二次創作
白鳥警部の日常
白鳥と佐藤は、京都で起きた殺人事件の捜査協力のため、途中のサービスエリアに止まっていた。運転席に座っているのは白鳥だ。今日の白鳥は、いつもの紳士の様な振る舞いは皆無で、朝から不機嫌である。
「佐藤さん、もう一度聞きますが、本庁に戻ることは出来ませんかね…?」
「白鳥君、何言ってんのよ。何度も言ってるけど、今更戻れるわけないじゃない。仕事なのよ、仕事。」
佐藤からその言葉を聞くと、白鳥は指先を顎に当ててため息をこぼした。
「第一、なんでそんなに京都に行きたくないのよ。
あなた自分で、祇園は顔だって前言ってたじゃないの。」
「それはそうなんですが…今回は事件の捜査ですから綾小路がいます…」
「それがどうしたのよ。」
全く気づいていない様な佐藤に白鳥は呆れた様にまたため息をついた。
「僕はですね…あんなシマリスを連れて歩く様な変人といるのは嫌だと言いたいんです。」
「…でも案外、2人とも似ているのかもしれないわよ。」
佐藤がぼそっとつぶやくと、白鳥のこめかみがビクッとした。
「僕とあいつが似てるだなんて、そんなことがよく言えますね…」
狼の如くじっと佐藤を睨みつけると、白鳥は低い声で話しかける。
「落ち着いてって、そんなつもりで言ったわけじゃないんだから…」
白鳥はムスッとして「どんなつもりだとしても、僕は許せませんね、ハッハッハ。」
ひどく起こらながら、白鳥はタバコの箱をカバンから出した。
滅多に吸わない彼がタバコの箱を取り出したということは、よほど怒っているのだろう。
佐藤は事態の重さをようやく理解し始めた。
「ちょっと待ってよ白鳥君、落ち着いてってば。」
必死に止めようとするが、怒った白鳥は誰にも止められない。
口にタバコを咥えると、ライターで火をつけて、ゆっくりと吸い始めた。
ふぅ…と煙を吐くと、白鳥は黙って車を動かし出した。その運転は、いつもより手荒だった。
「白鳥君、何する気なのよ!」
「…どうするも何も、京都に行ってあいつの鼻を明かしてやるだけですよ。」
タバコを吸いながら、白鳥は鷹の様な目をして答えた。
一気にスピードが上がり、ハンドル捌きも荒々しくなっていく。
ネクタイをキツく締めると、手際良くカバンの中からサングラスを取り出すと、ゆっくりと着ける。
普段の様子からは考えられない様な白鳥の姿に驚きつつも、佐藤は必死に止めようとする。
「私が悪かったわよ、だから落ち着いて!」
車内に佐藤の必死な声がこだましたが、虚しい努力であった。
「佐藤さんがどう言おうと謝ろうと僕は許せませんね…心が狭いもので。」
車はみるみるスピードが上がっていき、高速道路でも目立つほどの速さで走ることになった。
「僕も舐められたもんだ、良い気にならないな。」
あえて佐藤に聞こえるように大きめの声で白鳥は独り言を言った。
怒ると口が悪くなる、白鳥の悪い癖が出てしまっている。
こんな時、彼の恋人の小林先生ならどうするのだろうか。それとも、愛する人の前で白鳥はこんな姿を見せないのだろうか…
酔ったり、感動してもそこまで感情的にはならない白鳥が、こんなに怒るのは佐藤には意外だった。
そして暑くなってきたのか、白鳥はキッチリと着込んだスーツを脱ぎ、ワイシャツだけになった。ネクタイもキツく締めすぎたのか、少し緩めた。
そしてスーツを入れようと横のカバンに白鳥が目を向けた瞬間、佐藤はチャンスだと言わんばかりに白鳥の手首を掴んだ。
「…何するんですか。」
「ねえ、まだ怒ってるの?」
少し間をおいて、白鳥は答える。
「もう良いですよ…僕が感情的になりすぎました。」
「私もごめんなさい、白鳥君がそこまで綾小路警部を嫌ってるとは思わなかったのよ。」
白鳥はふぅ…と息を吐くと、灰皿にタバコを押しつけ、サングラスを外した。
「…にしてもそのサングラス、何なの?」
「あぁ、これですか?気合を入れるために時々着けるんですよ。タバコも眠気覚ましと、怒った時のために…」
白鳥の意外な一面を知って、思わずへぇえと声を出しそうになったのを、佐藤は堪えた。
そのまま車は京都に向かい、綾小路より先に事件を解決すると、白鳥は上機嫌で帰り道を進んで行った。
「…白鳥君って、意外と単純なのね。」
「佐藤さん、もう一度聞きますが、本庁に戻ることは出来ませんかね…?」
「白鳥君、何言ってんのよ。何度も言ってるけど、今更戻れるわけないじゃない。仕事なのよ、仕事。」
佐藤からその言葉を聞くと、白鳥は指先を顎に当ててため息をこぼした。
「第一、なんでそんなに京都に行きたくないのよ。
あなた自分で、祇園は顔だって前言ってたじゃないの。」
「それはそうなんですが…今回は事件の捜査ですから綾小路がいます…」
「それがどうしたのよ。」
全く気づいていない様な佐藤に白鳥は呆れた様にまたため息をついた。
「僕はですね…あんなシマリスを連れて歩く様な変人といるのは嫌だと言いたいんです。」
「…でも案外、2人とも似ているのかもしれないわよ。」
佐藤がぼそっとつぶやくと、白鳥のこめかみがビクッとした。
「僕とあいつが似てるだなんて、そんなことがよく言えますね…」
狼の如くじっと佐藤を睨みつけると、白鳥は低い声で話しかける。
「落ち着いてって、そんなつもりで言ったわけじゃないんだから…」
白鳥はムスッとして「どんなつもりだとしても、僕は許せませんね、ハッハッハ。」
ひどく起こらながら、白鳥はタバコの箱をカバンから出した。
滅多に吸わない彼がタバコの箱を取り出したということは、よほど怒っているのだろう。
佐藤は事態の重さをようやく理解し始めた。
「ちょっと待ってよ白鳥君、落ち着いてってば。」
必死に止めようとするが、怒った白鳥は誰にも止められない。
口にタバコを咥えると、ライターで火をつけて、ゆっくりと吸い始めた。
ふぅ…と煙を吐くと、白鳥は黙って車を動かし出した。その運転は、いつもより手荒だった。
「白鳥君、何する気なのよ!」
「…どうするも何も、京都に行ってあいつの鼻を明かしてやるだけですよ。」
タバコを吸いながら、白鳥は鷹の様な目をして答えた。
一気にスピードが上がり、ハンドル捌きも荒々しくなっていく。
ネクタイをキツく締めると、手際良くカバンの中からサングラスを取り出すと、ゆっくりと着ける。
普段の様子からは考えられない様な白鳥の姿に驚きつつも、佐藤は必死に止めようとする。
「私が悪かったわよ、だから落ち着いて!」
車内に佐藤の必死な声がこだましたが、虚しい努力であった。
「佐藤さんがどう言おうと謝ろうと僕は許せませんね…心が狭いもので。」
車はみるみるスピードが上がっていき、高速道路でも目立つほどの速さで走ることになった。
「僕も舐められたもんだ、良い気にならないな。」
あえて佐藤に聞こえるように大きめの声で白鳥は独り言を言った。
怒ると口が悪くなる、白鳥の悪い癖が出てしまっている。
こんな時、彼の恋人の小林先生ならどうするのだろうか。それとも、愛する人の前で白鳥はこんな姿を見せないのだろうか…
酔ったり、感動してもそこまで感情的にはならない白鳥が、こんなに怒るのは佐藤には意外だった。
そして暑くなってきたのか、白鳥はキッチリと着込んだスーツを脱ぎ、ワイシャツだけになった。ネクタイもキツく締めすぎたのか、少し緩めた。
そしてスーツを入れようと横のカバンに白鳥が目を向けた瞬間、佐藤はチャンスだと言わんばかりに白鳥の手首を掴んだ。
「…何するんですか。」
「ねえ、まだ怒ってるの?」
少し間をおいて、白鳥は答える。
「もう良いですよ…僕が感情的になりすぎました。」
「私もごめんなさい、白鳥君がそこまで綾小路警部を嫌ってるとは思わなかったのよ。」
白鳥はふぅ…と息を吐くと、灰皿にタバコを押しつけ、サングラスを外した。
「…にしてもそのサングラス、何なの?」
「あぁ、これですか?気合を入れるために時々着けるんですよ。タバコも眠気覚ましと、怒った時のために…」
白鳥の意外な一面を知って、思わずへぇえと声を出しそうになったのを、佐藤は堪えた。
そのまま車は京都に向かい、綾小路より先に事件を解決すると、白鳥は上機嫌で帰り道を進んで行った。
「…白鳥君って、意外と単純なのね。」