目が覚めたらワールドトラベラーになっていた!?
「……ねぇ」
「何も言わないでくれ……」
お菓子の世界へと飛んでしまった二人は、呆然としていた。
『ひきこさん』の顔を見てしまったあとなのだ。仕方のないことだろう。お菓子を喜ぶことなど出来もしない。
「と、とりあえず……、家っぽいのが見えるから、そっちに向かってみよう……」
「ヘンゼルとグレーテルじゃないわよね……?」
「うへっ、恐いこと言わないでよ、たしかあれって、貧困で、口減らしのために森に捨てられた二人が魔女のバァさんに、さんざんお菓子食べさせられて、肥えたところを食ってやるって話だろ?」
○○はよく知られている簡単なあらすじを述べた。しかし、薄利は首を振った。
「何言ってるのよ。お婆さんも、口減らしのために森に捨てられた娘でしょう? 恐いのはヘンゼルたちよ。お婆さんを殺して財産を奪って、あたかも自分たちの手柄のように見せかけて堂々と家に帰宅したってゆう話よ?」
薄利はグリム童話で語られる『ヘンゼルとグレーテル』の話をした。
「えぇ……? 聞いたこと無いけど……」
○○は童話として語られるそれしか知らなかったため、困惑してしまった。
「あなたの住んでた世界ではあまり語られていなかったのかもしれないわね。あるいは、そもそも歴史が違うか」
薄利が、最もそうな意見を言っていると、とうとう家らしきものの玄関まで来てしまった。
ふたりとも、ゴクリとつばを飲む。
「……いい? 3,2,1でノックをするわよ」
「了解」
3,2,1
[小文字]「スゥゥゥゥゥゥ……」[/小文字]
[中央寄せ][大文字][太字]コンコンコン[/太字][/大文字][/中央寄せ]
「はい〜? どなた?」
家の中から、老婆が出てきた。
二人の顔が、青ざめたのは、仕方のないことだった。
「何も言わないでくれ……」
お菓子の世界へと飛んでしまった二人は、呆然としていた。
『ひきこさん』の顔を見てしまったあとなのだ。仕方のないことだろう。お菓子を喜ぶことなど出来もしない。
「と、とりあえず……、家っぽいのが見えるから、そっちに向かってみよう……」
「ヘンゼルとグレーテルじゃないわよね……?」
「うへっ、恐いこと言わないでよ、たしかあれって、貧困で、口減らしのために森に捨てられた二人が魔女のバァさんに、さんざんお菓子食べさせられて、肥えたところを食ってやるって話だろ?」
○○はよく知られている簡単なあらすじを述べた。しかし、薄利は首を振った。
「何言ってるのよ。お婆さんも、口減らしのために森に捨てられた娘でしょう? 恐いのはヘンゼルたちよ。お婆さんを殺して財産を奪って、あたかも自分たちの手柄のように見せかけて堂々と家に帰宅したってゆう話よ?」
薄利はグリム童話で語られる『ヘンゼルとグレーテル』の話をした。
「えぇ……? 聞いたこと無いけど……」
○○は童話として語られるそれしか知らなかったため、困惑してしまった。
「あなたの住んでた世界ではあまり語られていなかったのかもしれないわね。あるいは、そもそも歴史が違うか」
薄利が、最もそうな意見を言っていると、とうとう家らしきものの玄関まで来てしまった。
ふたりとも、ゴクリとつばを飲む。
「……いい? 3,2,1でノックをするわよ」
「了解」
3,2,1
[小文字]「スゥゥゥゥゥゥ……」[/小文字]
[中央寄せ][大文字][太字]コンコンコン[/太字][/大文字][/中央寄せ]
「はい〜? どなた?」
家の中から、老婆が出てきた。
二人の顔が、青ざめたのは、仕方のないことだった。