百鬼夜行
「そうと決まったら、ひとまず寝ましょう」
義瑠太が提案する。これには、3人とも頷いてくれた。
「そうしよう」
烏龍はそういったあとに足元を見て、少し顔をしかめた。
「ただ…、これじゃあ寝られなさそうだな」
確かに、普通の洞窟なので石や砂などがあり、寝心地はお世辞にも良いとは言えない。すると、凰神が提案をした。
「じゃあ、エットを枕代わりにすれば良いんじゃないかなあ。こいつ、ふわふわしているし」
「良いんですか?」
エットを撫でていた莉央奈が聞く。
「ああ、もちろんさ」
これで、安心して寝ることが出来そうだ。だが義瑠太には、不安なことがある。
「見張り…つけません?万が一襲われた時のために」
「確かに、その通りだ。じゃあ、まず誰がやる?」
みんなの視線が烏龍に集まる。烏龍は一瞬キョトンとしたあと冗談だろう、と笑った。しかし、みんなは至って真面目な顔で烏龍を見ている。
「分かった、分かった、分かったよ。最初やるよ」
「わあ~、烏龍さんありがとう!」
烏龍は少しご機嫌斜めのようだ。ムスッとした顔のまま、クローを肩に乗せて見張りの位置について、ぼそっと言った。
「次、凰神。2時間後に起こす」
その素っ気なさに凰神は少し眉を上げた。だが、もうずいぶんと暗くなってきているので2人に寝るよ、と言ってさっさと寝てしまった。
3人の安らかな寝息が聞こえると烏龍は、はあーとため息をついた。体育座りをして背中を洞窟の壁に預ける。いつから、いつからあの人はこうなってしまったのだろう。初めてあった時はまだ町長、やっていなかったか。まだ下っ端、だったよなあ。もう一度ため息をついた。考えれば、考えるほど昔を懐かしく思い出す。ふと、空を見た。雲の間から顔をのぞかせる星たちが、ひっそりと輝いていた。
義瑠太が提案する。これには、3人とも頷いてくれた。
「そうしよう」
烏龍はそういったあとに足元を見て、少し顔をしかめた。
「ただ…、これじゃあ寝られなさそうだな」
確かに、普通の洞窟なので石や砂などがあり、寝心地はお世辞にも良いとは言えない。すると、凰神が提案をした。
「じゃあ、エットを枕代わりにすれば良いんじゃないかなあ。こいつ、ふわふわしているし」
「良いんですか?」
エットを撫でていた莉央奈が聞く。
「ああ、もちろんさ」
これで、安心して寝ることが出来そうだ。だが義瑠太には、不安なことがある。
「見張り…つけません?万が一襲われた時のために」
「確かに、その通りだ。じゃあ、まず誰がやる?」
みんなの視線が烏龍に集まる。烏龍は一瞬キョトンとしたあと冗談だろう、と笑った。しかし、みんなは至って真面目な顔で烏龍を見ている。
「分かった、分かった、分かったよ。最初やるよ」
「わあ~、烏龍さんありがとう!」
烏龍は少しご機嫌斜めのようだ。ムスッとした顔のまま、クローを肩に乗せて見張りの位置について、ぼそっと言った。
「次、凰神。2時間後に起こす」
その素っ気なさに凰神は少し眉を上げた。だが、もうずいぶんと暗くなってきているので2人に寝るよ、と言ってさっさと寝てしまった。
3人の安らかな寝息が聞こえると烏龍は、はあーとため息をついた。体育座りをして背中を洞窟の壁に預ける。いつから、いつからあの人はこうなってしまったのだろう。初めてあった時はまだ町長、やっていなかったか。まだ下っ端、だったよなあ。もう一度ため息をついた。考えれば、考えるほど昔を懐かしく思い出す。ふと、空を見た。雲の間から顔をのぞかせる星たちが、ひっそりと輝いていた。