「お兄ちゃん、起きてよ。ねえ、時間やばいって」

ベットの周りでは、とっくに起きているクローがうろうろ歩いている。これは、キャンプに行ってから3日後の烏龍たちの家だ。ベットで気持ちよさそうに寝ている烏龍を、凰神は起こしている。なぜそんなに必死に凰神が起こしているかというと、今日は公式戦で義瑠太と戦う日だったからだ。だから、時間に遅れたらまずい。でも、義瑠太の家でも同じような状況なので、どっちもどっちだ。

「ねえ、起きてって。ねえ!あ、そうだ!クロー、頼む」

しびれを切らした凰神はクローに頼んで烏龍をつついてもらった。

「いったー!!!」

烏龍はそう言って、ベットから転げ落ちてしまった。

「お兄ちゃん、もう行く時間」

凰神がそう言うと、彼は時計を確認して大慌てで出る支度を始めた。

「やばい、やばい」

「はー」

凰神は盛大にため息をついて、烏龍の部屋を出た。


その頃、義瑠太の家では

「んもう!起きなさいよ!なんで本人がこんなグースカ気持ちよさそうに寝てるわけ⁉意味わかんない!」

一緒に行こうと約束していた莉央奈が、義瑠太を叩き起こしているところだった。枕を取り上げて、その枕で思いっ切り彼のことをひっぱたいた。

「いったいなあ。どうしたの?」

そんな彼の寝ぼけた反応に彼女はいらっときてもう一度枕で叩いた。

「いった!そんな叩かなくたっていいじゃん」

「時間見てみなさいよ!」

義瑠太はゆっくりした動作で時計を見た。そして、今の時刻を見ると盛大に取り乱して、出る支度を始めた。

「外で待ってるからねー!」

莉央奈はそう言い残すと、部屋を出ていった。