”晴くんはどうする？”



「....」



　　　たらり、と首を伝う汗。

　　　それを拭うとのんびり起き上がって
　　　側に飾られた●●ちゃんの写真を見た。
　　　おはよう、と言うために。



　　　...でも、声がでない。
　　　今日は言わないことにした。



　　　・・・



　　　”晴くんはどうする？”



　　　この頃、息が詰まっているように感じる。



　　　●●ちゃんのことが好きだと言っていた
　　　不破さんにも手伝ってもらったのに
　　　改善するどころか悪化している気がして。

　　　今夜●●ちゃんに会ったら
　　　どんな顔をしたらいいんだろう。



　　　....どうすればいいか分からない。
　　　頭が痛い気がする。



　　　・・・



　　　”晴くんはどうする？”



「どうも、しないよ。できないよ」



　　　ふるふる、と力なく首を左右に揺らす。

　　　長い夢から覚めたらしい。



　　　”晴くんはどうする？”



　　　逃げ続けた結末、結果は最悪になった。

　　　ガシャン、と砕ける試験管と
　　　どんどんグチャグチャになっていく研究室。



　　　夢から覚めた、なんて
　　　本当かどうか知らない、だからさ。



「....これも夢だよ。そうでしょ？」



　　　目の前の彼女は今も、
　　　いつまでもナニカを待っている。

　　　それ、がさ。
　　　僕だったらいいけど。



　　　＃”ハルくんはどうする？”　start〜