百鬼夜行
烏龍は言葉を続ける。
「そこでだ、考えられることが2つ。1つは、単純にドラゴンの体力を削れていたこと。こっちのほうが、ありがたい」
凰神は先を読めてしまって俯いた。烏龍はその様子を見て、悔しそうに言った。
「そして、もう一つがわざと自分で弱体化したこと。凰神、どんな夢見たんだよ。すごく、うなされていたぞ」
暫しの、沈黙だった。外では義瑠太と莉央奈が耳を澄ませていて、中では息もできないくらいの空気の重さだ。凰神はとても小さな声で絞り出すように言った。
「夢にドラゴンが出てきて、俺を乗っ取るとか言ってた。俺が受けた攻撃の中にアイツの分身が入っていたらしいんだ。なあ、俺、どうなっちゃうのかなあ」
今度こそ誰も喋らなかった。身動きも取れなかった。聞こえるのは、凰神の嗚咽だけだ。
「そこでだ、考えられることが2つ。1つは、単純にドラゴンの体力を削れていたこと。こっちのほうが、ありがたい」
凰神は先を読めてしまって俯いた。烏龍はその様子を見て、悔しそうに言った。
「そして、もう一つがわざと自分で弱体化したこと。凰神、どんな夢見たんだよ。すごく、うなされていたぞ」
暫しの、沈黙だった。外では義瑠太と莉央奈が耳を澄ませていて、中では息もできないくらいの空気の重さだ。凰神はとても小さな声で絞り出すように言った。
「夢にドラゴンが出てきて、俺を乗っ取るとか言ってた。俺が受けた攻撃の中にアイツの分身が入っていたらしいんだ。なあ、俺、どうなっちゃうのかなあ」
今度こそ誰も喋らなかった。身動きも取れなかった。聞こえるのは、凰神の嗚咽だけだ。