱。蘆名に仕える男だ。
「お前は、蘆名に仕えておるだろう?」
「忠誠を誓いますが…それでも信じてはいただけませぬか?」
「…いや、まあいいだろう」
「ありがたき幸せにございます…」
(今は当主が若い。陥れることも、容易かろう)
こうして、大内定綱は伊達家に仕えるようになった。
───しかし、1年後。
大内定綱は出奔し、再び蘆名家についた。
[明朝体]『これより伊達家と関わりを断つ』[/明朝体]
「はあっ!? 定綱め、若殿を愚弄しおって!!」
「政宗様、定綱と一戦交えましょうぞ!」
成実や左月斎が怒りをあらわにして、怒鳴る。
それを、政宗がしずめた。
「左月斎。敵は定綱ではないぞ」
「そうですね、おそらく後ろには蘆名がいる」
そう冷静に解釈したのは、片倉景綱。片倉小十郎だ。
「定綱如きを敵にしていては、取れる天下も取れぬ! 蘆名と一戦交えようではないか!」
『ははっ!!!』
三人は蘆名を倒すべく、足早に、その場を辞した。
「蘆名と戦うと聞いた。本当に大丈夫なのか?」
「父上! 蘆名の当主はまだ二歳という幼子。今が[漢字]好機[/漢字][ふりがな]チャンス[/ふりがな]です!」
「…死ぬなよ」
「はい!」
ひとりの男が頭を下げて話す。
彼の名は、大内定綱。蘆名に仕える男だ。
「お前は、蘆名に仕えておるだろう?」
「忠誠を誓いますが…それでも信じてはいただけませぬか?」
「…いや、まあいいだろう」
「ありがたき幸せにございます…」
(今は当主が若い。陥れることも、容易かろう)
こうして、大内定綱は伊達家に仕えるようになった。
───しかし、1年後。
大内定綱は出奔し、再び蘆名家についた。
[明朝体]『これより伊達家と関わりを断つ』[/明朝体]
「はあっ!? 定綱め、若殿を愚弄しおって!!」
「政宗様、定綱と一戦交えましょうぞ!」
成実や左月斎が怒りをあらわにして、怒鳴る。
それを、政宗がしずめた。
「左月斎。敵は定綱ではないぞ」
「そうですね、おそらく後ろには蘆名がいる」
そう冷静に解釈したのは、片倉景綱。片倉小十郎だ。
「定綱如きを敵にしていては、取れる天下も取れぬ! 蘆名と一戦交えようではないか!」
『ははっ!!!』
三人は蘆名を倒すべく、足早に、その場を辞した。
「蘆名と戦うと聞いた。本当に大丈夫なのか?」
「父上! 蘆名の当主はまだ二歳という幼子。今が[漢字]好機[/漢字][ふりがな]チャンス[/ふりがな]です!」
「…死ぬなよ」
「はい!」