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二次創作
知らないで

#1


「俺を織田作と呼ぶな」
私の心臓に銃が向けられている。その黒光りよりも私の心臓を揺らしたのは、彼の鋭い声だった。

彼は緊張している。あの世界では友人だったのだからそれがよく分かる。他の誰よりも。
私は顔を上げた。ああ、と思った。

明るい世界で生きている彼は眩しかった。

「大変だったんだ」
言わないつもりだった。それなのに、言葉が舌を滑り落ちていた。
「本当に大変だったのだよ。君のいない組織でミミックと戦い、森さんの後をやむなく継ぎ、すべてを敵に回して組織を拡大した。すべてはこの世界のーー」

そこから先は言葉にならなかった。いっそこのまま彼に撃たれて死んでしまいたいと思った。だがこの店では撃ってほしくない。それだけは、絶対に。
ここはあの世界で唯一、私たちがただの友達で有れた場所なのだから。

ああ、私は死ぬのだ、それはこの世界のためだ、紛れもなく君、ただ君のために死ぬのだ。そう言葉にしたところで一体何が得られるだろう。彼には何も知らず幸せになってほしいのだ。死に向かう私の最期の願いだ。

私たちの側を流れるピアノ曲は、時の止まったような店内にさよならの曲を染み込ませていた。優しく、それは残酷に。

「君をここに招いたのは、最後にさよならを云うためだ」
君は知らなくていい。この世界の真実も、私の真意も。この場を飾るための言葉だと、それだけの言葉だと思ってくれればいい。
君はどうか何も知らないで、幸せになってくれ。

作者メッセージ

閲覧ありがとう

2025/04/25 21:04

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