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ゆる勇!〜世界一ゆるい勇者養成学校〜

#16

新たな世界へ!勇者たちの未来

 時の魔王を封印し、世界を救ったツキミたち。最終兵器の謎も解明され、無事に王国を守りきった彼らは、ついに卒業の時を迎えた。

 だが、何もかもが完璧に終わったわけではなかった。魔王の息子、ルードがしみじみと言った。

「なんか、終わったって実感が湧かねぇな」

 「なんでだろうね?」とツキミが答えつつも、彼の言葉にうなずく。すべての試練を乗り越えた後、何かが物足りなく感じるのだ。

「こうしてみると、今までの毎日がただの遊びみたいだったけど、やっぱりみんなと過ごした時間は大切だったよな」

 イーラが微笑んだ。

「そうだね。あんな適当なカリキュラムで、こんなにも成長できるなんて思わなかったよ。……まぁ、最終的には本当に伝説の勇者になったしね」

「ほんとだよな。俺たち、全然ノリで生きてきたのに、最後には大仕事してるっていう」

 ネムがニヤリと笑いながら言った。

「まあ、力を合わせたからこそだよね。寝てばかりいたけど、最後にはしっかり力になったし」

「お前、寝てた割にはすげぇ活躍してたもんな」

 ツキミが苦笑いをしつつ、みんなの顔を見回した。ついに、最後の試験を突破し、無事に卒業したことを実感し始めていた。

 その日の夕方、王国の広場では大々的な卒業式が開かれた。王様自らが出席し、ツキミたちに勲章を授ける。

「君たちこそ、本当に素晴らしい勇者だ。これからも、どんな困難にも立ち向かい、世界を守っていくのだ」

 王様の言葉に、ツキミたちは深々と頭を下げた。

「ありがとうございます」

「これからも精一杯、頑張ります」

 その後、王国からの祝賀会が開かれ、ツキミたちは友達や家族、先生たちと共に大いに祝った。ゴウ先生は例によって、かなりお酒を飲みすぎてはいたが、最後までにこやかな表情を見せていた。

「お前ら、本当にすごかったなぁ。俺、もう感動で涙が出そうだ」

「お前、何もしてなかっただろ!」

 ツキミは軽くツッコんだが、ゴウ先生は酒の力で笑っていた。

 次の日、ツキミたちは卒業証書を手にして、王国を後にした。ツキミは、仲間たちと共にどんな未来が待っているのか、楽しみで仕方がなかった。

「さあ、どこに行こうか?」

 ルードが振り返りながら言った。

「今はとりあえず、世界を見て回ろうよ。学校のカリキュラムでは見れなかった世界もたくさんあるし、行きたいところがあるんだ」

「それもいいかもね。どこに行くにしても、みんなとなら楽しいだろうし」

 イーラが答え、ネムが「昼寝しながら行こうか?」と提案した。

 ツキミはその提案を聞いて、笑いながら答えた。

「やっぱりお前、寝てばっかだな」

 こうして、**「ゆる勇!」**の物語は終わった。ツキミたちは新たな冒険に向けて歩き出し、ゆるく、でも確実に世界を歩んでいくことになるだろう。

 世界一ゆるい勇者養成学校で、最も不完全で強い勇者たちが生まれた。その先に、どんな冒険が待っているのか。誰にも分からないが、きっとそれは新しい未来へと繋がっていくだろう。

【📣クロくんアナウンス:「勇者たちの冒険はこれからも続きます。新たな世界へと踏み出し、さらに多くの伝説が生まれることでしょう。」】

作者メッセージ

ここまで『ゆる勇!』を読んでくださった皆さん、本当にありがとうございました。

この物語は、「勇者ものって、もっとゆるくてもいいんじゃない?」という思いつきから始まりました。強さとか使命とか、そういうものに縛られない、ちょっとふざけた、でもどこか本気の少年少女たちの冒険を描いてみたかったんです。

誰もが完璧じゃないけど、だからこそお互いを支え合いながら、時に笑い、時にぶつかり、最後にはちゃんと「勇者」になってくれました。

この物語は一度ここで区切りですが、彼らの人生はまだまだ続いていきます。ゆるく、自由に、でも確かに前を向いて。
そんな姿を、少しでも読んでくれた皆さんの心に残せていたら嬉しいです。

それでは、またどこかの物語でお会いしましょう。
これからも、どうぞよろしくお願いします!

月影

2025/05/09 22:17

月影 ID:≫ 5iUgeXQ3Vbsck
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