白い生命は輝いて。
#1
それが幸せなんだって!
キーンコーンカーンコーン…と聞き慣れたチャイムが響く。
「じゃ、ここまで──」
解き終わっていないワークをすぐ閉じ、筆箱のチャックをギュッと引っ張る。
椅子からゆっくり立ち、少し歩きリュックに手を伸ばす。
──中身をゴソゴソと見て、忘れ物がないか確認して。
「じゃ、また明日〜」
[水平線]
周りが言う、くだらない生徒会長は多分俺のこと。
くだらないことしかできない、承認欲求。
「…また考え事してんの?w」
背の高い赤髪が隣に立つ。
「…うっせ、お前には関係ねぇし」
「…あーあ、折角待ってあげたのにね〜」
「変なの」と言って、クスクス笑う。
…変なのはお前だろ。
「…ま、いい。行こ」
「…おうよ」
[水平線]
「なぁ、スフェ」
「…何?珍しい」
「んだよそれ」
「……」
「[太字]俺ってちゃんとできてるかなぁって[/太字]」
「……何それ。そんだけ?」
「…悪いかよ」
「……[太字]俺は、お前最高だと思うけど?[/太字]」
「…生徒会おつかれ」
「なんだよ急に…」
「さーね!」
赤髪がゆらゆら揺れる。
一際目立つのは、光り輝いた瞳。
…はぁ、
お前の方がいいじゃねぇか。
[水平線]
「あー!!腹減った!!」
「うるさーい。」
「…あ、ラヴ奢ってー。」
「はぁ!?」
「うるさいね、黙ってやってよほらほら」
「自腹でやれっつってんだわ!!」
[水平線]
「スフェのばっかー!!」
「誰が馬鹿だ」
「お前だよ(真顔)」
[水平線]
「……ラヴ?」
「…ん、おう」
「[太字]幸せだったでしょ?[/太字]」
「…は?」
「バカだし、無理しがちだし、英語できないし、やけに運動神経いいし、もう変なとこしかないけど」
「…俺は好きだよ?」
「[太字]───アホったれの生徒会長がね![/太字]」
「っ…、?」
「あ、もう時間だね」
「早く座んな?」
「…話しかけてきたのはお前だろ!?」
「…まーね。」
──何が幸せだ?
[太字]それが幸せなんだろう?[/太字]
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