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二次創作
ONE PIECE多め短編集【単発多め】

#5

約束は砕かれた。

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「兄上、兄上は一緒にいてくれる?」

母上が死んで、精神的に辛くなっていた時期に弟はそう言った。おれはもちろんそのつもりだったから、

「ああ、もちろんだえ、ロシー」

と答えて、聖地にいたときからは考えられないほど身なりが変化した、愛しい愛しい弟を抱き抱えた。ほんのり暖かくて、守ってやらなければと思ったのは、前から変わらない。
寒くて、腹が減って、辛かったけれど、ロシーがいてくれたから、耐えられた。

それでも、状況は好転しなかった。悪化するばかりだった。




全部、ぜんぶ父上のせいだ。
幸せなくらしも、食べるものも、聖地にいた友も、神であることも、失った。それは全て父上のせいだ。
許せない。なんで。聖地にいれば、母上が死ぬことも無くて、ロシーだって腹を空かせずに済んだはずなのに。


腹の内の憎悪が渦巻いた。




後のファミリーの幹部となる者達と出会い、悪魔の実と、“覇気”なる力を知った。



ある日、ロシーがついにストレスで泣いた。ずっと泣き止まなく、ずっとうわ言のように、ごめん、と謝っていた。



それを見て、おれは決意する。




























引き金は引かれた。









聖地に、マリージョアに戻れたら、ロシーすらも失うことはないはずだ。
ロシーを隠して、聖地に向かった。






「だめだえ、おまえはもう下々民たちと同じなんだえ」





死にたくない。
どうして、海軍、戻れない、ロシー。


































ぼんやりと意識が浮上する。灯が眩しくて、目がちかちかする。

命からがら逃げ延びた末に、ファミリーのアジトの近くで倒れてしまったらしい。




「ロシーは!?」


飛び起きる。血が足りないからか、勢いよく起きたからか、そのまた両方か、頭がぐわんぐわんして、ふらついた。
聖地で何があったか聞いてくるトレーボルに簡潔に言い、急いで路地へと向かった。










ロシーを隠した路地裏。


そこには、ぼろぼろで血まみれなシーツと、食べかけのパンがあった。そして、大きな大人の足跡と思しき跡が残っていた。
悟った。悟ってしまった。ロシーは、死んでしまったのだと。



















「ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあァぁぁあ!!!!」

















ロシー、ロシー。おれの弟。残された唯一の肉親、守ってやりたかった存在。














ごめん。どうして。おれのせい?置いて行ったから?なんで。許せない、世界が許せない。
腹の中でどぐろを巻いた憎悪がごうごうと煮えたって、体を包む。こんな世界なんて壊してやる。
こんな世界許せない、壊してやる。憎い!憎い!!





のちの七武海となる、“ドンキホーテ・ドフラミンゴ”が誕生した瞬間だった。




















___________________________________________________________________________________________









「ロシー…?」
                        
10年ほど後、路地裏で“偶然”愛しい弟を見つけた。約束はまだ見捨てていなかった。

それがひとときのものだったとしても、“ロシナンテ”以外は知る良しも無いのだから。








ドンキホーテ・ドフラミンゴは繰り返す。また、引き金は引かれるだろう。

“偶然”を装った必然。それを知るのは、まだ早い。


作者メッセージ

最後まで捏造たっぷり!
珍しくドフィ。
知らぬはロシナンテばかり、だがしかし知るもロシナンテばかりと言う話が書きたかったばっかりにドフィが被害を被りました。申し訳ねェとは思ってんですがね…

2025/04/21 15:26

檸檬/気まぐれもん ID:≫ 63BteQXBljVls
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