二次創作
ONE PIECE多め短編集【単発多め】
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思えば、暗い冬のような闇と、春の暖かい日差しのような光との繰り返しのような人生だった。
暖かい秋の陽気に誘われて産まれて、急な坂道を転がるように母国が滅亡。
そこでおれは、先の見えない真っ暗な、深淵。奈落といって相違ない感情と、破壊衝動、悲しみ、哀れみ、後追いしてしまいたいような、どうしようもない倦怠感。
ここで朽ち果てた方が楽なんだと分かっていて。それでも覆えない、憎しみと破壊衝動。一人生き残ってしまった罪悪感。どうしようもない喪失感に襲われる。
たくさんの感情が溢れ、やがて収束する。「憎い」 「世界を滅茶苦茶に壊す」 この二点のみが、おれをこの世に繋ぎ止める全てだった。
コラさんと出会って、また暖かい、春がやってきた。その頃はコラさんの命が、おれをこの世に繋ぎ止める全てだった。
心が咲いた。あのどうしようもないクソッタレ王族は憎い。だが、それだけではなかった。愛を感じた。
モノクロの世界に、色がついたようだった。海が青く色付き、潮の香りが頬をくすぐる。どうしようもないこんな世界で、ここだけが美しく色付いた。白と赤ばかりだったおれの世界に、鮮やかな彩りが、増えていった。
また、寒い冬がやってきた。世界はモノクロへと変貌を遂げる。こんな世界、どうしようもない。
銃声が嫌いだ。白は嫌いだ。白と赤の組み合わせなんてどんな悪夢だろうか。宝箱に光は差さない。この色彩を失った世界では、コラさんの本懐を遂げることだけが、おれをこの世に繋ぎ止める全てだった。
それから、ずっとたった。もう、おれは子供じゃあなくなったし、仲間ができたし、本懐だって遂げた。
仲間達は、提灯のようにじんわりと色を描いてくれた。暖かい光があった。だが、本懐に劣る。劣ると思ってしまった。
最低だ。おれは、こんなどうしようもない人間だったか?目標がなくなってありのままのおれは、こんなにも最低だったか?
嗚呼、会わせる顔がない。若しかしたら、見捨てられるか。幻滅だけで済むか。
ペンに、殴られるか。ベポに嫌われるか。シャチに、零度の視線を向けられるのか。
それはなんて恐ろしいのだろう。本当は、臆病で、目標がないと生きられない情け無い奴だと知って、幻滅されることさえ恐れる男と知って、おれのクルー達は、どう思うのだろうか。
「キャプテン!」
「アイアイ!」
その言葉だけで、光が差したような気がした。ドフラミンゴを倒してから褪せ始めていた世界は、またじんわりと色を戻す。
ああ、そうだ。そうだったな。そもそも、生きるのに意味なんてなかったんだ。自由に生きても良いんだ。ふわり、自然に口角が上がる。おれは、自由に、海賊をやるんだ。きっと、こいつらは受け入れてくれる。
どうやら宝箱の中には、暖かい春の日差しが差し込んだらしい。
その日は、季節にそぐわない春の陽気だったそうな。
(思い出は心の宝箱に仕舞われたまま)
思えば、暗い冬のような闇と、春の暖かい日差しのような光との繰り返しのような人生だった。
暖かい秋の陽気に誘われて産まれて、急な坂道を転がるように母国が滅亡。
そこでおれは、先の見えない真っ暗な、深淵。奈落といって相違ない感情と、破壊衝動、悲しみ、哀れみ、後追いしてしまいたいような、どうしようもない倦怠感。
ここで朽ち果てた方が楽なんだと分かっていて。それでも覆えない、憎しみと破壊衝動。一人生き残ってしまった罪悪感。どうしようもない喪失感に襲われる。
たくさんの感情が溢れ、やがて収束する。「憎い」 「世界を滅茶苦茶に壊す」 この二点のみが、おれをこの世に繋ぎ止める全てだった。
コラさんと出会って、また暖かい、春がやってきた。その頃はコラさんの命が、おれをこの世に繋ぎ止める全てだった。
心が咲いた。あのどうしようもないクソッタレ王族は憎い。だが、それだけではなかった。愛を感じた。
モノクロの世界に、色がついたようだった。海が青く色付き、潮の香りが頬をくすぐる。どうしようもないこんな世界で、ここだけが美しく色付いた。白と赤ばかりだったおれの世界に、鮮やかな彩りが、増えていった。
また、寒い冬がやってきた。世界はモノクロへと変貌を遂げる。こんな世界、どうしようもない。
銃声が嫌いだ。白は嫌いだ。白と赤の組み合わせなんてどんな悪夢だろうか。宝箱に光は差さない。この色彩を失った世界では、コラさんの本懐を遂げることだけが、おれをこの世に繋ぎ止める全てだった。
それから、ずっとたった。もう、おれは子供じゃあなくなったし、仲間ができたし、本懐だって遂げた。
仲間達は、提灯のようにじんわりと色を描いてくれた。暖かい光があった。だが、本懐に劣る。劣ると思ってしまった。
最低だ。おれは、こんなどうしようもない人間だったか?目標がなくなってありのままのおれは、こんなにも最低だったか?
嗚呼、会わせる顔がない。若しかしたら、見捨てられるか。幻滅だけで済むか。
ペンに、殴られるか。ベポに嫌われるか。シャチに、零度の視線を向けられるのか。
それはなんて恐ろしいのだろう。本当は、臆病で、目標がないと生きられない情け無い奴だと知って、幻滅されることさえ恐れる男と知って、おれのクルー達は、どう思うのだろうか。
「キャプテン!」
「アイアイ!」
その言葉だけで、光が差したような気がした。ドフラミンゴを倒してから褪せ始めていた世界は、またじんわりと色を戻す。
ああ、そうだ。そうだったな。そもそも、生きるのに意味なんてなかったんだ。自由に生きても良いんだ。ふわり、自然に口角が上がる。おれは、自由に、海賊をやるんだ。きっと、こいつらは受け入れてくれる。
どうやら宝箱の中には、暖かい春の日差しが差し込んだらしい。
その日は、季節にそぐわない春の陽気だったそうな。
(思い出は心の宝箱に仕舞われたまま)