百鬼夜行
凰神は夢を見ていた。
「ここは?」
凰神は辺りを見渡すが、なにもない。場所によっては黒にも、白にも見える、無の空間だった。なにより、体がずっとふわふわしているような感じがして気持ちが悪い。向こうからなにかがやって来る気配がする。
「お前っ!」
それはドラゴンだった。悠々としていて、バトルのときでは見せない姿だ。凰神は警戒度をマックスにした。すると、ドラゴンが喋りだした。
「そんなに警戒するなって。攻撃はしないよ。主人からの命令が出ていないからね」
「ど、どういうことだ⁉なんで、俺の声で喋っている」
ドラゴンは当たり前じゃん、という調子で言った。
「だって、君を宿主にしたんだよ。そりゃ、君の声で話すって」
凰神は、気持ちが悪くて吐きそうになったが、質問したいことがたくさんあるので、ぐっと我慢する。
「いつから…」
「君、覚えてないの?あの時だよ。庇った時。あの時の攻撃の中に、ちょっと僕の分身を混ぜていたんだよね。気が付かなかった?」
凰神は震えながら頷く。
「それと、君の体、乗っ取っちゃうことがあるかもしれないけど、あんまり気にしないでね」
「どういう、ことだ」
ドラゴンは嬉しそうな調子で続ける。
「チャンピオンに乗っ取ろうと思ったけど君で正解だったなあ」
「なぜ」
「宿主が、バトルが強ければ強いほど、僕も強くなるからだよ。ふふふ、君とタッグを組んだからまた[漢字]最強[/漢字][ふりがな]最凶[/ふりがな]に成れる気がする」
ドラゴンは喋りとは裏腹に、恐ろしいオーラを帯び始めた。凰神はもう限界だ。気がつくと、いつの間にか意識を手放していた。
「ここは?」
凰神は辺りを見渡すが、なにもない。場所によっては黒にも、白にも見える、無の空間だった。なにより、体がずっとふわふわしているような感じがして気持ちが悪い。向こうからなにかがやって来る気配がする。
「お前っ!」
それはドラゴンだった。悠々としていて、バトルのときでは見せない姿だ。凰神は警戒度をマックスにした。すると、ドラゴンが喋りだした。
「そんなに警戒するなって。攻撃はしないよ。主人からの命令が出ていないからね」
「ど、どういうことだ⁉なんで、俺の声で喋っている」
ドラゴンは当たり前じゃん、という調子で言った。
「だって、君を宿主にしたんだよ。そりゃ、君の声で話すって」
凰神は、気持ちが悪くて吐きそうになったが、質問したいことがたくさんあるので、ぐっと我慢する。
「いつから…」
「君、覚えてないの?あの時だよ。庇った時。あの時の攻撃の中に、ちょっと僕の分身を混ぜていたんだよね。気が付かなかった?」
凰神は震えながら頷く。
「それと、君の体、乗っ取っちゃうことがあるかもしれないけど、あんまり気にしないでね」
「どういう、ことだ」
ドラゴンは嬉しそうな調子で続ける。
「チャンピオンに乗っ取ろうと思ったけど君で正解だったなあ」
「なぜ」
「宿主が、バトルが強ければ強いほど、僕も強くなるからだよ。ふふふ、君とタッグを組んだからまた[漢字]最強[/漢字][ふりがな]最凶[/ふりがな]に成れる気がする」
ドラゴンは喋りとは裏腹に、恐ろしいオーラを帯び始めた。凰神はもう限界だ。気がつくと、いつの間にか意識を手放していた。