家出小娘
見知らぬお兄さんと蛇の網焼きを共に食べた訳だが、この人何なんだろう。(*今更)
チラッと蛇を焼き終わった後の網を恨めしそうに見つめるお兄さんを観察する。
見た目の年齢はお兄様と同じか年下ぐらい。
ピエロのような服装だけど、服の素材自体は貴族が着てもおかしく無い上等なものだし背が高くてケアがしっかりしてある綺麗な肌。
少なくともお金には困っていない家庭で育った感じだね。
「なあ。お前、名前は?」
「えっ、いや。流石に知らない人には教えられないというか……。」
観察してたら突然コッチを見て名前を聞いてきたので流石に動揺してしまったせいで言葉が詰まった。
急に話しかけられてビックリした、みたいな感じに勘違いしててくれと願いながら返答する。
「一緒に蛇の網焼き食べといてか?」
「確かに。」
コレは正論。何も言い返せねぇ。
「なあなな、教えてくれよ。」
「う〜ん。」
「くれよ。」
むにゅーっと、子供特有の伸びがいいほっぺを無遠慮に伸ばしながら熱烈なくれよコールを唱えるお兄さん。
ここで名前をお兄さんに言ったとして。お兄さんが誰かに私の名前を伝えたら私の名前が広がっちゃうかもしれないんだよねー。
広がった私の名前をもしも私の元家族やマドル家関係者が聞いたら探しに来るかもしれないし、どうしようかなと、考えてたらくれよコールが面倒くさくなってきたので最終的に折れて名前を言うことにした。
「じゃあ私の名前教えるのであなたの名前も教えてもらえますか?」
「僕の名前? いいよ別に。僕はファーミン。お前は?」
「私は峰不二子です。」
名前は名前でも本名じゃなくて前世、金曜ロードショウで何回も見て来た女スパイの名前だけどな。
おいそこ、体型と顔が似ても似つかないとか言うなよ。
私がさも本名です、みたいな感じで言ったのを聞いてファーミンさんは不思議そうな顔をしながら
「変わった名前だな。」
と、一言。
ジミーに傷つく言葉ランキング上位に入りそうな言葉だが、気にならないのは何でだろうか。ああ、他人の名前だからか。
「まあ、東の国の名前ですからこの国じゃあんまり聞き慣れない名前ですね。
ちなみに不二子がファーストネームです。」
「そうなのか。」
流れるようなに出てくる嘘と出任せで乗り切った。
そもそも魔法界、前世じゃ知らない人がいないような作品(例:ルパ⚫︎三世とか)が存在しないからな。本気で私の事を調べ上げない限りは大丈夫だろう。
ファーミンさんは名前を聞いて満足したのか私のほっぺをを伸ばすのを辞めて立ち上がった。
「あっ、そうだ。お父様から頼まれた用事終わってなかった。行かないと。」
「どっか行く感じですか?」
「うん。」
「なるほど。じゃあさようならですね。バイバイ。」
「バイバイ、フジコ。また蛇の網焼き食べにくるから。」
「気に入ってもらえてよかったです。」
意地でもまた・・と言わなかったが、ファーミンさんはあまり気にしてない様子でそのままバイバ〜イと手を振って歩き出した。
久しぶりに誰かと一緒にご飯を食べたので楽しかったが、一つ角を曲がった先で足音が消えていたのはただのホラーだった。
チラッと蛇を焼き終わった後の網を恨めしそうに見つめるお兄さんを観察する。
見た目の年齢はお兄様と同じか年下ぐらい。
ピエロのような服装だけど、服の素材自体は貴族が着てもおかしく無い上等なものだし背が高くてケアがしっかりしてある綺麗な肌。
少なくともお金には困っていない家庭で育った感じだね。
「なあ。お前、名前は?」
「えっ、いや。流石に知らない人には教えられないというか……。」
観察してたら突然コッチを見て名前を聞いてきたので流石に動揺してしまったせいで言葉が詰まった。
急に話しかけられてビックリした、みたいな感じに勘違いしててくれと願いながら返答する。
「一緒に蛇の網焼き食べといてか?」
「確かに。」
コレは正論。何も言い返せねぇ。
「なあなな、教えてくれよ。」
「う〜ん。」
「くれよ。」
むにゅーっと、子供特有の伸びがいいほっぺを無遠慮に伸ばしながら熱烈なくれよコールを唱えるお兄さん。
ここで名前をお兄さんに言ったとして。お兄さんが誰かに私の名前を伝えたら私の名前が広がっちゃうかもしれないんだよねー。
広がった私の名前をもしも私の元家族やマドル家関係者が聞いたら探しに来るかもしれないし、どうしようかなと、考えてたらくれよコールが面倒くさくなってきたので最終的に折れて名前を言うことにした。
「じゃあ私の名前教えるのであなたの名前も教えてもらえますか?」
「僕の名前? いいよ別に。僕はファーミン。お前は?」
「私は峰不二子です。」
名前は名前でも本名じゃなくて前世、金曜ロードショウで何回も見て来た女スパイの名前だけどな。
おいそこ、体型と顔が似ても似つかないとか言うなよ。
私がさも本名です、みたいな感じで言ったのを聞いてファーミンさんは不思議そうな顔をしながら
「変わった名前だな。」
と、一言。
ジミーに傷つく言葉ランキング上位に入りそうな言葉だが、気にならないのは何でだろうか。ああ、他人の名前だからか。
「まあ、東の国の名前ですからこの国じゃあんまり聞き慣れない名前ですね。
ちなみに不二子がファーストネームです。」
「そうなのか。」
流れるようなに出てくる嘘と出任せで乗り切った。
そもそも魔法界、前世じゃ知らない人がいないような作品(例:ルパ⚫︎三世とか)が存在しないからな。本気で私の事を調べ上げない限りは大丈夫だろう。
ファーミンさんは名前を聞いて満足したのか私のほっぺをを伸ばすのを辞めて立ち上がった。
「あっ、そうだ。お父様から頼まれた用事終わってなかった。行かないと。」
「どっか行く感じですか?」
「うん。」
「なるほど。じゃあさようならですね。バイバイ。」
「バイバイ、フジコ。また蛇の網焼き食べにくるから。」
「気に入ってもらえてよかったです。」
意地でもまた・・と言わなかったが、ファーミンさんはあまり気にしてない様子でそのままバイバ〜イと手を振って歩き出した。
久しぶりに誰かと一緒にご飯を食べたので楽しかったが、一つ角を曲がった先で足音が消えていたのはただのホラーだった。
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