きっと出来ない
#1
この世の中ってさ、
結構生き延びるのって厳しいし、
孤立してしまう人だっているわけじゃん。
そんななかでもさ、
日本ってめっちゃ恵まれた国だよね。
戦争していないし、
富士山とか桜とか、きれいだし、
ごはんもおいしいじゃん。お寿司とかね。
蛇口をひねればおいしい水が出てきて、
街灯だってついてるし、
自然がたくさんあるしね。
でもなんで、
僕はこんなにくるしいんだろうね。
全ては昨日の出来事がきっかけ。
「先生!今日期限ですよね。提出物、持ってきました!」
そう僕は言った。
僕は提出期限を基本的に破ってしまうので、守れたことは僕にとってとてもうれしいことだった。
しかし、先生は違った。
「こんなに期限ギリギリじゃなくて、もっと早く出しなさい。」
それだけならまだ「はい」で済んだんだ。
でもそのあと先生は、
「本当にわかってる?いつも出せないんだから、どうせ次も出せないんでしょう?次の期限を、お母さんに連絡しておきましょうか。」
僕はお母さんに期限が守れないことを隠していたので、それは本当に嫌だった。
「やめてください!」
僕は言った。
「でも、いつもだせないんですもの。自分の責任。自分を責めなさい。」
確かに、そうだ。僕が完全に悪い。
だからこそ、僕はなにも言いかえせずに、今、帰路についている。
この今の気持ちは、明日になったらきれいさっぱり消えているんだ。
何か言い返してやりたい。
でもできない。
たったそれだけなのに、今、僕は「死にたい」とおもってしまっている。
この世って、難しいね。
/ 1