二次創作
《 HQ 》 # 狐 の 窓 ? ¿
― ― ―
? 「 行ってきます 」
誰 も 返事 を する 訳 の ない 寮 の 部屋 に そう 告げ 、 扉 を 閉じる 。
扉 に 鍵 を 掛けて 顔 を 上げる と 、
同じく 誰 も 居ない 静か な 廊下 が 伸びていた 。
私の名前は 『 [漢字]佐狐[/漢字][ふりがな]さこ[/ふりがな][漢字]山[/漢字][ふりがな]やま[/ふりがな] [漢字]柚[/漢字][ふりがな]ゆず[/ふりがな] 』 。
ここ 、 [漢字]稲荷[/漢字][ふりがな]いなり[/ふりがな][漢字]崎[/漢字][ふりがな]ざき[/ふりがな]高校の二年生である 。
部活 は 何処 にも 所属 して おらず 、
そう 大して 疲れる こと も なく 悠々 と 過ごして いる 。
友達関係 を 作る 上 で の モットー は 広く 浅く 、
ぼっち には ならない よう に 上手い こと 調節 して いる 。
まあ 、 要 は 他人 の 人生 の 脇役 に 回る よう な 人間 で ある 。
寮 の 玄関 から 外 に 出て 、 校門 を 目指す 。
今 の 時間帯 だと 、 生徒 の 数 が 多い 。
まだ 時間 が あるから と 部屋 に 居る のか 寮 から 出て くる 人 は 少ない が 、
外部 から の 登校者 が 続々 と 校門 を 潜っていく 。
学校 の 斜め 向かい に 位置 する この 寮 に は 、
全校 の 約 五割 が 住んで いる らしい 。
そう 、 あの人たちも __
もぶ 「 ねえ 見て 、 [漢字]侑[/漢字][ふりがな]あつむ[/ふりがな] くん や ! 」
もぶ 「 [漢字]治[/漢字][ふりがな]おさむ[/ふりがな] くん も いる 、 今日 も かっこええ なぁ … 」
そんな 言葉 を 背 に 受け ながら 、 二人 の 男子 が 校門 を 潜って いく 。
女子 たち の 声 は 耳 に 入って いない のか 、
はたまた 聞こえない フリ を している のか 。
美しく 整った 顔立ち は 良く 似ていて 、
違う 点 と 言えば 髪色 と 前髪 の 分け目 くらい だろう 。
この 二人 は 言う まで も 無く 双子 で 、
同じ 二年生 ながら 男子 バレー 部 の レギュラー だと いう 。
その 活躍 ぶり と 整った 容姿 [漢字]故[/漢字][ふりがな]ゆえ[/ふりがな] 、
女子 の ファン を 数え 切れない ほど 抱えて いる らしい 。
金髪で 、 どちらか と 言えば 明るくて [漢字]喧[/漢字][ふりがな]やかま[/ふりがな]しい のが 『 [漢字]宮[/漢字][ふりがな]みや[/ふりがな] [漢字]侑[/漢字][ふりがな]あつむ[/ふりがな] 』 。
銀髪で 、 どちらか と 言えば 落ち着いて いる のが 『 [漢字]宮[/漢字][ふりがな]みや[/ふりがな] [漢字]治[/漢字][ふりがな]おさむ[/ふりがな] 』 。
ファン の 中 でも 、 かなり 派閥 は 分かれて いる ようだ 。
? 「 なあ [漢字]治[/漢字][ふりがな]サム[/ふりがな] 、 今日 何 の テスト やった っけ 」
? 「 俺 が 知る 訳 無い やろ 。 クラス ちゃう っちゅう ねん 」
? 「 せやった わ 、 ほな [漢字]銀[/漢字][ふりがな]ぎん[/ふりがな] に 聞こ 」
? 「 始め から そう せい [漢字]阿呆[/漢字][ふりがな]アホ[/ふりがな] 」
? 「 あぁん !? 喧しい わ ボケ !! 」
二人 は お互い を 睨み 合った 後 、
[漢字]殆[/漢字][ふりがな]ほとん[/ふりがな]ど 同時 に 校舎 に 向かって 駆け 出して 行った 。
足音 も 見た目 も [漢字]煩[/漢字][ふりがな]うるさ[/ふりがな]い 。
ぶっちゃけ 、 あまり 好き では 無い 部類 の 男子 である 。
柚 「 … 喧し 、 」
思わず ぽつり と そう [漢字]溢[/漢字][ふりがな]こぼ[/ふりがな]した とき 、 誰か に 右肩 を ぽん と 叩かれた 。
? 「 __ ごめん 、 あいつ ら 煩い よね 。
これ あげる から 、 許して やって よ 」
そんな 声 の した 方向 に 顔 を 上げる と 、
涼しげ な 切れ長 の 目 を 持った 高身長 の 男子 が 飴 を 差し出して きて いた 。
柚 「 あ 、 いえ 、 そんな 」
? 「 良いから 良いから 。
俺 あいつら と 同じ 部活 だから さ 、 連帯責任 みたい な ? 」
そう 言って 笑った 切れ長 の 目 の 男子 は 、
私 に 半ば 強引 に 飴 を 押し付ける と そのまま 歩いて行った 。
あれ は 確か 、 双子 と 同じ バレー 部 の 『 [漢字]角名[/漢字][ふりがな]すな[/ふりがな] [漢字]倫[/漢字][ふりがな]りん[/ふりがな][漢字]太[/漢字][ふりがな]た[/ふりがな][漢字]郎[/漢字][ふりがな]ろう[/ふりがな] 』 だった はず …
柚 「 … 如何 でも ええ か 」
押し付け られた 飴 を 鞄 に 突っ込み 、 私 は また 歩き 出した 。
? 「 行ってきます 」
誰 も 返事 を する 訳 の ない 寮 の 部屋 に そう 告げ 、 扉 を 閉じる 。
扉 に 鍵 を 掛けて 顔 を 上げる と 、
同じく 誰 も 居ない 静か な 廊下 が 伸びていた 。
私の名前は 『 [漢字]佐狐[/漢字][ふりがな]さこ[/ふりがな][漢字]山[/漢字][ふりがな]やま[/ふりがな] [漢字]柚[/漢字][ふりがな]ゆず[/ふりがな] 』 。
ここ 、 [漢字]稲荷[/漢字][ふりがな]いなり[/ふりがな][漢字]崎[/漢字][ふりがな]ざき[/ふりがな]高校の二年生である 。
部活 は 何処 にも 所属 して おらず 、
そう 大して 疲れる こと も なく 悠々 と 過ごして いる 。
友達関係 を 作る 上 で の モットー は 広く 浅く 、
ぼっち には ならない よう に 上手い こと 調節 して いる 。
まあ 、 要 は 他人 の 人生 の 脇役 に 回る よう な 人間 で ある 。
寮 の 玄関 から 外 に 出て 、 校門 を 目指す 。
今 の 時間帯 だと 、 生徒 の 数 が 多い 。
まだ 時間 が あるから と 部屋 に 居る のか 寮 から 出て くる 人 は 少ない が 、
外部 から の 登校者 が 続々 と 校門 を 潜っていく 。
学校 の 斜め 向かい に 位置 する この 寮 に は 、
全校 の 約 五割 が 住んで いる らしい 。
そう 、 あの人たちも __
もぶ 「 ねえ 見て 、 [漢字]侑[/漢字][ふりがな]あつむ[/ふりがな] くん や ! 」
もぶ 「 [漢字]治[/漢字][ふりがな]おさむ[/ふりがな] くん も いる 、 今日 も かっこええ なぁ … 」
そんな 言葉 を 背 に 受け ながら 、 二人 の 男子 が 校門 を 潜って いく 。
女子 たち の 声 は 耳 に 入って いない のか 、
はたまた 聞こえない フリ を している のか 。
美しく 整った 顔立ち は 良く 似ていて 、
違う 点 と 言えば 髪色 と 前髪 の 分け目 くらい だろう 。
この 二人 は 言う まで も 無く 双子 で 、
同じ 二年生 ながら 男子 バレー 部 の レギュラー だと いう 。
その 活躍 ぶり と 整った 容姿 [漢字]故[/漢字][ふりがな]ゆえ[/ふりがな] 、
女子 の ファン を 数え 切れない ほど 抱えて いる らしい 。
金髪で 、 どちらか と 言えば 明るくて [漢字]喧[/漢字][ふりがな]やかま[/ふりがな]しい のが 『 [漢字]宮[/漢字][ふりがな]みや[/ふりがな] [漢字]侑[/漢字][ふりがな]あつむ[/ふりがな] 』 。
銀髪で 、 どちらか と 言えば 落ち着いて いる のが 『 [漢字]宮[/漢字][ふりがな]みや[/ふりがな] [漢字]治[/漢字][ふりがな]おさむ[/ふりがな] 』 。
ファン の 中 でも 、 かなり 派閥 は 分かれて いる ようだ 。
? 「 なあ [漢字]治[/漢字][ふりがな]サム[/ふりがな] 、 今日 何 の テスト やった っけ 」
? 「 俺 が 知る 訳 無い やろ 。 クラス ちゃう っちゅう ねん 」
? 「 せやった わ 、 ほな [漢字]銀[/漢字][ふりがな]ぎん[/ふりがな] に 聞こ 」
? 「 始め から そう せい [漢字]阿呆[/漢字][ふりがな]アホ[/ふりがな] 」
? 「 あぁん !? 喧しい わ ボケ !! 」
二人 は お互い を 睨み 合った 後 、
[漢字]殆[/漢字][ふりがな]ほとん[/ふりがな]ど 同時 に 校舎 に 向かって 駆け 出して 行った 。
足音 も 見た目 も [漢字]煩[/漢字][ふりがな]うるさ[/ふりがな]い 。
ぶっちゃけ 、 あまり 好き では 無い 部類 の 男子 である 。
柚 「 … 喧し 、 」
思わず ぽつり と そう [漢字]溢[/漢字][ふりがな]こぼ[/ふりがな]した とき 、 誰か に 右肩 を ぽん と 叩かれた 。
? 「 __ ごめん 、 あいつ ら 煩い よね 。
これ あげる から 、 許して やって よ 」
そんな 声 の した 方向 に 顔 を 上げる と 、
涼しげ な 切れ長 の 目 を 持った 高身長 の 男子 が 飴 を 差し出して きて いた 。
柚 「 あ 、 いえ 、 そんな 」
? 「 良いから 良いから 。
俺 あいつら と 同じ 部活 だから さ 、 連帯責任 みたい な ? 」
そう 言って 笑った 切れ長 の 目 の 男子 は 、
私 に 半ば 強引 に 飴 を 押し付ける と そのまま 歩いて行った 。
あれ は 確か 、 双子 と 同じ バレー 部 の 『 [漢字]角名[/漢字][ふりがな]すな[/ふりがな] [漢字]倫[/漢字][ふりがな]りん[/ふりがな][漢字]太[/漢字][ふりがな]た[/ふりがな][漢字]郎[/漢字][ふりがな]ろう[/ふりがな] 』 だった はず …
柚 「 … 如何 でも ええ か 」
押し付け られた 飴 を 鞄 に 突っ込み 、 私 は また 歩き 出した 。