白鳥は少年探偵団の5人と2日過ごすことに。
だが、白鳥は朝から悩んでいた。
「…彼らに何を話せば良いのだろうか？」
事件の話でもしようと思ったが、ファミコンで盛り上がっている彼らを止めて何か話しかけるのは酷だ。無理に話す必要も無かろう。だが、白鳥のその決断はあっけなく崩れた。
「白鳥警部！お腹空いたよ！」
どうやら彼らは朝食を食べて来ていないらしい。
「もう8時だが…」
「まだ、8時ですよ！そりゃあ食べてませんよお！」
頬にそばかすがあるおそらくこの探偵団の中では高い頭脳を持っているであろう円谷光彦が叫んだ。
「ま、まぁ君たち、落ち着くんだ…何が食べたいんだい？」
「俺うな重！僕はトーストで！歩美もパンが良い！」
「…ということだから元太くん、朝はトーストで良いかい？昼はうな重でも良いから…そうだ、灰原さんとコナンくんは？」
「私はフレンチトーストが良いわ。僕はレモンパイ！」なるほど…みんな好みが違うのか…
「じゃあみんなにフレンチトーストを作って、コナンくんはデザートにレモンパイを作るよ。」
「コナンだけずるいぞぉ！警部、僕たちにも作ってくださいよ！歩美も食べたい！私も…食べるわ。」
「じゃあみんな何が食べたいんだい？」
「俺はな…僕はですね！歩美は！私は…」
その結果、元太くんにはビスケット、光彦くんにはバニラアイス、歩美さんにはプリン、コナンくんにはレモンパイ、灰原さんにはケーキを作ることになった。
「…わぁ！白鳥警部のお菓子美味しいですね！俺にもアイスくれよ！プリン美味しいよ！フレンチトーストもショートケーキも言うことないわ。白鳥警部、このレモンパイ美味しい！」
喜んでもらえたのは良かったが、朝から子どもにこんなデザートを食べさせてしまうのは大人としてどうかと思う。細長いしなやかな指を顎に当て、白鳥は考えた。
子どもたちを外に出してあげるか。
「君たち、軽井沢にある僕の別荘に遊びに行かないかい？」
「別荘にですか？！食べ放題だよな！？面白そうじゃない、行ってみましょうよ。僕も良いよ！」
「じゃあ、今日はそこに泊まるか。阿笠博士と執事の鴨井には伝えておくから、準備をして待ってなさい。」
こうして、白鳥と少年探偵団の軽井沢への旅は始まった。